「働き方(業務)改革」8つのヒント!!
今回は「働き方(業務)改革」の8つのヒントについて書きたいと思います。
現在、政府の重点政策の一つに「働き方改革」があります。働き方改革実現会議は昨年以下のような5項目を働き方改革の重点テーマとして設定しました。
非正規雇用の処遇改善
長時間労働の是正
賃金引き上げ
柔軟な働き方
転職・再就職支援
こうした政府の改革の動きは主に制度面の対応についてです。しかしながら、この「働き方改革」の本質的なところは、
「我々の日々の働き方、業務のやり方をどう変えていくか」
すなわち、これは「業務改善」そのものが重要なのです。
例えば、長時間労働の是正が良い例です。政府が音頭をとって法案を作り、行政がその法律に基づき、長時間労働やサービス残業を取り締まる対応をすることは、企業に対して、抑止力になりますが、本質的な
「働き方(業務)改善をどうしていくのか」
「働き方(業務)をどう効率化していくのか」
という、議論や検討を、各企業はそれぞれ対応して行く必要があります。
そこで、ここでは、本質的な問いに対して、「働き方(業務)改革」の8つのヒントを提案してきたいと思っています。
1. 仕事の優先順位を明確につける
2. 仕事の役割分担、チーミングを用意周到にねる
3. 70%のできでレビューを受ける
4. 効率的な会議を行う
5. 事前のネット情報収集
6. 効率的な仕事するためのコミュニケーション
7. 全体感、対局感をもって仕事をする
8. 仕事と休息を使い分ける
1. 仕事の優先順位を明確につける
自分のやっている仕事を洗い出してA,B,Cの優先順位をつけてみましょう。例えば、朝、仕事場に来て、今抱えているTO DOを書き出します。次にそれらを、
A(重要、すぐやる)
B(すぐではないが早めにやる)
C(急がない、また時間がかかりそう)
などのように3つに分けます。
まずA(重要、すぐやる)をまず着実に完了させていきましょう。
A(重要、すぐやる)が終わったらB(すぐではないが早めにやる)にとりかかりましょう。
これだけで、その日にやるべき仕事の量が半分になります!
C(急がない、また時間がかかりそう)については最悪、その日にやらなくても構いません。繁忙がなくなってからじっくりとやるくらいの気持ちで考えましょう。結構このレベルの仕事ってたくさんあるかもしれません。
日々のeメールも同じです。ここではあまり分類しすぎると後で面倒臭くなるので、重要というフォルダのみ作ります。
まずは未読メールの仕分けをします。A(重要、すぐやる)メールをどんどん重要フォルダに入れていきます。どうでも良いメールはそのままにします。
未読が見終わったら重要フォルダのメール対応をまず最優先でやりましょう!
メールソフトにもよりますが、筆者は重要フォルダとあわせて完了したらフラグをつけることにして進捗がわかるようにしています。あわせて未対応のものはフラグをつけていないようにして、あとから探しやすくしています。
2. 仕事の役割分担、チーミングを用意周到にねるこちらは、1日では終わらない、一人ではできないような、時間をかけて行うべき大きめの仕事についての効率化のヒントです。プロジェクトと言ってもよいかもしれません。
こうしたプロジェクトについては、まず最初に時間をかけて「プロジェクト編成」という準備作業を行います。これは通常はリーダーが行うべき作業ですが、チームメンバーが案を作成してリーダーにみてもらうスタイルでもよいと思います。
プロジェクト編成で行うことは
○作業量を見積もる
○作業要員を見積もる
○チーム体制と役割分担を練る
○足りないスキルがあった時に外部に応援を頼む
○スケジュールを作る
などです。
特にこうした大きな仕事を行うためには会社の内外のリソースを上手く使うことが作業の効率化と品質向上に直接響いて来ます。適材適所の人材でチームを組む計画をたてていきます。
また、実際に作業が始まってからも、作業量の見積もりやスケジュール作成などで、今日、今週行うべき仕事の量や納期が目に見える形になりますので、それに合わせてリーダーはチームの作業量を微調整してコントロールすることができるのです。
3. 70%のできでレビューを受ける
この「70%レビュー」のルールは個人レベルでもプロジェクトレベルでもどちらも当てはまります。
仕事には必ずそれをレビューする立場の人がいるはずです。社内の仕事であれば上司ですし、顧客向けの仕事であれば顧客自体かもしれません。
「70%レビュールール」とは、70%くらいの仕事の成果ができた時に、それを完成に向けて仕事を進めずに、一旦ストップして、このような成果内容でよいかを監督者や顧客に「レビュー」をもらうことです。
