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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

広陵高校野球部問題

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2025年 高校野球選手権大会で広陵高校が大会途中で辞退。

いつどこで何が起きたのか詳しいことは分からない。校長の会見も見ていないので間接的な情報しかないが、部活動で起きた事故・事件については管理職がリーダーシップを発揮して原因究明と再発防止に取り組まなければ「今回のようなことになってしまう」という典型的な例。

部活動中の事故・事件は残念ながら起きてしまう。それが「できるだけ起きないように」普段から危機管理をするのが管理職の仕事。また、起きてしまったらその原因を究明し再発防止をすることも。

私が校長時代、部活動で事故が起きたが、その事故が起きた状況について管理職と職員が同席し部員全員に聞き取り調査をした。顧問にも聞き取りをし事実を確認した。それらをもとに保護者会を開き、謝罪・状況説明・今後の再発防止策について話をした。その防止策が有効に実施されているかどうか検証するための2回目の保護者会を開くことも話した。

広陵高校の管理職、監督は何をどのように判断したのだろう。被害者への対応はどうあるべきだったのか。生徒間の人間関係に問題はなかったのか。間接的なことしか分からないが、事件への対応が不十分なまま活動を続けていたのだろう。被害生徒が転校までしなけれなならない状況だったと考えると、部活動を正常化するには時間を要する問題だったはずだ。

何度も言うが「勝つこと・強くなること」が目的になってしまうと、教員も選手も正常な判断が遠のいてしまうのだ。

高校野球に限らず、学生スポーツは勝敗だけで語られるべきではないのだ。そのチームが強いから「名監督」ではない。勝てなくても名監督はいる。そんな「地上の星」こそ語られるべきなのです。

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