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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

言葉が組織を創る・・・3 ペップトーク

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指導者・経営者・コーチがどんな言葉で選手や社員に語りかけるのか。言葉はとても重要。

留学時代、大学のチームに入れてもらい練習のアシスタントをしながらコーチングを学んでいた。

試合前のコーチの言葉は、これから試合に臨む選手たちを鼓舞するための重要なものだった。

 ある時、「渡り鳥はV字で飛ぶ。先頭の鳥は疲れたら交代し後方に回る。後方の鳥は、鳴き声で前方の鳥を励ます。皆でそれぞれの役割を果たしながら、何千キロも飛び続ける。誰もが先頭に立たなければならない。誰もが後方から励まさなければならない。それがチームだ。俺たちは渡り鳥だ」と語った。それを聞いた選手たちは、「俺たちは渡り鳥だ」と叫びながらグランドに出てゆく。中には泣いている者までいた。そのようなトークはペップトーク(励ます語り)と言われている。このコーチは、同じペップトークは二度としなかった。「ペップトークは重要な仕事なんだ」といつも言っていた。

外国のスポーツ映画を見ていると必ずこの場面がある。

ハーフタイムで、劣勢に立たされているチームにコーチが選手たちに熱く語る・叫ぶ場面。ここがコーチの見せ所。彼らの言葉・表現・声のトーン・視線、すべてが計算された上でのペップトーク。その表現力は圧倒的である。

一流のコーチは一流の言葉を持っている。選手もまた、自己表現を大切にする。                 

昔ながらの「黙って俺についてこい」では、指導者も選手も言葉は育たない。

サッカー界が言語表現の重要さに気付いたのは素晴らしいことだが、それが他のスポーツに波及しなければ日本のスポーツ界全体の発展にはつながらない。

チームを創るには言葉を大切にしなければならない。指導者は良い言葉を持つためにスポーツ以外のことをたくさん学ぶべきだ。

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