クアルコムがMediaFLOを諦めたというコトを踏まえて
映像周りのサービスシステムってのは既存の放送波やワンセグ、地デジ、衛星などなど色々あるわけですが、モバHO亡き後地上系の無線帯域を使うモノとしてクアルコムが担ぐMediaFLOがありました。
そう。既にどうやら「ありました」と過去形で話をするタイミングに来たようです。
小池さんのレポートに「来た来た」と思ってしまう自分がいかがなものかとは思いますが
小池良治さんの「シリコンバレー情報通信」にある「クアルコム社、携帯TV放送のメディアフローを断念」という記事にフムフム。確かに周波数を取ったときにはそれなりにインパクトがありましたし、実際に試験運用も進んでいました。が・・・コンテンツサイド、そして事業として配信を行うサイドの両方から何となく中途半端な印象を持たれていたのは事実。で・・・なんとなく鳴かず飛ばずみたいな所で突っ張ってきたわけですが、どうやら息の根が止まったようです。
結局コンテンツと、それに接したいユーザーの意向が市場を動かすんだろうなとは思いつつ
もちろん技術が夢を見させる部分はあります。でも、市場の動きを上手くキャッチアップできないと、最新の、あるいは最高の技術であっとしても置いてきぼりを食らう。これは市場の原理と言ってしまうとそれまでですが、難しいものです。
じゃぁ、他になにがあるの?って話はもちろんあるわけですが、たとえばLTEがあるからさとか言う議論がチラっと出てくるわけです。でも、そもそも常時接続するのには向いていない(少なくともFDD版では)とか、それで使える帯域を考えたときに所謂ブロードキャスティングのためのインフラとしては仕組み的に結構きついぞとかあるわけです。あ、私見ですけど。
じゃぁWiMAXとか云々という話もあるわけですが、でも冷静に考えてみると、無線屋が考える事と映像屋さんが考えている事の微妙なズレってのは世界中どこにでもあったりするんですが、大きなIssueとしてコレまでのようにひとつの目的の為にひとつの帯域を使うってのは既に考え方としてダメなんじゃないの?って話もあるわけです。
この部分は小池さんの話にも出てきます。自分の中ではまだモヤモヤしてるのですが、方向性や基本的な考え方の部分では(無線)通信業界の中の人として結構納得しちゃいます。
いずれにせよ、とりあえずコレでMediaFLOは事実上終了。色んな人の思いいれとは別に市場は動くものだよね、というコトを改めて思う今日この頃です。