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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

裸電球一個で始まった昭和60年の新卒就職初めての一人暮らしの頃の事を思い出しつつ、昨今のソーラー発電機材について思いを馳せる

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まぁそれが普通だったとは決して言いませんが、私が新卒で就職して最初に住んだ6畳のアパートの天井からぶら下がっていたのは裸電球1個。傘も無く、本当に裸電球1個。今になって思えば懐かしい思い出です。

 

いや、別に節電とかじゃ無かったんですけどね

新入社員当時から家に帰るのがそれほど早くは無かった私。家で照明をつけて長居するのは殆ど週末くらいで、平日は机の上の電気スタンドだけで適当に暮らしていました。そのうちそれを壁に向けて点けると間接照明っぽくてかっこいいじゃんとか思いつつ、その後結婚するまでの一人暮らしの期間はずっと裸電球が天井からぶら下がっていたという、まぁなんというか状態でした。

まだ自宅にPCがあるわけでもなく、エアコンなんて文明の利器は天上界の贅沢品で、どんなに暑くても扇風機一発でなんとか耐え忍んでいた頃。いや、流石に本気で暑い時期にはむしろ志願して深夜まで残業して涼しいオフィスにい続けたり、あるは行きつけの飯屋とか喫茶店で涼をとったり。当然週末は本屋と喫茶店が無いと暑いとき寒いとき何れの季節も耐えられないような生活。

いや、別に節電とかじゃ無かった単なる結果論なのですが、そんな時期がありました。流石に所帯を持ち、それなりに歳も取り、それでも小さな子供を抱えている身で昨年のような酷暑を乗り切れるかと言うと流石にキツイですけど。

 

じゃぁその頃の経験が何か生きることがあるのかなぁ

とりあえず節電というところで言うと、家庭の電力消費がたとえば東京電力の電力需要のどれくらいで、更にそのなかで我が家のそれほど多くない電力消費がどの程度インパクトを与えるのかってのを冷静に計算してみたとき、それほど強烈な節制をする事がどれほどの効果をもたらすのかってのは、個人レベルの部分で言うとよく判りません。

ただ、給電能力全体のなかでそういう塵も積もれば山となる系の話で言うと、多分効果はそれなりにあるんだろうなとは思います。それくらいは簡単に理解できる。あとは諸々のトレードオフなのですが、社会全体として上手く行かないとき、それこそ不測の事態としての大停電が起きてしまったときにどうするかってのは考えて損は無いよねというところも頭の片隅にあります。

ふむ。

 

そういえば家庭用のソーラーパネル発電がそんなときにどこまで生きるの?とかいう議論がまた色々あるわけで

私の住んでいるのはマンションで、設備としてソーラーパネルは装備していませんから、いわゆる太陽光発電を直接自分のところで云々という話にはなりません。ただ知人宅でそういう設備があるところもありますし、純粋に興味としてどんな仕組みでどれほどの発電が出来てという話は一応抑えています。

ただ、この設備って基本的に電力会社の給電能力が存在する事が前提じゃないの?ってのをあるとき気づいたんです。だって、ソーラーパネルが発電するのは直流で、これを交流に変えないと家庭での電力としては使えないわけです。だって家庭の電力設備として直流は使われていませんから。となったときにふと気づきました。

 

直流から交流に変換する機材(パワーコンディショナーといいます)の電源ってどうなるんだ?

非常に不安定なソーラーパネルで発電される電力をある程度安定化し、かつ交流に変換するためのパワーコンディショナーの電源をソーラーパネルから取ることは簡単じゃない。大元の電力供給が途絶えてしまうと不安定な太陽光発電だけでは非常に難しそうなのは簡単に想像できます。

もちろんパワーコンディショナーには自立運転モードってのがあるんですが、大抵の場合給電能力が15Aくらいまでと供給能力が限定されます。容量以内での照明くらいなら全然大丈夫だと思いますが、モーターなど大きく負荷が変動するものには耐え難いところもあるので冷蔵庫とかエアコンでは大変そう。下手すると過負荷でパワーコンディショナー自体を壊してしまいそうです。更に安定した自立運転のために大量のバッテリーを常に設備として保有するのもあまり現実的ではない。

ならばとマトモに使えるような設備にくみ上げようとすると個人で所有するレベルをあっという間に超えてしまいそうで、結局自家発電設備、最低でも小型のエンジン発電機を持っていたほうが停電時には結局実用的じゃないのか?ってのをつたない電気関連の知識の中での結論に辿りついてしまいました。裸電球一個ならば何の問題もなさそうですけど、ちゃんとした蓄電設備が無いと日が暮れると駄目なわけで、それこそ昼行灯みたくなってしまう。それは悲しい。

 

ってことで、実は停電だとソーラーパネル発電ってあまり実用的じゃない?

う~ん。何らかの特殊用途のための機材ならともかく、家庭用のソーラー発電のための機材というのは元々完全停電時を想定した機材ではないですからねぇ。発電できる日中に何らかの用途で使えるなら意味はあるわけですが、中々難しそうです。

 

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