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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

「ホテルパシフィック東京」が2010年9月末で休館

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東京都心のホテル事情は、外資の有名どころの新規開業ラッシュもあり供給過剰ではないかという話は随分と前から出ていました。そこにこの不況。サービスの質に見合った価格設定という触れ込みであっても実際に宿泊する人が減るとどうしようもない。既に供給過剰による業界としてのインフレに陥っているみたいな話があるなかで老舗の休業の話が発表されました。

 

「ホテルパシフィック東京」が2010年9月末で休館

雑誌で休刊という話を最近良く聞きますが、こちらは文字通り休館です。ホテル業界にそれほど強くない私ですが、何らかの理由で看板が変わったり、変わるついでに立て替えたりというケースはいくつか覚えがあります。でもとりあえず休館してしまうという発表が先に出たケースというのは余り記憶にありません。同ホテルは品川駅のまん前。隣に品川プリンスホテルがあるのですが、場所としては悪くは無い。ただ、今回の発表にあるのは施設の老朽化。ホテルの建物はそれ全体が商売のための設備ですが、新しいホテル、新しい施設がどんどん出てくる中、既に競争力を失ってしまったというのがひとつの大きな理由のようです。

 

イベント屋としてのホテルという場所

当然ですが、「宴会場の規模と設備」というのが非常に大きな意味を持ちます。もちろん立地の問題もあるのですが、状況によっては立地の微妙な不便さが逆に役に立つこともあるので、一概に何処だからよいという話にはなりにくいものです。そもそも都心の巨大駅近くのホテルでも、改札から実際には徒歩で10分以上かかるようなところもあったりするわけで、住所や最寄り駅からでは単純に判断できません。

一方の規模と設備というのは非常に大きい。大きすぎても困るわけですが小さくてはやりくりしようがない。更にそこに利用料金の話も絡まってくるのですが、なんとなく使いやすい場所というのは自然と決まってくるものです。因みにワタシ自身の経験としてホテルパシフィック東京自体を利用したことは無いのですが、客として何度か行ったことがあり、そのなかでは特に?と思ったことはありませんでした・・・ が、確かに古さについては否めないところがあったのは事実。ここが難しいところなのですが、使う側からすると単純に古い場所というのは色々と制限があるのは事実。少々値段が張っても新しくて設備の整ったところと比較するとどうしても新しいところを選びがちになります。

 

宿泊の場としてのホテルという場所

とりあえず都内に横浜から通っている身として、それこそサウナで夜を明かすとか会社の近所のビジネスホテルに明け方にとにかく横になりたいからと潜り込む、あるいは翌日のセミナーの準備で徹夜するので部屋を取ってもらった・・・などといった理由以外では、余程の理由が無い限り都内のホテルに泊まることはありません。もちろん出張であれば泊まることもそれなりにあるわけですが、都内のホテルを宿泊先として意識することは殆どありません。

でも、そんな私ですら、最近の外資系有名ホテルの新規開業ラッシュ、そして宿泊料金の高さとかに驚くことはあります。まぁ料金はともかく、それほどまでに宿泊する人が伸びてるのかといったことについてはよく判りませんが、すくなくともそれなりに市場調査して規模や立地を決め、料金を決め、サービスとしてどこまでを提供するかを決めているんだとは思います。私がその結果を四の五の言う必要は無いのですが、そんな中、それぞれのホテルがそれぞれの特色を生かしつつ生き残ってゆくのは大変なんだろうな、とは素直に思っていました。

でも、やっぱり難しいときには難しい。通信やITなどの業界であれば流れがわかっていますから理解しやすいのですが、たとえばホテル業界でも・・・ と、少しだけ判った気がします。

 

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