ファーストコンタクトでコンサルティングを契約する方法!!
こんにちは。
今回はコンサルティング営業の話をします。
1. ファーストクライアントの案件の場合
コンサルタントの皆さんは初めて知り合ったクライアントの新しい案件に遭遇した時、提案に苦労することはありませんか?
相手の情報がなかなか取れない中、類似の事例紹介を持って行ったり、また、とりあえず標準的な提案プランを持って行ったりしていませんか?
そして、こちらの事例や提案プランが相手のニーズに合っているかもよくわからない、いわゆる「のれんに腕押し」状態に陥ることがよくありますよね。なぜなら、初めてのクライアントや新しい案件の最初の段階では、以下のように、クライアントとコンサルタントとの信頼関係がないため、お互いにバリアがあるからです。
<クライアント側のバリア>
⚪︎自分たちが行うべき業務のうち、何をコンサルティングしてほしいかわからない
⚪︎そもそも来ているコンサルタントが適切な能力を持っているかがわからない
⚪︎コンサルタントとの人間的信頼関係もまだない
<コンサルタント側のバリア>
⚪︎営業として教えてもらえる情報には限りがある、また真に大事な情報は教えてくれない場合が多い
⚪︎案件の中身がはっきりしないため、コンサルタント側もどのようなスキルをもつ人材を組んで良いかわからない
このように、お互いに疑心暗鬼のコンサルタントとクライアントは、何度か情報交換ミーティングを開くことになりますが、心理的バリアのため、どうしてもお互いに一方通行の会議になりがちです。
そんな状態がしばらく続くと、結局コンサルタントには頼まずに、まずはクライアント社内の人材で進めてみようという結論になることがよくあります。
その後、やはり専門知識や専門的なプロジェクトマネジメント力がないため、クライアント内でもプロジェクト遂行に時間がかかってしまい、社内で途中まで行った状態で、再びコンサルタントを入れてやってみようという二度手間になってしまうこともよくあるパターンですよね。
また、場合によっては、ファーストコンタクトが上手くいかない場合、クライアントは最初にコンタクトしたコンサルタントだけでなく、広くコンサルタント会社を募り、提案コンペをする、なんていう場合も少なくありません。
そして、提案コンペになると、クライアント側には余計な労力と時間がかかり、本来のプロジェクト案件の進みがさらに遅れてしまうわけです。
このように最初のコンタクトでクライアントとコンサルタントがうまく分かり合えないとプロジェクトそのもの立ち上げがうまくいかずにお互いに不利益を被ることがあります。
2. 最初に提案する「ハイスポットレビュー」
それでは、どうすればよいでしょうか。このクライアントとコンサルタントのファーストコンタクトをもっと活用できないでしょうか。
このように、クライアントとコンサルタントが最初の段階でお互いに警戒して話が進まない場合に良い方法は「ハイスポットレビュー」を提案することです。
「ハイスポットレビュー」とは、クライアントの現在の状況および課題をコンサルタントがレビューして、今後どのようなコンサルティングが必要になるのかを見極めるタスクです。
「ハイスポットレビュー」はプロジェクトが本格的に立ち上がる前に行われるため、日本語では「プロジェクト立ち上げレビュー」または「プロジェクト立ち上げ支援」などとも呼べるかもしれません。
この「ハイスポットレビュー」ですが、以下のような業務ボリュームで提案することが良いと思います。
期間:2週間から長くて1ヶ月
費用:100万円から500万円程度
また、できればコンサルティングに係る人的費用を全てクライアントに提案、請求するのではなく、この最初のお試し契約はコンサルティング会社とクライアントが折半で持つような共同プロジェクト型が良いと思います。
理由は、コンサルタント側もある意味、ファーストクライアントへの営業投資となりますし、クライアント側も今後のプロジェクトを円滑に進めていくための作業に専門家を入れて行うことができるわけですから、どちらもwin-winの業務として、共同プロジェクトの位置付けが本来ふさわしいと言えます。こうした費用の折半分担についてもコンサルティング会社からの提案にきちんと理由も含めて書き込み、お互いにメリットのあることを納得した上で進めることが良いと思います。
3. 「ハイスポットレビュー」の内容
それでは、初回フェーズで提案する「ハイスポットレビュー」の内容を説明します。
「ハイスポットレビュー」で行う手順は課題の洗い出しとそれを解決するための解決策(プロジェクトテーマ)の提示です。
次のような4つのフレームでタスクを定義していきます。
プロジェクトが対象とする業務、システムの課題レビュー
2. プロジェクトを今後進めていく上での組織等の課題レビュー
3. クライアントが今後行うべきプロジェクト定義
4. クライアントの今後の実行計画、スケジュール作成
1によって、これからのプロジェクトのスコープや改善すべき業務、開発するシステムの課題が明確になります。
そして、2によって、これからのプロジェクトの進め方や体制が明確になります。
さらに、3により、1,2の課題を解決するプロジェクトの活動内容を定義します。
最後に、4にて、それを時系列に展開することにでプロジェクトのマスタースケジュール(第0版)を作成します。
どうですか?クライアントに対しても論理的でわかりやすいプロジェクトの立ち上げ業務だと思いませんか?
