野中郁次郎先生からの言葉 〜富士通フォーラム2013ご来場ありがとうございました〜
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昨年、弊社の窓口として出版に携わった本が2冊あります。
「挑む力 世界一を獲った富士通の流儀」とその英訳版である「Fortune Favors the Brave」(いずれも日経BP社刊)です。
この2冊の本は、スーパーコンピューター「京」をはじめ、宇宙を解き明かす天文観測装置「アルマ望遠鏡」、経済を止めない東証システム、東日本大地震直後の被災地を支援するシステム、日本の食を支える農業IT(クラウド)、らくらくホン、ブラジル進出といった数々の難プロジェクトを完遂したプロジェクトリーダーたちの物語。英訳版である「Fortune Favors the Brave」の意味は、「ともかくやってみろ」。富士通で受け継がれて来た言葉。解説は、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生。
実は、先週まで開催されていた富士通フォーラム2013で著者の田島篤さんとの対談『実践知リーダーに見るこれからの人材力・現場力とは「挑む力」の8つのプロジェクト事例より』を企画した関係で久々にお会いした。
野中先生の講演と田島さんとの対談が面白かったことに加え、嬉しかったことがある。
講演後のわずかな時間に久しぶりであったこともあり、色々と近況報告をさせていただいた。その際、私がコネクター (connector) 型の人間であるという話になった。
若い頃からIT業界だけでなく異業種での交流が好きなタイプであったが、ある先輩から、「柴ちゃんは、コネクターだよね」と評された。いろいろな人を紐付けしてその化学反応を楽しんでいるというのだ。その当時は、褒められているのか単なる人好きだと言われているのか良くわからなかったが、確かにその通りだと思った。
野中先生は、私がコネクター (connector) 型の人間だという話をお聞きになり、
「柴崎君は、いってみれば幕末の坂本龍馬だよ」
私からすると明治維新の偉人になど例えられたことはなく、ビックリしてしまった。先生曰く、坂本龍馬は人を殺めることなく人をつなぎ合わせるコネクター (connector) 型の人間だったという。確かに薩長同盟などその業績は、”戦”ではなく彼のコネクター力によって産まれた場づくりの結果産まれた化学反応、いや核融合だ。
その時、「このお言葉を忘れまい!」と心に誓った。
一人で出来ることには限りがあるがたくさんの人の出会いから人々をつなげて化学反応を起こすことで新たなイノベーションが産まれる。
野中先生が、提唱される実践知のリーダーシップに必要とされる6つの能力は、
- 「善い」目的をつくる能力
- 場をタイムリーにつくる能力
- ありのままの現実を直感する能力
- 直感の本質を概念化する能力
- 概念を実現する政治手腕
- 実践知を組織化する能力
だという(「挑む力 世界一を獲った富士通の流儀」P204〜P208)。コネクター (connector) 型の人間として私なりの実践知のリーダーシップを今後も発揮していきたいと思う。
お陰様で連日数多くのお客様にご来場いただいた富士通フォーラム2013も無事終了。今回もたくさんの出会いがあったのでは?新たな出会いで化学反応が起こり、ビジネスイノベーションやソーシャルイノベーションが産まれれば日本ももっと元気になる。
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