ありがとう バドミントン部
1年間一緒に過ごしたバド部。この3月で転勤のため3月31日が最後の部活になった。最終日は6時までの活動。7時からの送別会には遅参することにした。これが最後の仕事。こっちが大事。
バドの技術も何もわからないけど、ただ同じ時間を過ごしてきた。『上手くなった』『一生懸命だった』と言い続けた。実際、選手は本当に一生懸命だった。昇格を決する団体戦は2−2のまま、キャプテンが登場する最終試合へもつれ込んだ。ゲームはフルセットになり、コートチェンジの時点でキャプテンの足首靭帯が半分切れていた。テーピングでガチガチに巻いて、試合に出した。それまで一度も勝ったことのない相手に勝利しチームは昇格を決めた。全員で号泣した。泣けた。感動させられた。ここには甲子園の大観衆もなければTVもない。でも、同じだけの感動がある。
最後の練習中、一人ひとり、自分のところへ『お願いします』と話をしにやってくる。『本と上手くなったね』というと、その選手は泣き出した。『熊谷先生にいつも褒めてもらえて、頑張れた・・・』一緒に泣いた。『こちらこそありがとう』
僕は君たちに感謝されるほどの人間ではないんだよ。自分は、ただのダメな人間なんだ。それがわかっているから、申し訳ない。こちらこそ、君たちから学ぶことが沢山あるんだよ。もっともっと、ましな人間にならなければならないんだ。次代の若者のために、勉強して人のために役立たなければならないんだ。それが、40年も50年も生きてきた者の務めなんだ。だから、何才になっても学ばなければならないんだ。他者のために学んで知識や技術を伝えるのが、老年者の役割の一つなんだ。会社の仕事で忙しい僕らオヤジの世代が社会貢献を少しでもし、若者の役に立ったら社会はもっと良くなるはずなんだ。