【週末ネタ】 一眼レフ市場はニコン――なぜ私はそうなのか?
何度かエントリーにも書いていますが、私の場合スチールのカメラは基本的にニコンです。コンパクトデジカメについてはキヤノンのIXYを使っていますが、自分で買った35ミリフィルムの一眼レフ、そしてデジタルの一眼レフもニコンです。思い起こせば中学の頃から使っていた父親の一眼レフもニコンでした。メカ好き&カタログ好きな私のことですから、買う前にはそれこそボロボロになるまでカタログを眺め、カメラ雑誌を立ち読み(買いなさい!)して、結果的に35ミリもデジタルもニコン。で?
35ミリの一眼レフを買ったのは確か2001年です。デジカメはいまだに名機だったといわれるものが幾つか存在していましたが、まだなんだか手が出ない頃。そしてフィルムはまだ全盛期でしたね。APSの一眼レフなんかも存在していたころで、一眼レフのニコンF100とニコンのAPSのコンパクトカメラを一緒に買うから安くしろとか難癖つけてお店と交渉し、少し値引きを大きくしてもらったような記憶があります。そのころは既にキヤノンはレンズのマウントが大きくなっていたと思うのですが、ニコンはFの頃からのマウントのまま。報道の現場とかでは徐々にキヤノンのシェアが伸びていた頃だったような記憶があります。
ただ・・・ すいません。純粋にカメラ趣味をずっと続けているわけではないので、歴史認識が間違っているようでしたらごめんなさい。
元々は子供が生まれたのがきっかけだったのですが
最初の数年は子供が小さいこともあり、ガシガシと撮影していました。すると当然フィルム代と現像+プリント代に音を上げることになります。そして3年くらい前に仕方ないなとコンパクトデジタルカメラを買う決心。ただ、丁度その頃、本当は好きなはずのニコンにコレはと思うものがありません。どうも会社的にも元気が無いように見えた時代。結局散々考えた挙句、キヤノンのIXYを買いました。
でもコンパクトデジカメに不満が募り・・・
昨年ニコンのD300が発売され、死ぬほど考えたのですが決心が付かず、そのうちにD700 が発売されて更に死ぬほど考えたのですがまだ決心が付かず・・・でもコンパクトデジカメが子供の運動会前に壊れて(これはリコール修理となったのですが)、ならばと一大決心して、でも諸般の条件の折り合いが付かずにD300を購入となりました。
その時点でキヤノンを考えなかったのか?
もちろん考えました。最後に一番大きな要因となったのは何本か持っているレンズをそのまま使いたいというものでしたが、ブランドとしてのニコンの復活というのは間違いなく大きな要因のひとつです。私にとって、これは間違いありません。
確かに私がかつてF100を買った頃のニコンの製品はいろんな意味で不安定な時期だった記憶があります。ラインナップのそろえ方、考え方、そして製品の位置づけのわかりやすさなど、素人目にも「なんだかなー」と思うようなところがあったとは思います。でも既に私がD300を買った頃は、少なくとも素人の私から見ても「最近のニコンはなんだか強いぞ」みたいな印象を受けるようになっていました。
製品としての勢い、ブランドの勢い
これを何らかの形で感じることが出来ると安心できるのはマーケティングに携わる人間としてとてもよく判ります。もちろん仕事の場に於いてはそれを仕掛ける立場ですが、ユーザーとしての立場だともっと強く感じることが出来ます。しかも自分が身銭を切って決して安くは無いものとして買うのですから、なおさらです。
これが勢い余るとブランドへの妄信になったりして後から逆切れすることが無きにしも非ず、というのを特に今の仕事を通じて知っているのですが、とりあえずその手前で自制心を効かせつつ、でもブランドとしての安心感というロイヤリティーを価格に含まれたロイヤリティーとして理解しつつ、自分にとって決して安くは無い買い物をするという行為。
冒頭の引用記事はそれを少し代弁してくれているような気はします。
取り上げられている記事は、私なんかよりももっと真面目に写真、あるいはカメラに対して接している人たちからのアンケートを元にしています。私みたいな単なる家族写真専門の写真趣味とは違う世界の人の話が元になっていますが、それでもそんな人たちにそういう評価をされているということ、そしてその評価を受けているものを自分でも所有していることというのは、なんとなく自分の購買行為の裏書をしてもらっているようで、決して悪い気がしないのは事実です。
因みに、逆の話として、たとえばサッカーにしろ野球にしろ、あるいはボクシングにしろ、その場で職業として写真を撮っているカメラマンの機材のキヤノンのシェアの高さというのはなんとなく聞いてますし、今でも白い望遠レンズの砲列(笑)を見ると、そうなんだ~と思うのは思います。これは事実。もちろんカメラメーカーはその2社だけではないのですが、各社がそれぞれの歴史と事情とありたいブランドのポジションと、そしてその瞬間の状況や問題を抱えつつ切磋琢磨して生き残ってゆく図というのは、業界の如何を問わず、あるべき姿なのだよなと思う今日この頃です。
ブランドの位置づけ、ブランドとしてのあり方、ブランドとしての評価。そしてそれを形にした製品やサービス。どれが欠けても競合に敗れる、あるいは敗れないまでもポジションが下がってしまう。
厳しいもんですよね。いずこも。