Twitterがサードパーティーのタイムライン内広告を全面禁止した件
ユーザーの広がりが出てくると、当然そこをビジネスの場として利用しようとする立場の企業なりが出てくるのはよくある話ですが、運用側が自分で身銭を切ってサービスを提供している場をいわばタダ乗りするというものを規制しようとするのも1つの流れ、といえます。
ここ数日、TL内に広告を流し込むという主旨の話が幾つか乱れ飛んでいたのですが、Twitter側の動きが出ました。TL内広告の全面禁止という措置です。
利用規約改訂と、それに対するコメント
利用規約自体はTwitterのサイトを見ればその通りなのですが、TechCrunchに"日本語"の解説が載りました。
また、これは英語ですがAllThingsDに掲載された、Twitter側と直接話をした内容の記事。
要は、Twitterという自らが運用するプラットフォームの健全性を担保するために利用規約を改正し、それ自体が広告収入の基盤となるような利用については課金(Revenue Share=利益分配の要求など)を行うぞというものです。
ただ、TwitterのAPIを利用したいわゆるサードパーティは既に世界中山のように存在しており、その全ての行動をTwitter自身も監視する余力は無いとは断りつつ、規約を改訂することによって今まで完全にグレーだった部分に一定の枠を嵌めようというものですね。
因みに上記の記事にもありますが、該当するTwitterの利用規約はこの部分。
2. Advertising Around Twitter Content
(a) We encourage you to create advertising opportunities around Twitter content that are compliant with these Rules. In cases where Twitter content is the basis (in whole or in part) of the advertising sale, we require you to compensate us (recoupable against any fees payable to Twitter for data licensing). For example, you may sell sponsorships or branding around gadgets or iframes that include Tweets and other customized visualizations of Twitter. Please contact us for questions and information at twitter_ads@twitter.com, or to notify us of an advertising opportunity.
プラットフォームとしてのTwitter、そして私企業の事業としてのTwitter
利益が上がっているかどうかとかの議論はさておき、Twitterというシステムは私企業が運用する事業としてのサービスです。つまり、単なる慈善事業ではない。公的に無料開放することが義務付けられているようなものでもないし、ユニバーサルサービスのような義務も無い。
ここは忘れてはいけない部分です。
更には、Twitter自身の将来の方向性について、もちろんユーザー(あるいは広義の市場)の状況を理解しつつもTwitter自身が決めるもの、でもあります。
これも忘れてはいけない部分です。
色んな形でTwitterから不正な行動を取ったとしてサスペンドされるアカウントというのは以前も今も、そして今後も出てくるわけですが、それを縛る規約はTwitter自身が決め、法的根拠はTwitterの本籍地である米国の連邦法、州法などになっていたりするわけです。よく言われますが、日本のプロ責法の適用範囲なのかどうかなんてのはそのアタリの事情をもう一度良く考えないといけなかったりします・・・ あ、これは海外を本籍地もしくはサービス拠点とするクラウド系サービス一般に当てはまりそうな話ではありますが。
ということで、これもとても大事な部分です。
ただ、今回の一連の動きが、普通に誰かと対話したり何か働きかけたりするための便利なツールとしてTwitterを利用している人や法人を縛るものではない、ということはTwitter社自身も明確に言及しています。
要はTwitterというシステムを自身の直接的な営利目的で使用しようとしているかどうか。ここですね。まぁ、ここでいきなり引っかかっちゃう方も居るとは思いますが・・・