先生 ごめんしてけれ
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先生、ごめんしてけれ
スポーツの一流の指導者が書いた本をたくさん読んできた。
その中で忘れられないフレーズの一つが「先生、ごめんしてけれ」という選手の言葉。これを読んだとき、その少年の切ない気持ちが伝わり、胸にぐっときた。
ある高校のバスケットボール部。全国大会で何十連勝もしている強豪。その指導の場面で、選手と指導者が小競り合いから取っ組みあいになってしまった。(指導者も引くに引けなくなったのだろう)選手は体格もよく体力があって、指導者を押し倒してしまった。
その時、指導者は自分のプライドから「俺は先生だ。先生に対して何をしているのだ」と言った。(その本では、この言葉は卑怯な言葉だった。「お前は力が強い。俺はかなわない」と正直に言うべきだった、と後述している)
いきなり立場を持ち出された少年に、言えることは「先生、ごめんしてけれ」という子供のような言葉だった。
生徒に押し倒された指導者。指導者を倒してしまった少年。どちらも、気まずかっただろう。
そんな場面を救ったのが、「先生、ごめんしてけれ」だった。その純朴な言葉。そんな言葉を発した少年の心を思うと、胸に迫るものがある。
田臥選手が育った体育館は、そんな場所だった。
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