なぜ70%かというと、30%や50%くらいの状態ではまだ仕事の成果の全体像が見えて来ませんが、70%の成果であれば、ほぼ完成した場合のイメージが見えてくるからです。
個人であれば、そのタスクで作成したドキュメントを、70%の出来の時に上司に見てもらいましょう。
その段階であれば、ある程度の修正がききます。また大きく考え違いをしていたとしても、100%までいっていないので、まだ手戻りの時間が少なくなります。
どうしても新人の場合、100%の成果をボスに早く見せたいと思いがちですが、「70%ルール」によって、仕事の手戻りを削減しましょう。
4. 効率的な会議を行う
働き方改革の中でも、改革の成果が目に見えるわかりやすい領域です。
一般にマネージャー以上の65%の仕事は会議であると言われています。しかしその会議がよく非生産的な場になっていることが多く見受けられます。
さらにこの長時間会議が長時間労働を招く一因となっているのです。会議を効率的に行うことはできます。以下のルールをしっかりと行えば会議の時間は半分になり、成果は2倍になります。
1.会議の目的を決める(何を皆で決定したいのか、コンセンサスをとりたいのか、はたまた何に対して意見を言ってほしいのか、など)
2.目的に基づいた会議のアジェンダを事前に作り、参加者に必ずメールなどで共有しておく。(アジェンダはできるだけ会議の内容が分かるような詳細ものが望ましい)
3.会議のファシリテーターを事前に決めておく。(ファシリテーターは会議を上司の一方的なプレゼンの場から救ってくれます。)
4.会議の終了時間を決めておく(加えて終了時間までに最低限何を決定するかも)
5.継続した会議であれば、前回の議事録は必ず共有しておく(それ以前に議事録、またはもっと簡易な議事メモさえ、とっていない会議もたくさんあります。)
こちらは筆者の以前のブログでも投稿しています。
(詳細はそちらをご覧ください)
つまらない会議をワクワクさせる方法
つまらない会議をワクワクさせる方法 その2
つまらない会議をワクワクさせる方法 その3
つまらない会議をワクワクさせる方法 その4(前半)
つまらない会議をワクワクさせる方法 その4(後半)
5. 事前のネット情報収集
最近はインターネットが成熟し、たいていの事前の調べものはネットでできるようになりました。
例えば、顧客に訪問する前に、顧客の情報を手軽にネットで調べることができます。事前に顧客情報を調べておくことで、顧客との打ち合わせもスムーズに進み、また良い提案ができるかもしれません。
顧客の情報を知らない場合はその逆です。思わぬところで恥ずかしい思いをしてしまう可能性もあります。
あるテーマで作業をしたり、プロジェクトを起こす時に、事前にネットで当テーマについて先進的な取り組みをしている他者の情報や、先進的な考え方を読んでおきましょう。
このネット情報収集をうまく使えば、作業やプロジェクトの前半の情報整理の部分の仕事がとても効率化されます。場合によってはそのネットの収集情報で、一回目のディスカッションフェーズに入れるかもしれません。
ただこのネット情報収集は、上手くやらないと時間がかかり、いつまででもだらだらやってしまうので、ある程度時間を切って、例えば1時間で集まる情報、ということでコントロールしましょう。
6. 仕事を効率的にするためのコミュニケーション
同じ仕事をやっていて、色々な人に聞きながら、要領よく仕事をする人と、一人で悶々と抱えてしまって長い時間かかってしまう人といると思います。
この2人の違いは仕事に関して適切なコミュニケーションをしているかどうかの違いと考えられます。
ここで仕事を効率的に行うためのコミュニケーションというのは3種類あります。
○仕事を始める前の5W1Hの確認
まず仕事を始める前のコミュニケーションです。
例えば上司から仕事を頼まれた時に、曖昧な指示であることがないですか?また前任者からの仕事の引き継ぎの際も同様です。
仕事を始める前に、その仕事の5W1Hを必ずウォークスルー(事前説明)してもらいましょう。
その仕事の目的(WHY)
その仕事の範囲、対象(WHAT)
その仕事の顧客、関係者(WHO)
その仕事の納期(WHEN)
その仕事を行う環境、使える資源(WHERE)
その仕事を進めるための方法論、手順(HOW)
こうしたことを事前に聞いておくのと、聞かないで試行錯誤で行うのとでは仕事の効率性や、さらには成果レベルに雲泥の差がでてしまいます。
もし上司の方がきちんと説明してくれないのであれば、こちらから要求するとか、メールでもよいので仕事の5W1Hを聞くようにしましょう。
