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【書評】マンガでやさしくわかるプログラミングの基本

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

今回は、お世話になっている編集者より紹介いただいた本について書きたいと思います。タイトルは『マンガでやさしくわかるプログラミングの基本』(日本能率協会マネジメントセンター)です。

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(ときどきソースはさわるけど)いまはプログラマーではないし、「書を評する」なんて立場でもない(なんだか上から目線で好きじゃないし)のは重々承知しておりますが、それでも、以前はプログラミングにどっぷりとハマっていたこと、今は文章を書く仕事をすることも多いので、「プログラミング」と「本」の経験がある立場から見た(読んだ)感想をつづってみたいと思います。そういう前提で読んでいただければ。

この本の著者は、キャリアコンサルタントをされている高橋雅明さんです。エンジニアライフでもコラムを書かれているので、ご存じの方も多いかもしれません。私は直接面識がない(高橋さん、すみません)のですが、その分、遠慮なしに読んだ感想を述べてみたいと思います。

この本のよさは「プログラミングの全体像がやさしくわかること」

本書のよさを一言で表現するなら、プログラミングの基本的な要素を1~10まで知ることができる点です。「1~10まで」と表現したのは、なにも、この本を読めば、細かなところも含めて「プログラミングのすべてが分かる」と言いたいわけではありません。プログラミングにおける「これだけははずせないよね」という基本的な要素がすべて分かります。

そういう意味で、この本は「浅く、広く」書かれています。「浅く、広く」というのは、全体像を理解する上で、実はとても重要です。特に、はじめてプログラミングを学ぶ人にとって、あまり難しいことを、そして、細かなことをごたごた並べられるよりも、「ざっくり、こういう感じ」という全体像をつかめることのほうがはるかに重要です。

想像するに、高橋さんには、本当はもっと、ご自身の好きな分野、得意な分野があるし、それらをもっと深堀したかった部分もあったのではないか?と思うわけでありますが、そこはあえて書かずに、細かなところは削って削って、プログラミングがはじめての人でも「ざっくり、こういう感じ」が理解できるように配慮されたのだろうなーという感じがする本でした。

『マンガでやさしくわかるプログラミングの基本』よいところ6つ

マンガでやさしくわかるプログラミングの基本』のよいと感じたところを具体的に挙げてみました。

「マンガと文章の二段構え」で理解しやすい

この本は各章とも、「マンガと文章の二段構え」になっています。前段はマンガで基本的な内容がやさしく書かれているので内容がざっくり把握でき、その後で、文章で細かな内容を把握できます。同じ内容をマンガと文章で二回触れられることで、はじめてプログラミングを学ぶ人にとっては、理解しやすいのではないかと思います。

ひょっとしたら、最初にマンガの部分だけをざーっと読んでしまう......という読み方も、全体像をざっくりと把握するうえでは「アリ」かもしれません。

分かりやすい言葉づかい

プログラミングの世界は、言葉も英語が多いし、聞いたことがない専門用語も多いので、はじめて触れる方にとってはとてもハードルが高いものです。それが、せっかくの学ぶ意欲を削いてしまうきっかけにもなりやすい。

けれども、この本は表現の工夫が随所に見られます。

たとえば、プログラミングでは、利用者が画面を通じて触れる部分を「ユーザーインターフェース(通称UI)」と言いますが、この本では、「プログラムの外観」と表現されています。また、プログラム本体を「プログラムの内観」と表現されています。このような表現は、現場でバリバリ働いているプログラマーではなかなかしない(または、できない)表現です。このような細かな配慮に触れると「おぉ、なるほど!」と、とても新鮮です。

だれでも、今すぐプログラミングにチャレンジできる

この本では、Excelという、ビジネスパーソンなら(または、学生も)どこかで一度は触れるであろう、とても身近な環境でプログラミングを紹介しています。チャレンジしようと思えば、誰もが、今すぐにでも、お金をかけることなしに始めることができます。特別な環境を必要としないのが、この本のよさの一つです。

もちろん、プログラミングでは「プログラミングの環境を作る」ことも大切ですが、はじめての人にとっては、それ自体のハードルがかなり高く、挫折するきっかけになりがちなので、身近なツールを使っているのがいいなと思いました。

プログラミングの「楽しさ」がわかる

いわゆる「プログラミングの本」なら、技術的なことだけ書かれていれば目的は達成しますが、この本には、「プログラミングのどういうところが楽しいのか」が書かれています。はじめて学ぶ人にとって、こういうことって結構大事だと思う。

たとえば、「プログラミングの基本は創造力です」なんて、思わず、「そうそう」と言ってしまいましたよ。

プログラミングを「教える」人にも役立ちそう

この本は、プログラミングを「はじめて学ぶ人」のための本ですが、プログラミングを「はじめて教える人」にも役立つと思います。

プログラミングの習得は、頭で「理解する」というよりも、水泳やスキーなどのスポーツを覚えるときのように「体で覚える」みたいなところがあります。それだけに、すでに身に着いている人が言葉で教えるのはなかなか難しい。その結果、「とりあえず動かしてみてよ。わからないところは聞いてね」なんて教え方になりがち(もっとも、これでは「教えて」はいないけれども)。

でも、このような教え方だと、相手のセンスにゆだねてしまうことになるので、「できる人はできるし、できない人はできない」のようになってしまいがちです。

この本には、「プログラミングの基本は何か」が書かれているので、この本に沿って教えるのも、一つの方法かなと思います。

ここははずせない「Hello World!」

はじめて学ぶ英語が「This is a pen.」だとすれば、はいめて学ぶプログラミングは「Hello World!」と画面に表示させること。

この本では、ExcelVBAでプログラミングを体験するようになっているので、「Hello World!は出てこないのかな」なんて思っていましたが......ありました!こういう、プログラマーの「おなじみ」をはずしていないのがうれしいところです。

まとめ

マンガでやさしくわかるプログラミングの基本を読んで感じたを書いてみました。

本文にも書きましたが、プログラミングはスポーツのように「やって覚える」ようなところがあります。それだけに、とっつきにくいし、教えるのも難しい。そのとっつきにくさや難しさを、マンガを使って入りやすくしているところが、この本のよさかなと思います。エニアという、まるでプリキュアに出てきそうなキャラクター(笑)がプログラミングについて教えてくれます。

また、この本を読みつつ、「もし、ボクがはじめての人にプログラミングを教えるなら、どんな風に教えるだろう?」と考えました。実際に教えるなら、おそらく、知識や理論的なことよりも、「まずは、動かしてみよう」ってやってしまうかな。知識や理論は、その後でもいいのかなと、思わなくもありません。

なぜなら、ボク自身がどちらかというと、知識や理論的なことはどちらかというと後で身に付けたタイプで、「作る楽しさ」のほうから入っていったタイプだからです。というより、学校で勉強したときは、あまり覚えられなかったし、それほど楽しくもなかった......というのが実際のところです。

けれども、教える相手が目の前にいない本という手段なら、まずは知識的なことからなのかなと思います。そういう意味では、これからはじめてプログラミングを学ぶ人にとっても、少しかじって、改めて基本を振り返りたい人にとっても、役立つ本になりそうです。

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