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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

マーケティングとして不況に立ち向かう

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現在の経済状況の中、いわゆるマーケティングにかける労力や予算がカットされることが多いのはよく言われます。ただ、ひとつの極論として「広告しないのは存在していないのと同じ」みたいな話もあるように、ひたすら縮小均衡してしまうのは良いことでは無いのではないかと、マーケティングに関わる端くれとしては考えています。もちろん条件は厳しい。でも何もしないのはもっと厳しい未来しか描けない。何をどうするべきなのか。どうあるべきなのか。そんなことをつらつらと考えることが多くなりました。

 

守るために攻める?

今の状況のなか、とにかく守るために支出を抑える=コミュニケーションの予算を絞ってしまうという話が良くあります。でも製品であれサービスであれ、何かしら売り続けないと立ち行かなくなります。そのためには派手な宣伝なんかは止めてしまい、額に汗をかいて地道に売るんだみたいな精神論もあったりします。もちろんそれはそれでアリだとは思いますが、そもそも認知が得られていないと、知られていないと売りようが無い。既存のお客様だけを相手にしていると最終的に縮小均衡するしかなくなるんじゃないかという気がします。

もちろん闇雲に攻めるわけには行きませんから、当然そこに優先順位が発生するわけです。売るべきもの、そしてマーケティングの支援が必要なものにはそれ相応の理由があるし、その効果の測定もきちんと行うことが出来るんじゃないかと思います。逆に、何をしてもそもそも売り上げが変わらないものや、季節変動や製品のサイクルの問題で何もしないほうが良いものなどもあるわけで、これらをきちんと位置づけて全体の活動を考えるというのは、ある意味当たり前。やっぱり基本が大事だということかな、とは思います。

 

今が攻め時?

今のご時勢、新聞や雑誌、そしてネット上も含めて「今こそ攻めるんだ!」的な話が多く見られます。中には精神論で突っ張るものもありますが、マーケティングに関わる端くれとしてもそれらの意見は意見として接しつつ、自分の目の前の状況に対して何をするべきなのかを考えることが多くなりました。

もちろん諸般の事情により以前に比べて予算も人員も制限が非常にキツイのは事実。でも、今、前に出ないと先が無い。ジリ貧の状況を自ら作るマーケティングはやっぱりダメなマーケティングなんで、何とかしたい。全部は出来ないから、優先順位を念頭に入れつつ戦略を考え、戦術を選び、そして実行に移す。これは止めちゃいけない、と本気で思っています。

 

新聞、雑誌、書籍、そしてネット上に散在する知識

ワタシの場合、こんな時にはとりあえず勉強しなきゃということでいろんな情報を漁ります。世の中にはとにかく探せば情報は何かしら見つかるもので、それらを徹底的に洗う作業を何気に一生懸命やっていたりします。たとえばネット上で本気で探せば、いろんな調査会社やコンサルティング・ファームが発行している無料で手に入るWhite Paper的なドキュメントは玉石混交だとは言え、山のように見つかります。もちろんお金を払えばもっと一杯ありますけど(笑

ただ、これはワタシの性分ですが、どうしてもそんな情報は紙で接したいなと思うことが多いのも事実です。例えばネット上で探し当てた情報を見る時、もちろん量がたいしたこと無ければそのまま画面で見ますが、数ページから数十ページにわたるような文献にぶち当たると、素直に印刷してしまいます。どうしても紙が好きな部分があります。

もちろん将来的にどうなるのかなんてよく判りませんが、ひょっとしたら数ヶ月先にはKindleみたいなのを使っているかもしれません。

ただ、ワタシの場合、これらの紙の上の情報を会社の行き帰りの電車の中で読むことが非常に多いのが障害になるかもしれません。手も上がらないほど混雑してなければ、結構集中できるんですね。電車の中って。で、たとえば途中で混んできたりして周りの方の邪魔になるな・・・と思うと適当にカバンの中に突っ込んだり、あるいは丸めてポケットにねじ込んだりするわけですが、Kindleでそんなことをすれば一発でサヨナラです。これが問題。

ま、今後どうなるかわかりませんけど。

 

勉強するなら文字を読め?

とりあえず目の前に溢れている情報、そして探し当てた情報をひたすら読むわけですが、アホなのでよく覚えていなかったりします。でも、いろんな意見や論調に触れることにより自分の考えがまとまる人だ・・・ と自分のことを信じていたりするので、可能な限りいろんなものに触れるようにしています。

そんな中、以前のいくつかのエントリーでワタシがTwitterにはまっているというお話をしたかと思いますが、フォローをかけているある方のつぶやきにURLと一緒に書いてあったのが、このドキュメント。

Ogilvy on Recession

発行元はOgilvy and Mather(オグルヴィ・アンド・メイザー)という世界的に有名な企業で、業種は日本語であえて言うと広告代理店になります。(「あえて」には意味がありますが)

同社がずっと昔から提唱しているBrand Marketingの考え方がこの経済状況の中でどのように応用されるか、そしてその結果どのように企業価値を高める事に対して貢献できるかといった内容になっています。Brand Marketing自体は汎用的な考え方ですが、不況だからこそ重要性が高まっているというのが主旨のひとつでしょうか。

内容については多分好き嫌いがあると思います。そんなの言われても自分の環境では無理だよという話もあると思います。でも、こういう考え方もあるんだとひとつの意見として触れる姿勢というのはとても大事だと個人的には思っています。咀嚼するのは後でよいので、とにかく時間があるとき、いや、無くても、とにかく詰め込む。別に誰に薦めるものでもないワタシのやり方ですが。

 

とにかくこんな時だからこそ頭を使わないとどうしようもない。
止まるわけには行かないし、止まっている暇も無い。
だから前に進む。前へ、前へ。

こういう姿勢は持ち続けたいと思っています。

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