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朝日新聞「沖縄集会は11万人参加」に対するイベント屋としての考察

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中さんの朝日新聞「沖縄集会は11万人参加」→産経新聞「それは嘘」にトラバです。
色々なブログなどでも解説されている参加者数の根拠の信憑性について、イベント屋的な発想に基づく収容人数を乱暴に考えてみます。


会場はどれ位の広さ?

どうやら会場自体は25,000㎡くらいあるようなのですが、ここに11万人を突っ込むと、一人当たり約0.23㎡となります。会場となった公園全体に人を入れた場合です。通路も何も考えていません。

既に恐ろしいことが起きそうな予感がします。


イベント屋が考える大人一人当たりの占有面積

私の場合、展示会のフロアのスペースを計算する時の大人の占有面積は肩幅80cm x 胸の厚み50cm = 0.4㎡ を基本的なサイズとして考えています。また、例えばパイプ椅子の場合には横幅60cm x (椅子の奥行き60cm+間隔10cmで)70cm = 0.42㎡を基準にすることが多くあります。乱暴に計算すると、立っていようが座っていようが、人は0.4㎡程度の面積を占めることになります。

しかるに 0.23㎡の空間では50cm X 45cmくらいしかありません。満員電車状態です。膝を曲げることも出来ません。膝を曲げるスペースだけ考えた場合(これまた乱暴ですが)会場の面積が倍あれば物理的に11万人入れることは可能かもしれませんが、ラッシュの通勤電車の車内のような混雑状態で11万人が存在する場所というのは暴動が起きてもおかしくない状況のような気がします。


会場敷地の利用状況の仮定と収容人数見積もり

それに対して実際の大会の写真を見ると中央に大きな空スペースがあり、講演者が演壇の上で落ち着いて話をしています。取材陣のためのスペースも必要ですし、そのほかに通路やら何やらのスペースが必要ですので、(重ね重ね乱暴ですが)単純に来場者のためのスペースを全体25,000㎡の半分ちょっとの13,000㎡くらいと考えた場合、一人当たりの占有スペースを前述のように0.4㎡として、約13,000㎡ ÷ 0.4㎡ = 32,000人がある意味当日の収容限界じゃないかという気がします。

かたや警察や消防は場所としての収容限界を経験上知っていますから、催事の許可を申請する時点で不用意に多すぎる参加人数を書き込んでいると催事の開催許可そのものが降りないですね。警備計画云々とか以前の話です。


素直に考えて11万人は言いすぎのような気がします。

正確な図面が無いのでこの会場全体の面積がどうなのか、催事に使える部分という意味での有効面積はどうだったのか、更にはレイアウトからどれほどのスペースが来場者のために用意されていたのかがわかりませんからあくまで推測ですが、それを割り引いても個人的には正直11万人というのは言いすぎじゃないかという気はします。

まぁ、こういう集会や大会ではよくある話ですけど。

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