上司もわからない時は、例えばこちらからこの仕事の5W1Hをまず明文化して、それを逆に確認する、というやりかたも有効かもしれません。
○仕事中のQ&A
仕事中に、詳細な部分で疑問点、質問がでてくるはずです。こうした点についてはきちんとまず書き出すことが重要です。仕事のスーパーバイザーがいれば、随時聞くこともできますが、一般的には、ある程度質問がまとまった段階で、関係者や上司にコミュニケーションしましょう。
特に大きなプロジェクトでは、プロジェクト推進上の「課題一覧」としてこうした仕事中のQ&Aを業務としてプロセス化しています。
個人の仕事の場合もこうした、疑問点、課題についてはリストに書き出して、その後、解決するためのコミュニケーションを効率良く行いましょう。
○レビュー(70%レビュールール)
そして仕事の成果が70%程度できたら、上司や関係者からレビューしてもらいましょう。
(前述しましたので詳細割愛)
以上の仕事の前、中、後の3つの段階でのコミュニケーションを的確に行うことが業務、仕事の効率性を大きく向上させます。
7. 全体感、大局感をもって仕事をする
こちらは少し上級編となりますが、重要なことです。みなさんの仕事はもしかしたら、全体の仕事の一部分かもしれません。5W1HのWHYで考えるように
「この仕事の目的は何か?」
「この仕事は会社全体としてどのような意味があるのか」
などの全体的な目的を理解して仕事を行うことは、仕事の動機付けにもつながります。
大抵の場合、みなさんの仕事は会社の中の一部の業務機能でしょう。それを行うことによって
「他部門の他の業務機能とどのようにつながっていくのか」
の全体感をもつことが、非常に重要となります。
そしてさらには、みなさんの仕事に「経営的な観点」でその意味づけを考えるということも大事です。
「自分が会社の経営者としたら、この仕事はどのようにあるべきか、どのような視点が必要か」
など、経営者目線で仕事をすると、「本来必要なこと」、「やる必要のないこと」などの仕事の優先順位が見えてくる場合があります。
それは同時に仕事の無駄を見つけて、本来やるべき仕事の目的を再認識してくれます。
また仕事を指示してくれた上司の目線で考えみたらどうでしょうか。
「自分が上司だったら、どのように仕事をして欲しいか」
を想像してみると、仕事のスタンスが変わるかもしれません。
こうした「一つ上の視点」「全体感」「大局感」で物事を見る習慣をつけてみましょう。
8. 仕事と休息を使い分ける
最後に、ついつい仕事をしすぎてしまうビジネスピープルに対して、最近の新しい考え方「仕事と休息のミックス」を紹介します。
我々の固定観念は仕事は仕事、1日朝9時から夜9時までみっちり仕事をして、週末になったら2日間、休息するということかと思います。
ところが、最近の医学的な研究で、人間の脳は、仕事と休息(仕事以外のこと)を交互に行う方が、効率的に動くということがわかってきました。
ここで言う休息は単に寝たり、休んでいることではなく、体を動かすこと、スポーツすることも含まれます。
こちらの考え方が詳しくかかれている「シリコンバレー式休息」では次のように言っています。
○質の良い労働をするためには、休息が必要である。
○休息は労働に対立するものではない、休息は労働のパートナーである。
○労働の合間に、正しい休息をとることは、エネルギーを回復させるだけでなく、その人の心に宿り、創造の女神に命を吹き込む
○労働で本当に集中できるのは3、4時間程度
○ここで休息とは、スポーツなど体を動かすことも多いに含まれる。
この「シリコンバレー式 よい休息」では、1日にの労働の中に良い休息(体を動かすこと等)のタイミングを入れることにより仕事の生産性があがり、クリエイティブな仕事ができる、と言っています。
どうしても現代人は仕事の割合が多く週のうち5日間は仕事オンリー(デスク前、会議など)になってしまいがちです。
こうした「仕事と休息のミックス」の考え方を会社全体で活用し、社員の生産性を高める試みも、本質的な「働き方改革」として、企業は真剣に行っていくべきと考えます。
またさらにこの考え方を活用した新たな働き方「海のそばで働く」「湘南WLBサテライトオフィス」というアイデアも提唱しています。
こちらも「働き方改革」のアイデアとして是非参考にしてください!!
(参考文献:「シリコンバレー式 よい休息」アレックスジョンキムバン 日経BP社、)
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