続・「若い人に付き合ってもらえる人になる」という発想
やったー、「オルタナトーク」のお題になったー。(と一応喜びを示してみてから、『「若い人に付き合ってもらえる人になる」という発想』の続編をば)
このエントリで書いた会話の席で、「じゃあ、どんな年長者が”若い人に付き合ってもらえる”のか」も出ました。
一言で言うと、「上がっていない人」(すごろくで言うところの「あがり」になった意識がない人)。
言い方を変えると「止まっていない人」。「進化している人」。
年長者、ベテランという領域にいると、それだけで生きてきた長さ分の知識やスキルを持っていて、それを伝授してくださる、というのはとても嬉しいことなのだけれど、それよりも、年下の人間として、年長者を見た場合、「うぉ、まだ進化している!」というほうがもっとスゴイよね、という話をしたのです。
「○○さんと会うと、毎回違う話が出る」
「○○さんて、また新しいことを始めたらしい」
「○○さんてすごく勉強しているよね」
という感じでしょうか。
そういえば、私がお付き合いしていただいている年上の先輩方は、「いつも進化」しているんです。
お話ししていると、
「淳子さん、ボクねぇ、中国語も始めたんだよ」などとおっしゃる。「うへっ! 60代にして、また新しいことを!?」とびっくりする。「んでもって、それ、いかがですか?」とか「どういうきっかけで始めたのですか?」などと興味を持ってお聞きする。(これ、「中国語」だったり「ジョギング」だったり「陶芸」だったり「薔薇作り」だったり「資格試験挑戦」だったり「大学院入学」だったり、と様々です)
こういう「進化系おじさん」(←失礼! でも「オルタナトーク」のお題なのでw)は、一緒にいて楽しい。刺激を受ける。
若手というか、年下の人間に対して、「勉強しろ」「いろいろ挑戦しろ」と言うのはよくある話だけれど、自らも「勉強」し、「挑戦」している。その姿がステキだと思うのです。
そして、もう一つ。 「年下の人間にも興味を持ち、ちゃんと話に耳を傾ける」人。
年長者と一緒にいると、どうしても「年長者」のお話を「拝聴」することになりやすい。
でも、年長者が、年下の、たとえば、私の話に興味を示し、色々聴いてくださると、すごく嬉しい。
30代の頃、こういう体験をときどきしました。
すごく年上の上司から、仕事半分、プライベート半分の会食の席に連れていかれた。先方もその上司と同年代。たとえば、60代同士、など。もちろん、ぺーぺーの私は、脇にちょこんと座っているのだけれど、最初から最後まで自分に話題が振られることもなく、存在がほとんど認識されていないようだった。
あるいは、別の時。何かのセミナーの打ち上げで、講師陣(私もその一人だけれど、明らかに自分だけ若かった)の会食の席。有名人や業界重鎮だけが会話していて、「田中さんは、どう思う?」などと聴いてもらえなかった。
・・・・これらは、もちろん、私のコミュニケーション力不足によるものもあるのですが、なんとなく「居場所ない」感じがした場面でした。
しかし、ある時、「6-70代」の方たちと会食した際に、先方が「淳子さんは、今、何をやっているの?」「それって何?」などとすごく興味を持って私のことを聴いてくださったのです。「あ、興味を持っていただけた」「私もこの場で、一人の人間として認めてもらえた」と嬉しかったのです。
そんなことから、年長者が「自分の経験や自分の知識」を話すばかりではなく、年下の人間に興味を示し、「何をしているの?」「どう考えているの?」「どんな思いを持っているの?」と、耳を傾けることって大事だなあ、と思うようになりました。
後輩とか若手は、先輩、年長者に気を遣って、「○○先輩、今は何をなさっているんですか?」「教えてください」というモードで接してくると思うけれど、その時、調子に乗って長時間滔々と我が仕事、我がキャリアを語るより、(というか、それもあっていいのだけれど)「私はこう、こうこう。んで、それよりも、皆さんの話を聴かせて。興味あるから」と目をキラキラさせて、身を乗り出して話を聴く。関心を示す。大事だなあ、と。
そして、最後に。「楽しそうにしている」。
私の周辺の「おじ様」(シツレイ)は、皆さん、「楽しそう」です。艱難辛苦は数々あるに違いないけれど、愚痴こぼす、他人の悪口?を言うなど聴いたことがない。とにかく、楽しそう。
「新しいものへの挑戦と進化」と「年下の人たちへの興味と関心」+「楽しそう」
これらが「若い人」をして「年長者」と付き合ってもいいなあ、と思える要素のように思います。
だから、そんな中年に私はなりたい。
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昨日(4/20)、お客様先で新入社員研修中、昨年の新入社員研修を受講してくださった2年目になったばかりの方たちが講師控室に訪ねて来てくださいました。
「田中さんたちがいらっしゃっている、って2年目の間で噂になってて。だから、逢いに来ました!」と。(もう、これだけで涙ちょちょぎれそうです)
「うぉー、大人なお顔になって・・・。覚えていてくださってありがとうございます」
「ご無沙汰してます。あの節はお世話になりました」
「今、お仕事、いかがですか?」
「頑張ってます。まだまだ学ぶことが多いし、叱られることも多いけれど」
「ああ、よかった、皆さんがお元気そうで、そして、明るい表情をなさっていて。お会いできてとても嬉しい!」
「あの時の研修、実務でも役立っているんです。たとえば・・○○とか××とか・・」
「おお、それはとても嬉しいことですね」
「6月の研修でグローバルナレッジを訪問したじゃないですか。チームごとに。あの時のメンバは今でも仲良くて、”グロナレ呑み会”ってのをやっているんですよ。」← 勤務先名が冠された呑み会が、他者の2年目の方たちに存在する、なんて(涙
「でですね、田中さんと飲む約束、まだ果たしていないんですよねぇ」
「え、それ覚えていらっしゃる?」
「覚えてますよ。あの研修の時、約束しましたよねぇ」
「6月の約束を10か月経って覚えて下さる。うう、社交辞令じゃなかったのですね。やりましょうよ!」
「え、ホントに誘っていいですか?」
「もちろん!もちろん! じゃあ、合コンで」(← 血迷って、妙なことを口走る。なんせ、息子のような年齢w)
「ホントだ! じゃ、合コンで」(← 年長者を立てて、会話を合わせてくださっているw)
・・・・
というわけで、飲む約束を交わしてしまいました。私も昨年6月の約束は覚えていたのですが、それは、研修最後の盛り上がりによる「フロー効果」がなせる業かと思っていました。
「今からでも誘っていいですか?」なんて、もう嬉しいではあ~りませんか。
「若い人に付き合ってもらえる人になる」・・・。よしっ。頑張ろう! ^^: