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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

CS(2):あなたの「お客様」は誰?

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昨日(12/15)のエントリーの続きです。

CS(Customer Satisfaction)の「C」カスタマ、って、誰なんだろう?をちゃんと定義しないといけないなあ、と思いました。

どうしても、今目の前にいる顧客だけをカスタマと思ってしまうような気がします。

たとえば、当社の仕事でいえば、研修を受講してくださっている「受講者」が「お客様」。

これは、誰もがわかるし、目の前にいらっしゃるので、意識しやすいですね。

でも、BtoBでサービスを提供していると、発注者という方もいらっしゃる。たとえば、受講者の上司かも知れないし、人事部や人材開発部の方かも知れない。

あるいは、もっと広げて考えれば、その企業がカスタマでもある。

ここまでも、ちゃんと考えればわかる。

そして、もう一つ。

目の前にいるお客様にもさらにお客様がいる。

その「お客様のお客様」まで意識の中にあるか?といわれたら、「ある」場合もあるし「ない」(つい忘れてしまっている)場合もある、という感じかも知れません。

たとえば、です。

私が、「プレゼンテーション・スキル」の研修を提供したとします。

そこに集まる受講者は、「プレゼン・スキル」を学びたい。だから、第一に、その方たちの「プレゼン・スキル」を高められるよう、しかも、楽しく、充実した学びの時間になるよう、精一杯の工夫や努力をしていく。

その時、その「受講者」は、誰に何のためにプレゼンをするのか、も考える。

すると、たとえば、「クライアントにプロジェクトの進捗状況を説明するためです」とか「お客様がわにやっていただきたい作業を理解した上で、粛々と作業を進めていただくためです」など、プレゼンする相手が見えてくる。

そのプレゼンする相手というのは、私が直接会う方ではない。「お客様」の「お客様」だから。

でも、私の「お客様」(=受講者)に、私が満足をもたらさなければならないのと同様に、
その「お客様」(=受講者)にも、さらに「満足」をもたらさなければならない相手がいる。

そこまで思いを馳せて仕事をしているか。

これも、「言われてみりゃ―当たり前」なのだけれども、つい「目の前の方」だけを「お客様」と思ってしまうのではないかしらん?

そういえば、昔、こんな話を聞いたことがあります。

ある旅行社にお勤めの方でした。

何かのIT化について、SIerと複数社会って感じたことがあるというのです。

「ボクは、ITはど素人で、詳しいことは全然わからない。ただ、こうしたい、とか、こうなればよいという想いはある。たくさんのSEに会ったんだけれど、僕たちの”お客様”のことまで意識して話してくれたSEが一番、好きになった」。

旅行社ですから、「僕たちの”お客様”」というのは、旅行客(見込み客も含め)です。

そこまで考えて話してくれたエンジニアの説明が一番腹に落ちたとおっしゃっていました。

目の前にいる方だけが「お客様」ではない、ということも、意識しないといけませんね。と自戒。

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