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「メンタルヘルス検査義務化」への懸念と1つの答えーこころの処方箋:あなたと大切な人を守るために

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Top_image_vol12300x300NPO法人しごとのみらいでは、「しごとのみらいオーディオセミナー」を配信しています。オーディオセミナーを配信している目的はこちらをご覧ください。

今回は、私がコミュニケーションスキルや、リーダーとしてのあり方、物事を前向きに捉える考え方を教えていただいた、経営コンサルタントであり、コミュニケーショントレーナーでもある、日本コミュニケーショントレーナー協会代表理事の椎名規夫先生にお話をお伺いしました。

椎名先生の詳しいご紹介は、こちらをご覧ください。
 
 

■メンタルヘルス検査義務化の課題

今回、椎名先生のお話をお伺いしたテーマは
昨今、多くの職場で問題になっている「メンタルヘルス」や「うつ」の対応についてです。

5月3日に、毎日jpでこのような記事が紹介されていました。

リスクと向き合う:メンタルヘルス検査義務化に批判

こちらの記事によれば

厚労省は使用する検査票の標準例として「ひどく疲れた」「ゆううつだ」など9項目の自覚症状を挙げ、労働者に4段階で自己評価させる方法を提示。結果は本人の同意なしには事業者に知らせず、必要があれば医師による面接を実施する。同省は「ストレスが高い人の早期発見につながる」と説明する。

とあります。それに対し

川上憲人・東京大教授(精神保健学)は「ストレスが高い人が、必ずしもうつ病のリスクが高いとは限らない。民間で使われる検査票で『うつ状態』と判断されても、実際にうつ病と診断されるのは5?20%程度」と指摘。9項目の検査票で、うつ病や自殺の予防につながったことを示す研究もない。

中村純・産業医科大教授(精神医学)は「検査の結果、機械的に精神科への受診が勧められれば医療機関に混乱が広がる」と懸念する。精神疾患全般への理解が進まない中で導入されれば、労働者が職場で排除的に扱われる恐れもあるとして「モデル事業でエビデンス(根拠)を検証してからでも義務化は遅くない」と慎重な対応を主張する。

とあります。お2人の専門家のご意見に、私も同意します。

「ひどく疲れた」「ゆううつだ」などのようなことは
仕事をしていれば程度の差こそあれ、誰でも体験することですよね。
私にもありました。

歯の健康を保つなら、診断で虫歯を発見することよりも大切ですが
それよりも大切なことは、歯をきちんと磨くことが重要なはず。

うつかどうかを診断することも大切かもしれませんが
うつにならないような職場を作っていくことや
事前の対応のほうが重要だと思います。

一方、現在の国の施策は、「なる前」ではなく「なった後」の施策です。
メンタルヘルス検査が義務化されることで
うつと診断される方が増え、投薬を受ける方が増えることを懸念しています。
 
 

■「なる前」の対応の可能性を探りたい

私はこれまで、以前の職場や、カウンセリングの現場で
投薬ではない方法でもこころのストレスが軽減し、改善していくシーンを見てきました。

相手に合わせ、寄り添う。
そして、どんな体験でもさまざまな学びや価値があること伝える。
それは「言葉のチカラ」を使う方法です。

投薬を受けなくても(仮に、受けていたとしても)
できることがたくさんあることを知っています。

もちろん、投薬も有効なシーンもあるとは思います。
でも、投薬で症状がよくなったとしても
よい環境の職場やまわりのサポートがなければ・・・
どんな体験でも学びや価値があることを知ることができなければ・・・
また同じことを繰り返すことにはならないでしょうか?

ですから、投薬以外の可能性も探りたいのです。
 
 

■私が言葉を失うとき

一方、私がいくら投薬以外の可能性を伝えても
投薬を受けている方からは「薬は手放せない」という意見を聞く機会が多いのが実際です。
それはそうです、投薬を受けて楽になっているのですから。

こんな時、私は言葉を失います。
なぜなら、私自身、薬を服用した経験がないので。

「薬を服用することで、症状がどのように改善していくのか?」
「実際のところ、どんな影響があるのか?」

そこを知りたいと思いました。

そこで、実際にうつになった経験、薬を服用した経験があり
さらに、うつを乗り越えて、専門的な知見をお持ちの
専門家のお話を伺いたいと思いました。
(医師の中にも薬の影響を知識として話せても、体験している方は少ないでしょう)
 
 

■体験者だからこそ言えること

椎名先生は、元々IT業界のご出身で、毎日の過酷な仕事で体調を崩されたそうです。
病院に行って「何でもない」診断されるも、なぜか薬をもらい
それがきっかけで本当にうつ状態になります。
「3年間本当につらかった」と椎名先生はおっしゃっています。

しかし、椎名先生は薬ではない方法でうつから抜け出します。
そして今は、経営者やリーダー層をサポートする第一人者としてご活躍です。

「私は医者ではないから、治るとか、治らないとか言えないけれど……」

と何度もおっしゃいながら
苦しい経験されたお1人として、心理学やコミュニケーションの専門家として
体験者のホンネや、今、職場で必要なことをお伺いすることができました。

この音声は、

・なぜ、うつになるのか?
・3年間のうつから抜け出せたのはなぜか?
・仲間や家族を守る、言葉の重要性とは?

が収録されています。

仕事でストレスを抱えているあなたに
メンタル面の課題を抱えている同僚や仲間への接し方が分からないリーダーのあなたに
家族に対しどのように接したらよいのか分からないあなたに
社員のメンタルヘルス対策やモチベーション管理などを仕事にされている人事関係のあなたに

ぜひ、聴いていただきたいと思っています。

これがすべての答えというつもりは、もちろんありません。
けれども、メンタルヘルスの課題を解決する1つの答えがここにあります。

インタビューの詳しい内容は、こちらをご覧ください。

こころの処方箋―あなたと大切な人を守るために

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