繰り返しになりますが、「ハイスポットレビュー」作業は今後のプロジェクトのイメージを明確にしてくれます。また、これによって、本プロジェクトにおいてクライアントが行うべき仕事とコンサルタント(いわゆる外部専門家)が行う仕事も明らかになるでしょう。
コンサルティング会社にとっても、クライアントと「ハイスポットレビュー」業務の契約を締結することで期間中にクライアントの生の情報を得ることができます。
コンサルタントにとって、営業ベースで得る情報を1とすると、「ハイスポットレビュー」業務の契約によって得る情報は100にもなります。それほど入り込んだ方がコンサルタントが今後クライアントに対して提案する内容が適切でフィットしたものになるはずです。
4. 「ハイスポットレビュー」を誰に提案するか
次に「ハイスポットレビュー」を誰に提案したらよいか説明します。
「ハイスポットレビュー」はメッセージの強い業務ですので、必ず提案や趣旨に賛同するキーパーソンを見つけておきましょう。
クライアントの状況によって、役員クラスの場合と担当マネージャークラスの場合を考えます。
担当者クラスの場合、提案しても無駄な場合が多いので、もし「ハイスポットレビュー」を提案する場合は必ずマネージャー以上のキーパーソンを見つけてからにしましょう。
一番良いのはクライアントのキーパーソンが役員クラスの場合です。役員クラスのキーパーソンは、ほとんどの場合、現場マネージャー以下の動きに不安を感じています。また自分のところに現場の情報が入らないため、特にそれがプロジェクト担当役員やCIOの場合は現場と若干のギャップがあることが多いと言えます。
そこで、コンサルタントは役員クラスのキーパーソンにwin-winの「ハイスポットレビュー」の提案をするのです。つまり役員キーパーソンが疑問に思っていたり、課題に思っていることをインタビューして聞き出して、その内容を「ハイスポットレビュー」の調査内容に完全に盛り込みます。
役員クラスがキーパーソンの場合は、予算権限も持っているため、「ハイスポットレビュー」の費用をクライアントが全額負担してもらえる可能性も大いにあります。
このように「ハイスポットレビュー」を提案すべき第一人者は担当役員やCIOであると考えてください。
次に、キーパーソンがマネジャークラスの場合を考えます。マネージャークラスの場合は真に現場や現行システムなどが抱える課題を持っています。したがって、マネージャークラスのキーパーソンにインタビューして、役員にも伝わっていない現場または組織レベルの課題を「ハイスポットレビュー」の調査内容に盛り込み、「ハイスポットレビュー」の報告書を外部の第三者が提言する内容として、役員に報告できるように仕向けるのです。
マネージャークラスにとって上司にあたる役員に対して、マネージャーが抱える課題を外部コンサルタントから代弁してもらうという動機があるため、同じくwin-winの「ハイスポットレビュー」提案になります。
ただ、キーパーソンがマネージャークラスの場合は予算権限がないため、「ハイスポットレビュー」の予算はコンサルタント会社側にとっても投資と言える、お得感のある提案内容である必要があります。なぜなら、マネージャーが役員に「ハイスポットレビュー」の予算を告げる際、何故この準備段階でお金がかかるのかという疑問が必ず役員から発生し、予算が取れないケースが考えられるからです。
したがって、コンサルタント会社側も費用を負担する提案にすることで、クライアント側にそれほど予算はかからなくなり、OKされる可能性が高まるのです。
以上のように、ファーストクライアントと何度か会っているのだが、どうも上手く溶け込めず、提案ができない場合は「ハイスポットレビュー」を提案してみてください。
それでは。
---------------------------------------------
TプロマッチでIT業界の働き方を変えていきましょう!!
IT業界の案件をマッチングするならこちらへ!
---------------------------------------------
ITプロマッチサイトのURLアドレスはこちら
https://it.pro-match.jp
---------------------------------------------