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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

竹内義晴さんの『感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。』を読んだよ。

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最近、オフィス内が「平和」になった。うちだけじゃないだろう。どこも20年くらい前と比べたら、しずかで平穏じゃないだろうか。(少なくとも表面上は)

私が入社した昭和時代は、オフィスのあちこちで上司や先輩が議論していた。議論だけじゃなくて、本気で喧嘩している人も。もちろん、内容は仕事がらみだ。

「そんなやり方ではダメだ」

とか

「俺の部下に何してくれるんだ」

とか。

まあ色々。

コンプライアンスだのパワハラだのなんじゃかんじゃと言われるようになって、オフィスは徐々に静かになってきたような気がする。

表だって喧嘩売る同僚もいなければ、会議で罵倒されることもない。

平穏なことはいいことなのだけれど、人の気持ちもそこまで平穏になったのだろうか、と疑問に思わなくもない。

感情はあまり変わっていなくて、その感情を飲み込んでしまっている人もいるんじゃないか。

今、オフィスで感情的になることは、「悪いこと」とされている。

誰もが感情をコントロールする術を身につけたのであれば問題ないのだが、抑圧された感情を持て余している人だっているに違いない。

抑圧された感情は、どうなるかというと、おりの様に溜っていって、自分の中で発酵し始めたりする。

さあ、どうする?

・・・なんてことを考えていたら、竹内義晴さんがそんな「感情」について「どう取り組めばよいか」を1冊の本に記された。

感情的、といっても、嬉しすぎる!ハッピーだ!といったポジティブなものではなく、怒りとか苛立ちといったネガティブな感情が沸いてきたら、どう対応すればいいのかを様々な角度から解説していいる。

感情が動くのは理想と現実のギャップだ、とある。

ああ、そうだなぁー。

「こうあるべき、こうあってほしい」と思うのに、そうならないから、いらっとするわけだ。

(うちの父は、要介護になってからますます怒りっぽさに磨きがかかってしまい、何をしても、すぐ怒鳴る、イライラする、という状態だけれど、これだって、「理想」と「現実」のギャップを感情で表しているに違いない。(もともと短気で怒りっぽかったが、拍車がかかったのは、自分でほとんどのことができなくなったからだろう))

何が理想か、今の現実は何か、を整理してみると、自分の感情が揺さぶられた理由も分かるというものだ。

この本は、感情のスイッチがどうやって入っていくのか、を述べたあと、「感情スイッチ」を切りかえるための5つのポイントを解説している。

気づく。
受け入れる。
鎮める。
切りかえる。
活かす。

ふむ、なるほど。


単調作業、たとえば、落書きなんかも鎮めるのに役立つよ、という話が出てくるのだが、もしかすると、昨今「大人の塗り絵」が流行っているのもそんなところに理由があるのかも知れない。

「変えられること」と「変えられないこと」を切り分けてみよう、という話も出てくる。

怒っている人の中に、「変えようがないこと」をずっと言い続けているケースがあるけど、エネルギーばかり消耗して、得るものはないよねぇ、と思ったりもする。

あと、最後の方に、「ネット上の見えない相手に振り回されない」というアドバイスも。

そう、見えない相手、匿名の相手のためにエネルギーを費やすこと、ないのよねぇ。私もAgreeだ。


この本を読んで、色々な「感情コントロール」法があるもんだな、と面白かった。

さらに加えると、年齢を重ねることが感情を穏やかにする部分もあるんじゃないかな。

若いころはぷんぷんしたようなことが、今は、「まあ、そういうこともあるわなぁ」と思い、あまり感情が動かない。
最近は、色んな出来事に枯淡の領域になってきた。

電車の中で喧嘩している男性たちは、まだまだ元気だなぁーと思う。

『朝からそんなに消耗して、仕事に支障ないかなぁー、お疲れ様です』などと心の中で念じていると、たいてい目的地に着く。

感情は無駄に刺激しないほうが大事なことに自分のエネルギーを使えるから、怒りっぽい人は、竹内さんの本を読んでみるといい。

ぜひぜひ。

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1つ突っ込むと、「感情スイッチ」を切りかえれば、「すべての仕事」がうまくいく。ってのはちと言い過ぎだなと思う^^;;。

でも、タイトルはたいていの場合、著者が決められないので、編集者や販売担当の方の意向が強く反映されたのだろう。ふふふ。

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