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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

ネットワークの設定で頭を悩ます

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一応コレでも仕事です。ちょっと珍しいネットワークの構成をいくつも組んではテストするということを何故か頻繁にやっている今日この頃。毎回ネットワークの構成と設定に悩んでます。まぁだからどうだって言う話なのですけど。

 

真剣にTCP/IP関係の勉強をしてたのは・・・あ、もう20年も前だ

1980年代後半から90年代頭に掛けて、通信業界ではなくIT業界の中での通信を専門にしたデモセンターにいた頃は真剣に勉強してました。当時の勤務先の性格上メインフレームでの通信環境については真剣にならざるを得なかったのですが、並行して「非国民!」とそしられつつTCP/IP環境についても真剣に勉強してましたし、機材を揃えてテストとデモに明け暮れた日々。教科書といえばUNIX MagazineとIn a Nutshellシリーズ(そう、オライリーの本ですね)しかありません。In a Nutshellシリーズについては翻訳本がアスキーから出るのを待てずに八重洲ブックセンターとかに通って原書をずいぶんと読み漁りました。

あ、あとはPrentice Hallからも幾つか良い本が出てましたね。コレは確か初版か2版くらいで今でも持ってます。当時は赤い表紙のWhite Paperの塊みたいな本だったのですが、今は・・・ 結構普通の本になってるようです。

でも、本当に当時はこういう情報しかなかったんですよね。そもそもインターネット商用開放前の話ですから。

 

錆び付いた知識をもう一度掘り起こす

で、そんな頃に本を読み漁り、ワークステーションといわれたSPARC1やNewsなどUNIX系を人に手伝ってもらいつつ、メインフレームからPCまではホボ自分ひとりで使い倒して勉強してたという、ありえないくらい恵まれた環境に居たのですが、さすがに20年近くも立つと、そんな知識もすっかり錆付いてました。まぁ、普段起きることにはその頃の知識プラス時々補給する最新情報だけで適当にこなせる訳ですが、今直面してるのは非常に特殊な環境の中での色んな機器の相互接続テスト。いや、コレは正直骨が折れます。

なんでそんなことお前がやってるの?

ま、いろいろあるんですよ。そこには。

 

そこで思い出す、問題解決にすさまじいパフォーマンスを示した昔の上司の話

その上司の下にいたのはちょうど1990年を挟んだ4年間くらいだと思います。元々メインフレーム系の通信分野に特化した、非常に込み入ったわけの判らんトラブルの際に最後に呼ばれるトラブルシューターを長年担当した人でした。

その方自身、たとえばTCP/IPの世界なんて知りません。もちろんメインフレームの通信の世界は隅から隅まで原理原則については知り抜いていますが、その時点での最新の製品のことは良くわかっていません。

でも、トラブルが起きたとき、相談すると一発で問題を見つけます。少なくともどこがおかしいかは説明を聞いて一発で指摘してきた人でした。曰く、

「通信を考える上で、設計上そんな動きをさせるはずは無い。原理的にそこはこういう動きをするはずだ。こういう風にプログラムを作るはずだ。それでもおかしいなら設定が違っているかバグがどちらかだが、たとえばココはどんな風に動いてるかトレース取ったか?」

そういって指示された数箇所を調べると、ホボ当たります。もちろん大ハズレすることもありますが、そういう時は大抵設定をした私がアホだった場合ですが、それすら最後に「この定義どうしてる?」の一言で見つかったりしてました。若造だったワタシは当時それが悔しくて夜毎席の前に陣取って闘っていたのですが、さすがに2年も過ぎるとそのあたりは素直に脱帽です。

 

その上司を超えることは出来ないのだけれど

今考えると、その上司は当時、今の私とそれほど変わらない年齢だったということを、ふと思い出しました。で、今の自分を振り返って・・・

「俺はどうなんだよ?」

もちろん経験値が全然違いますから同じことが出来るかなんて比較するほうがおかしいのですが、やはり強烈に影響を受けているんだろうなということは素直に思います。ワタシの場合、軸足をその後エンジニア系からマーケティング系に移したわけですが、「あるべき姿ってのはどうなんだ?」ということを考えること、というのはその人から刷り込まれたような気がします。

実は20年ぶり、とは言いませんが、久々に真面目にネットワークの設定や問題解決に向き合う中で、そんなことを、ふと、思った次第です。

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