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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

ノキアシーメンスのモトローラの通信事業(の大部分?)買収が意味するもの

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既に幾つか報道が流れていますが、ノキアシーメンスがモトローラの通信事業(の大部分?)を12億ドルで買収するとの話。いわゆる通信事業については一般に目に付くいわゆる「端末ビジネス」より裏側の通信設備やら何やらの、いわば「インフラ屋のためのインフラ」としての部分が非常に大きな市場規模を持っています。ただ、これらは一般の人からはとても見えにくい世界であり、かつ、世界中のPlayerが寡占化を進めつつどこの国のどの事業者とどのようにビジネスを展開しているのかと言う話に、具体的な関心を持つ方はいわゆる業界の中の人以外には非常に少ないと思います。いや、実は業界の中でもそれほど多くは無いとも言えるかもしれません。

ただ、このあたりの動きをキチンと見てゆかないと、たとえば5年先、10年先に無線や有線の通信サービスがどのような形になってゆくのかってのを全く誤解する事になります。

 

意外に少ない、世界中のインフラ屋のインフラを担うPlayer

ノキアシーメンスやアルカテルルーセントは、元々それぞれは国籍すら違う別の企業ですが、世界中の通信事業のベースを担うという事業自体の流れなどを睨んだ合従連衡の流れで出来た企業体です。その流れに乗れなかったノーテルが事実上市場から退場し、強烈に巨大かつ政府のある意味保護を受けた国内市場を背景に中国の幾つかの企業が台頭し、そして今、モトローラが事実上独立した企業としての通信事業分野から退場するという流れになっているわけです。

もちろん、彼らが全てのインフラ構築やら何やらを出来るわけではないのですが、非常に大きな立ち位置を占めているのは事実。またそこにカントリーファイナンスなどの要素が絡んで、特に開発途上国に関して言えば「丸腰で正面から商売をしようとしても無理」な事情が既にそこにあるわけです。

IT業界の流れ、あるいは同じ通信でも端末を中心としたビジネスの部分だけを見ているとこのあたりの力関係というのがわからず、何でそんな買収が成立したり企業連合が成立するのかわからんという話にもなるのですが、それこそODAの流れとかも含めて非常に広い視点で世の中の流れを見ていると、あるとき「あ~、こういうコトに繋がってるんだ~」ってのがよく判る瞬間があります。

今回のモトローラの話については随分前から独り立ちは難しいよね論はずっと出ていましたから、その意味で私的には驚くべき事ではありません。ただ、これだけで終わる話ではないのも事実で、売却が正式に決まった後の流れの方に関心が向かっているのも事実。

さてさて・・・

 

ところで、じゃぁ日本の関連メーカーさんってどうなんだろう?

例のSIMロックを外して世界に再び羽ばたけ論やiPhone/iPad周りの話など、何かにつけて象徴的な事象を取り上げてはガラパゴスを打破しないとダメだよ論が常に渦巻く訳ですが、実は事態はそれほど簡単なものではないよって言うのが正直な所じゃないかと思います。そもそもSIMロックを物理的に禁止してる国や地域ってシンガポールなどホンの二つとか三つくらいで、後はSIMロックを一定の条件化において禁止していませんから、そんなのはある意味どうでも良い話と言っても過言ではないわけです。

残念ながら、じゃぁ私がそのための何かしら意見を持っているかと言うと、あるような無いようなとしかいえないのですが、ひとつだけ言えるのは、国境なんて関係なく強烈な合従連衡と寡占化が進む中、取るべき道はそれほど多くなくて、それをキチンと認識している人たちもちゃんと存在していて・・・って所までかな?

 

端末はもちろん大事。でも、通信サービスっていうのは、無線であれ有線であれ、裏側の「インフラ」としての仕組みがキチンと適正なコストで作られ運用できないとダメだという非常に基本的な話。ここをキチンと見ないと、進むであろう現実的な未来とは違う、夢としての未来を見てしまうんじゃないかな?

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