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モノづくりのイノベーション 〜実験的な市民工房 Fablab〜

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 先週ご紹介した子供用ビジュアルプログラミング環境「Scratch」に加え、3Dプリンターやレーザーカッターなど、いわゆるモノづくりのイノベーションが加速しています。

 何がイノベーションなのかと言うと従来は企業に閉じていたモノづくりが市民に開放されて来ているということ。
 
その原動力となるような世界的な活動があります。
《FabLab Japan(FabLab Japanについてより)》
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 FabLab Japanは、国内外のファブラボとものづくり活動をつなぐネットワークです。FabLabは、パーソナルファブリケーションを実現する場(個人による自由なものづくりの可能性を広げるための実験工房)であり、3次元プリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備える市民工房です。
 少なくとも全世界20カ国以上50か所以上にファブラボが存在しているようです。人々にデジタル・ファブリケーション技術の利用機会を提供することで、「つくる人」と「使う人」の極端な分断の解消を目指しているそうです。
 私が、このFabLabのことを知るキッカケになったのはベストセラー「MAKERS」(NHK出版)がキッカケ。
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 その後、代表をつとめる「あしたのコミュニティーラボ」で「豊かな社会をつくる:ものづくり」として特集を組み、ファブラボ鎌倉(FabLab Kamakura)を主宰する慶應義塾大学環境情報学部准教授の田中浩也さん、代表を務める渡辺ゆうかさん、ファブラボ渋谷(FabLab Shibuya)の梅澤陽明さん、「MAKERS」を出版されたNHK出版の松島倫明さんにお話をお伺いする機会をいただきました。
《新潟県湯沢市から移築した酒蔵が活動の拠点となるファブラボ鎌倉》
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「Fab」には「Fabrication(ものづくり)」「Fabulous(素晴らしい)」という2つの意味が込められているそうです。元工作少年としてはとても共感するメッセージです。ファブラボの基本的理念はFab Charter(ファブラボ憲章)として共有されていますが、「ファブラボとは何か?」という議論は時代の変化に合わせ、常に続けられているようです。
FabLabの条件(What’s FabLab?より)
1.一般市民が利用可能であること(パブリックアクセス)
2.ファブラボ憲章の理念に基づいて運営されていること
3.共通の推奨機材を備えていること
4.グローバルなファブラボのネットワークに参加すること
 現在公開中の「あしたのコミュニティーラボ」1周年記念特集『社会を動かす「共創」』では、“共創”の現場の体験ルポとしてファブラボ鎌倉の具体的な活動を紹介しています。
《3Dモデルを自在につくれるiPad用アプリ「123D-Creature」
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 来週7月5日(金)には、東京・二子玉川にてファブラボ鎌倉代表の渡辺ゆうかさんや企業と地域NPO、クリエイターと連携し、環境と経済が両立する仕組みづくりをしているThink the Earthの上田壮一さんをお招きして〈あしたのコミュニティーラボ 1周年記念イベント〉「社会を動かす“共創”を考える3年後に向けてイノベータ―が取り組むコト」を語ろう」を開催します。”共創”について社会を動かすイノベータ―のみなさんと議論する無料のワークショップイベントとなります。みなさんのご参加をお待ちしていますので宜しければご参加ください。
 今年は、FabLabの世界大会「第9回世界ファブラボ代表者会議(通称Fab9)」が横浜で8/21(水)-27(火) に開かれます。
こちらも楽しみですね!
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