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「少子高齢化は問題」だと思っていたけれど、実は「社会がよくなっている証拠」だと知って、晴れやかな気持ちになった

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

「少子高齢化」というキーワードを出したとき、みなさんは「問題」だと捉えますか? それとも「よいこと」だと捉えますか? ボク自身はいままで「問題」だと捉えていました。

少子高齢化が進むと生産年齢人口が減ってしまうし、年金のような社会システムも、今までより多くの高齢者を少ない人数で支えなければならなくなります。

また、ボクは地方に住んでいますが、人口が減れば税収が減ってしまいますし、地域の維持もままなりません。それだけに、地方創生といった対策が、国レベルで行われています。

でも、いま、ボクの視点は180度変わりました。「いままで、少子高齢化は問題だと思っていたけど、本当は、問題ではないのかもしれない。むしろ、歓迎すべきことなのかもしれない」と。

視点が変わったのは、FACTFULNESSという本を読んだことがきっかけです。

FACTFULNESSによれば、「貧困がなくなると、子供の数が減る」といいます。

 極度の貧困から抜け出した数十億の人々は、子供をたくさんつくる必要がなくなった。もう、家庭の小さな農場で、たくさんの子供を働かせなくてもいい。もう、病気で亡くなる子供の分だけ、多めに子供をつくらなくていい。

 女性も男性も教育を受けるようになると、子供には貧しい思いをさせたくない、もっと良い教育を受けさせたいと考えるようになる。手っ取り早いのは、子供の数を減らすことだ。そして、避妊具という文明の利器のおかげで、性交渉の数を減らさずに子供の数を抑えられるようになった。

 これからも、より多くの人が極度の貧困を抜け出し、より多くの女性が教育を受け、性教育や避妊具がどんどん普及していく。女性ひとりあたりの子供の数はこのまま減り続けるだろう。

これは、欧米をはじめ「豊かな国」では共通して起こっている現象なのだそうです。

少子高齢化が課題だと思っていたボクにとって、この視点は目からウロコでした。「そうか、貧困がなくなり、社会が平和になると、少子高齢化になるのは必然なのか」と。データでみると、それはどうやら確かなようです。

そうか、少子高齢化は豊かになった証拠なのか。それ考えると、なんだか晴れやかな気分です。

そういえば、自分ごととして捉えても、「子供は2人ぐらいいればいいかな」と、結婚当初から思っていたもんな。

逆に、少子化対策で「子供を増やそう」とするのは、少しずれている感じすらしてきました。もちろん、今まで「産みたくても産めなかった」みなさんが産めるなるのはとても大切で、これからも必要な支援です。でも、「少子高齢化になると、高齢者を少ない人数で支えなければならなくなるから」といった内容が少子化対策の理由なら、「少し違うのかも」と。

なぜなら、社会が平和になった結果、少子高齢化が起こっているからです。その傾向は、これからも大きく変わらないでしょう。

そう考えると、いま必要なのは「子供を増やそうとすること」ではなく、「子供が少なくなっても大丈夫な状態にしていくこと」なのかもしれません。

では、いまの課題は何か? 人口の自然減は仕方がないとしても、地方から都市部への人口流出や、一度出たらなかなか戻れないといった課題は、解決すべきなんだろうな、とは思います。いま取り組むべきことの1つは、時間や場所の制約がない働き方、学び方の推進なのは、間違いなさそうです。

そのほかには何があるかな。できる、できないは置いておいても、人が少なくても大丈夫なように「小さな街にしていくこと」や「移動手段の自動化技術」みたいなことは必要なのかもしれないな。「離れていても、〇〇」みたいなことは重要ですよね。

あと、最近ではDXが流行りですが、やらなくていいことはしなくてよくなるといいですよね。せっかくマイナンバー制度を作ったんだから、税金周りのDXとか、早く進まないかしら。

「子どもがたくさんいる、にぎやかな街」って、なんとなく描きがちな理想だけど、子供がたくさんいたのは、過去の日本が「貧しかったから」なのかもしれない。そう考えると、社会の変化に合わせて、理想も描きなおす必要があるんだろうな。

事実を知ると、社会の見え方が180度変わって面白い。また、いまやるべきことが見えてくる。そんなことを、FACTFULNESSを読んで感じたのです。

少なくとも、いままではプレゼンなどで「少子高齢化が問題だ」と言ってきたけれど、これからは、違う言い方をしていきたいなと思っています。

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