会社は誰のもの?論
村上ファンドが世間をにぎわしていますね。
個人的には村上氏のことは嫌いではなかったので、少々残念です。というか、「ファンド=悪」とするメディアの報道に違和感を感じていた裏返しが、村上氏への好意の原動力だったのかもしれません。
それにしても、どうしてメディアはあんなに村上氏のことを叩くのでしょうか。もちろんインサイダー疑惑の前からですよ。何か個人的な恨みでもあるのでしょうか。それとも村上氏が憎まれっ子風の面持ちだからでしょうか。金持ちだから?って、マスコミの方の給料も十分に高いじゃないですかー。いいなあ。
そんなことはさておき、「ファンド=悪」という文化はいったいどこからくるのでしょうか。そこには、「会社は誰のものか?」ということに対する社会の認識の未熟さを感じざるを得ません。
会社は誰のものか?
これは、買収劇がメディアをにぎわす度に議論の対象となりますが、私の見解を述べますと、やはり、残念ながら、
会社は株主のもの。
ということになります。ひねりがなくてすみません。そして、この手の意見について、違和感を持つ方々が大勢いることも、知っていますし、違和感の根源は「コツコツ一生懸命働いている社員はどうなるの~」的なものであることも知っています。
しかし、私はむしろ「会社は株主のもの」ということを法律論としてはもちろん、現実論として社会がしっかりと受け入れ、「会社は株主のもの」ということをベースに日本人の企業に対する価値観を再構築した方が自然ではないかと思いますし、そういう時期に来ているのではないかと感じます。
雇われ社長を公言する私からすれば、一般の方とは違ったところで、違和感を感じることがよくあります。例えば、私は雇われ社長でありながら、会社のリース契約の連帯保証人になっています。これはいったいどういうことでしょうか(おかげさまでリース残も、少なくなりましたが)。
「会社は株主のものなのだから、連帯保証人は株主の中から申し出てくれ!」と言いたいところなのですが、「それが社長という立場だ!、責任が持てないのであれば社長の資格はない!」的な理不尽な回答がきます。経営で手腕を発揮するのと、連帯保証人にならなければならないことに何の相関性があるのかよくわかりませんが、株主責任っていったいなんなんでしょうかね。
「なんだ、いろいろ書いてるけど結局、連帯保証人からぬけたいだけなの?」
って「実はそうなんです!」というのは、冗談で、そんなみみっちいことを言ってるわけではありません。
このような状態では、株主の望むプロの経営者が育つとは到底思えません。
個人連帯保証に限っていえば上場などにより会社としての信頼が確立されればおのずと解消されるでしょうが、すべての会社が上場できるだけではありませんし、それ以外にも経営者個人に要求される責任がいろいろありすぎて、むしろ「会社は株主のもの」と思えない経営者を生み出す温床となっているのではと私は思うのであります。はい。
いずれにせよ、「株主」、「経営者」、「社員」そして何より「顧客」がともにハッピーになれるベストな状態というのはいったいどういうものなのか、引き続き模索して行きたいと思います。
そもそもこんなことを書いていると、「社長としての資質が疑われる」などと、また株主さんに怒られそうですが、もし怒れれることがあったら、皆様に報告させていただきます。お楽しみに。