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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

一周回って "ディスプレイ" を持たない "ラップトップPC" を何と呼べば良いのだろう

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私自身が最初に触れた「キーボード」は、記憶が正しければ1978年の高校1年の頃に親に買ってもらったオリベッティのLettera35というタイプライターでした。別に英語が得意でも何でもなかったのですが、何故か欲しくなり、散々交渉して買ってもらいました。
でも別に自分で英語の文章をガンガン打てるわけでもない。
そもそも文字の配列自体が良くわからない。

ということで、最初の1年くらいはABC順にアルファベットをひたすら打っていました。それと並行して英語の教科書をひたすら打ち込む日々。何故そんなことをやりたくなったのかは今となっては謎ですが、ガチなメカニカルキーボードに最初に触れたことが今のPCのメカニカルキーボード好きにつながってる確信がありますし、その後就職した当時は仕事の場はワープロ専用機かメインフレームの端末だけの世界でしたが、英文字とローマ字かな変換であれば文字を打ち込むことだけは誰よりも早くできたような記憶があります。

キーボードと本体が一体であった時代の記憶

ただし私が持っていたのはあくまでも文字がパタパタ打てるだけのタイプライター。当時も外資系企業の秘書の席ならあったようなボールヘッドの電動でも何でもないし、当然訂正機能とか持っていません。勿論それ自体はPCでも何でもありません。でも大学の頃の1980年代初頭になると私の周辺では例えば富士通のFM7とかNECのPC8800シリーズを手に入れる人がボチボチ。その横でApple IIcとかMachintosh (Macじゃないですよ)が車一台分くらいの値段で出てきたりとか、まぁそんな時代でした。

AmigaとかAtariとかの "PC" もごく少数日本に入って来てましたが、よくよく考えるとそのころの "PC" ってキーボードと本体が一体になっていて、ディスプレイは外付けという形が結構あった記憶があります。その後キーボードが分離して今でもよくみる「デスクトップPC」の形になるんですが、1980年代初頭の頃はキーボードと本体が一体になってるものが結構あったと記憶しています。

昔の記憶ではありますが。

ノートPCというかラップトップPCからディスプレイを取ったら何て呼べば良いの?

ふと目の前に流れてきたのが、イスラエルのSightful Inc.,のSPACETOP G1という "PC"。 今年の秋に出荷が予定されているとのことなのですが、何より驚くのが、畳んだ状態では一見すると普通のラップトップPCに見えるけれどそれ自体がディスプレイを持たず、ARヘッドセットを併用する形になっていること。同社のリリースはこちらで、こんな世界だよーというのが公式コンテンツ「This is Spacetop G1. The AR laptop for work.」として出ています。ちょっと不思議な世界です。

ARヘッドセットと言ってもゴーグルタイプではなく、普通のラップトップPCのディスプレイの部分に眼鏡型のARグラスが入っていて、開いてそのARグラスをかけると目の前にディスプレイのウィンドウが見えるという仕様で、キーボードというか本体さえ置ければどこでも使えるぞというモノのようです。OSがChromiumベースではあるのですが、この中でゴリゴリとぶん回すとかでなければ結構使えるんだろうなと思います。

しかし、これ、膝上におけるのでラップトップPCだと言っても良いとは思うし、サイズから派生した歴史的経緯を踏まえるとノートPCと言っても良いかもしれませんけれど、概念的に「机に置いて開けばそこに画面」というものではありません。でも持ち歩けるし、ゴーグルタイプのARヘッドセットとも違うので家やオフィスの外で使っても極端な違和感はなさそうに見えます。

でも、ディスプレイを持っていないノートPCというかラップトップPCって、そういう言い方で良いのかどうか。

あくまでもお気持ちの問題ですが、なんだか落ち着きません。

ぐるっと一周まわってディスプレイが無いキーボードと本体一体型の世界

1980年代は大きさから言ってもそもそも本体とキーボードが一体の据え置き型のPCという感じで理解していたような気がします。それが今では、例えば私自身でいうと今のラップトップPC/ノートPCの場合には昔のような「本体」という意識は無くて、乱暴に言うと薄いキーボードとディスプレイのセットを持ち歩いているという感覚を持っていたりします。

でも、ぱっと見はノートPCでもキーボードだけでディスプレイが付いてないこれを一体何と呼べばいいのだろう?

因みにこれでキーボードが仮想化すればアニメの「電動コイル」の世界になるよねと言い始めると「そんなの知らんわ」と言われそうですが、ヘッドアップディスプレイとしてのメガネと仮想化されたキーボードを使う世界が舞台となっていたアレをまさに思い出す世界になるような気がします。

ただ、SPACETOP G1 はキーボードはあるわけです。傍から見ると、画面の無いノートPCを触る変な人。屋外やオフィスでARゴーグルをつけているよりも変態度合いは低いとは思いますが、変は変だと素直に思います。絶対に変な奴に見えると思います。

とはいえ、実は左右の視力差とかもあって映像が出るゴーグルは酔うことが多くいわゆるARゴーグルからは距離を置いている自分ではあるのですが、これはちょっと使ってみたいとは思ってはいます。但し最大の問題は視力矯正用の普通のメガネの上に装着できるかどうか。色々理由があってコンタクトレンズを使えないのですが、ひょっとしたらそれが一番の問題になるかもしれません。

まだ海外のメディアも含め製品のレビューは無いので何とも言えないですが。

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