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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

実は「火」を見るチャンスが今の子供たちには少なくなっているのかも

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私が生まれたのは昭和30年代後半。団地で育ったお陰で台所にはガスレンジがあり、焼いている秋刀魚をドラ猫に持っていかれる心配は無かったのですが、世の中的にはまだ七輪が実用品として使われていた(らしい)時代。禁煙が叫ばれる事は無かった時代ですがいわゆる使い捨てライターが登場する以前で、どの家庭にもマッチくらいは普通にあった時代。冬になると石油ストーブで暖を取っていた時代。そんな頃、火はある意味身近でした。それを踏まえつつ、今はどうなんだろうね?って話を某所でしたのですが・・・

 

「火」が無い過程に育つ、ということ

副長としてお手伝いしているボーイスカウトの活動の1つに「火を熾して食事を作る」という活動があります。薪を割り、(状況によりますが)カマドをつくり、火を熾し、食事を作る。火を熾せずにボヤボヤしてると時間が無くなって食事無しなんてのもあったりするある意味過酷な工程があるのですが、そこで何気に問題になりつつあるのが「スカウトがマッチの使い方を知らないし、見たことも無い」ケースがあるということ。

たとえばオール電化の家だと、台所には当然ですが火はありません。鍋を載せ、スイッチを入れるとそのうち鍋自体が発熱するわけで、そこに火はありません。お風呂はガスかもしれませんが、室外機の中の炎は見えません。状況にもよりますが暖房はエアコンであればそこにも火はありません。家族の誰もタバコを吸わなければライターも基本的は無いかもしれません。食卓で鍋などをするときに電気のホットプレートなどを使うと、やっぱりそこには火がありません。

あ、誕生日のケーキのろうそくくらいは火があるか。
親がバーベキューとかキャンプ好きであればそのときには火を扱うのを見るよね。
鍋をするときにカセットコンロを使うのであれば、一応火は使うよね。
あとは、初詣に行ったときに前の年のお飾りを焼いているところで見るくらい?

でも、本当に日常生活の中で「火」を直接扱う事が無いというケースが既にあるわけです。そんな中で育った子供たちがマッチの扱い方を知らないのは当然ですし、ガスなり薪なりが燃えるとどれくらい熱いか、火傷をするのはどういうコトなのかといったことを知らないというのは仕方の無い事かもしれません。

良いのかどうかよく判りませんが、たとえば電気が止まってしまうとお湯すら沸かせない。電気の無いところでの火の熾し方ってのは確かに特殊ですが、マッチを渡されてどうやってよいか判らないし見たことも無いというのはボーイスカウトの活動の場で現実に見る光景です。

ふむ・・・

 

もちろん住環境次第で火を全く使えないという状況があるのは理解するのですが

なんだか人として生きるための非常に重要な部分が抜けてしまうような気が、少しだけします。たとえば学校で歴史を学ぶ中で、人間は他の動物と違って火を扱えるんだぞと言われても、目の前の生活には「火」は無い事ってのが実際にあるわけです。電気で起こした熱はありますが。

もちろん電気だろうが火だろうが、熱くなった鍋を触れば火傷します。でも例えばガスコンロで料理しているときのキッチンの暑さとかっていうのは体験できない。輻射熱の出方が違いますから。熱による対流の起き方も違うから換気扇の構造もオール電化住宅向けとガスコンロを使う場合では違う。

 

正直な話、家庭に「火がない」ということが悪い事だとは思いません。火災やガス中毒などといった部分での安全性を考えても多分オール電化というのは正しい方向なのだとは思います。でも、火がどういうもので、どれくらい熱くてっていうところを自分の体験として学んでいるかどうかっていうのは何だかやっぱり違う気がするんですよね。しかもコレは学校で教えるものではなく、生きるための知識として家庭でカバーするべき内容じゃないのかな?とか。

もちろん、じゃぁ自分で火を熾して料理できるのか?ってのはハードルが高すぎるとは思いますが(笑)

 

そういえば、自分が小学生の頃の検便はマッチ箱に入れて持参してたな

まだ普通にどの家にも(基本的には)マッチがあった頃、健康診断の一貫で学校で集めていた検便は、マッチ箱に入れて持参していた記憶があります。我が家は誰もタバコは吸わなかったのですが、それでもちゃんとありましたね。で、集める日にはそれぞれ家庭で色んな努力の結果としてみんなが持ってくるわけですが、そこに何の差別も無くみんな同じような小さなマッチ箱を持参してくるわけで、その中に好きな子なんかも当然居るわけで、ほんでもってクドイようですが同じ条件で持参してくるわけで・・・ うわ~

と、そんな昔の思い出にも浸れる小さなマッチ箱、という存在を本当に見なくなったよね、という話でした。

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