ワールドカップが企業にもたらすもの -ソーシャルメディアの観点-
みなさんはワールドカップを楽しみにいていますか?
僕はもちろんめちゃくちゃ楽しみで、アルゼンチンVSスペインの決勝を予想しています。
今さらながらサッカーのワールドカップは、世界で最も大きなスポーツイベントです。
このイベントは色んな意味で特別なイベントです。サッカーファンだけでなく、普段はサッカーを見ない人でも自国の代表が出場するとなるとテンションが本当に変わります。そして企業にとっても。世界中の異なる文化の観客を引きつけ、様々な感情や情熱、そして感動を呼び起こします。
今回のサッカーワールドカップ南アフリカ大会は、ソーシャルメディア時代に突入してからの始めての大会ですね。何百万、何千万というサッカーファンが、ソーシャルメディアという世界共通のフィールド(Twitter、Facebook)に集まって、ありとあらゆるアツい議論を行うことでしょう。
しかし、ソーシャルメディアはファン同士でサッカーについて語るだけの場ではないです。
ワールドカップを通じて、企業が新しい価値を作る、ブランディングをするといったようなマーケティングを行う絶好の機会でもあるわけです。
実は春先から様々な企業広告やマーケティングキャンペーンが開始されていました。
ずいぶん前からVISAカードはFacebookでワールドカップのスケジュールのアプリを出していますし、コカ・コーラは“History of Celebration”=歓喜の歴史というキャンペーンをYoutubeを活用して行っています。ワールドカップというこの上ない機会を利用して、ユーザーのマインドシェアをより高め、マーケティングの効果を最大化しているんですね。
■コカ・コーラ社 「History of Celebration」キャンペーン
みなさんはこの映像を見たことがありますか?
YouTube: History of Celebration - Coca-Cola 2010 FIFA World Cup Tv ad
※ 再生回数は約55万回。そこそこバイラルしている。
この“History of Celebration”の動画は、
ゴールした時の歓喜の瞬間には、いつも隣にはコカ・コーラがあったんだというメッセージを訴えています。サッカー(スポーツ)において世界中の人が喜ぶ「幸せ」な瞬間には、コカ・コーラが共通項として存在している、ということを演出しているんです。
もちろん、この動画広告はあくまでもを販売プロモーションの1つの手段でしかありえません。よりバイラルを起こし、人々の心に深く突き刺せるか?を設計する必要がありますね。その答えがこれです。
「Longest celebration」
「ゴールの歓喜」イベントです。
Youtube 公式チャンネルにて。全世界多言語対応。
日本版サイト。投票はすでに終わっていた、残念。
これは今年の3月からスタートしたキャンペーンで、簡単に言うと、自国がW杯でゴールを決めた際に、どんな喜びを表現するか?をYoutube上で一般ユーザーに投稿させるコンテストです。ユーザー参加型のリアルイベントですね。Youtubeから基本的には誰でも投稿&投票出来るように、インターフェースを大きくカスタマイズしています。
また、今年に入ってから実際のW杯トロフィーが世界中の街を訪れる「FIFA ワールドカップトロフィーツアー」が開催されていましたが、その会場でも実際にお客様が「歓喜」を表現していたようですね。
このイベント参加のインセンティブとして、ユーザーには今回のワールドカップの決勝戦のチケットを用意しているようです。
■やはりソーシャルメディア3種の神器を活用している
コカ・コーラ社ではYoutube以外にもFacebook、Twitter、beboでもアカウントを運営しています。Twitterは公式アカウントを取得しています。活用方法は至ってシンプルで、コカ・コーラのトリビアをTweetしていたり、ユーザーとコーラをキーにした何気ない会話をしています。
Facebookファンページ。参加人数は全世界で570万人。
弊社:岡村直人 (Twitter@okamuranaoto) も参加しているようでした。
イベントの告知や、積極的に情報発信かつユーザーと対話をしている。
20457フォロー、29865フォロワー、5577ツイート。
Twitterの特徴である、ゆるいコミュニケーションを行っている印象だ。
コカ・コーラに関する動画が集約されている。
コカ・コーラならではのメッセージ性に富んだ動画が閲覧できる。
動画再生回数はトータルで520万回。
■終わりに
このようにコカコーラ社は、既にソーシャルメディアを活用し、消費者と顧客の接点を持っています。ワールドカップというこの上ない機会を逃さずにブランドを具体化する素晴らしいキャンペーンを打ち出しています。
ワールドカップなどのスポーツイベントをきっかけにソーシャルメディアを活用して顧客との接点を持ち、大きな成果を上げられる可能性は本当に無限です。
(参考にしたいのは、やはりアメリカNFL・スーパーボウルでの社会貢献事例ですね。代表:斉藤の記事を参考に。)
大会中、気になるチームの応援だけでなく、企業視点で大会を見てみることもおもしろいのではないでしょうか?
大会中にソーシャルメディア上ではどのような変化があるのか?Watchしていきたいと思います。優勝候補のスペイン代表やブラジル代表選手が大会中はソーシャルメディア使用禁止とされていますが、現地にいるソーシャルメディアユーザーからの、TVで知り得る以外の情報をリアルタイムに触れられるでしょう。
ソーシャルメディアの意味や可能性の大きさを改めて考えさせられます。
PS.
今Googleで「ワールドカップ」か「worldcup」で検索をかけると、
ページ一番下のGoooooooogleが、変化しますよ!
試してみて下さい。
Googleならではの遊び心ですね。
スポーツ、ソーシャルメディア系、どんな小さなことでもお気軽にご連絡頂ければと思います。
Twitter: @TatsuyaKitano
Facebook: TatsuyaKitano