サービスプラットフォームとコトづくり 〜祝!!東京スカイツリー開業一周年〜
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先週、5月22日に東京スカイツリータウンが、開業1周年を迎えました。
震災を乗り越え、逞しくオープンしたこの歴史的建造物には様々な想いを持った人も多いのでは。個人的には、従兄弟の会社が建造に携わっており、建築物としてどうやってこれだけの高さのものをあの地盤に建築したのか興味があります。
《東京スカイツリー》
- 好調な開業一年目
さて、開業1年間で東京スカイツリーには約638万人、東京スカイツリータウン全体で約5080万人が来場したというから驚きです。開業時の想定は東京スカイツリーが540万人、東京スカイツリータウンが約3200万人で、これを大幅に上回ったとのことです。
同様の施設と比較すると東京スカイツリーは東京タワーの開業1年目(513万人)より100万人以上も多かったそうです。スカイツリータウンも、当初目標より6割弱多い5000万人超と首都圏屈指の集客力を誇る六本木ヒルズ(約4100万人)や東京ディズニーリゾート(約2750万人)と比べても抜きん出ています。特に関東を中心とする観光客が目立ち、地元住民の利用も多かったそうです。確かに地元の住民からしたらお江戸の天守閣に登るような気分でしょうね。
墨田区では、こうした地元や関連業界を含む初年度の経済効果を年間1746億円と試算していたそうですが、ある専門家によると開業後1年間の経済効果は約5900億円にも達するというから驚きです。
- サービスのプラットフォーム
この近年稀に見るランドマークをサービスのプラットフォームと見ると面白いと思います。サービスプラットフォームには様々なものが考えられることをサービスプラットフォームとコトづくり 〜様々なサービスプラットフォームー場〜で紹介しましたが、東京スカイツリーはまさに建物をベースとしたサービスプラットフォーム。
東京スカイツリーは、東京スカイツリータウンの各施設(東京スカイツリーのほか、東京ソラマチ、プラネタリウム、すみだ水族館など)の中核として東東京エリアの観光・産業拠点の形成と地域社会の活性化が期待されて来ました。
東京ソラマチは東西約400m、約5万2000㎡という広大な総面積に、ショップやレストランなど312店舗がひしめく国内有数の商業施設です。
ウチの娘は、スカイツリーには登っていませんが、この東京ソラマチには既に3回も通っています。渋谷や原宿に行くより東京ソラマチだそうです。理由を聞くと、かわいいお店に加えていろいろ楽しめる場所がたくさんあるからとのこと。今の女子高生の間ではかなり人気があるスポットなのだろう。
キャラクターのソラカラちゃんは、ビジネスにどの程度貢献しているか定かではないが可愛らしいキャラクターで関連グッズもたくさんあるようです。
また、最新鋭のプラネタリュームや水族館もあり、確かにお店だけでなく複合的に楽しむこともできて、あれもこれも楽しめる”お得感”が集客にも影響しているのだろうか。
- 初年度は、驚きのビジネス効果、二年目の試練
報道によると、東武鉄道の2013年3月期決算は、連結営業利益が、期初見通しを150億円も上回る525億円に達したらしい。このうち約3割の153億円は、東京スカイツリーによってもたらされたとのことで、まさにスカイツリー様々ですね。
東京スカイツリーは都心部から比較的近く、鉄道で訪れる人が多いため、最寄りの「とうきょうスカイツリー駅」は10年度比約4.1倍の1万2022人(1日当たり、定期以外)に利用され、隅田川を隔てた浅草駅も36.1%増の2万295人(同)と伸びたらしい。
相乗効果が表れたのは、鉄道だけではなく、なんと100キロ以上も離れた栃木県日光市のテーマパーク「東武ワールドスクエア」も東京スカイツリーを観光した後で、足を延ばす人が増えたという。
高さ350メートルの「天望デッキ」の入場料は2000円で100メートル上にある「天望回廊」まで行けば、さらに1000円が必要となる。最上階の特別展望台までのぼっても、1420円の東京タワーよりかなり高額となるが、一度は登ってみたくなるのが人というもの。
しかし、スカイツリーは他の観光スポットに比べ、もともとタワーはリピート率が低い施設といわれています。因に東京タワーは開業2年目の1959年度に493万人、翌年度は410万人と、入場者数が大幅に減ったらしい。
どんな手で入場者の減少を食い止め好調を維持するのか、二年目の東京スカイツリーのコトづくり戦略に注目したい。
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