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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

CeBITの目指すもの

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CNET Japan 2007/05/10 07:00 

  Web   2.0時代における展示会の意義とは--世界最大の展示会「CeBIT」運営者に聞く

 

ちょうど自分の大きめなヤマが終わったところで、この記事を見つけました。Web全盛の今におけるReal Eventの意味についてのインタビュー記事です。

私自身は過去十数年に亘ってMarketing Communicationの分野にいろいろな形で関わってきたのですが、今でも気持ちの中ではどうしても最後はイベントにこだわって行きたい理由を簡潔に代弁してくれているようで、読みながら「うんうん」と何度も頷いてしまいました。

自分自身、かつてはメインフレーマーでイベントを担当していて、それこそ幕張メッセや晴海国際見本市会場に数十台ものPCやワークステーション、場合に よってはメインフレーム自体を持ち込むような本当に「ブツ」に寄ったイベントから芸歴がスタートしたのですが、その後の大規模イベントの栄枯盛衰の歴史、 展示からセミナーに軸足が移ってきたこと、製品からソリューションにお客さまの関心が流れてきた経緯、プライベート・イベントの興隆・・・などの流れに ずっといましたから、この記事に対してちょっと思いいれが強いのかもしれません。

とはいえ、イベントという媒体はどのような種類のものでも、それが展示会であれセミナーであれ、それが自社主催だろうがなんだろうが、とにかくお 客さまと直に接することが出来るものだということが最大の特徴だと思っています。会場で企業自体やサービス、あるいは製品などへの批判やクレームを直接受 けることもあったりします。内容や状況によっては頭に来たりもしますが、実はわざわざそこに来てお話していただいている=お客さまの声を直接聞いている訳 で、冷静に考えるとそれすら非常にありがたい話です。
直接顔を見ながらお話すること、直接話しかけること。しかもお互いの間にあるのは空気だけ。テレビ電話のようにPCの画面でも光ファイバーの回線もありま せん。私は「その場に居合わせた感」と呼んでいますが、スポーツでも演劇でも演奏会でも、とにかくその場に居合わせたものというのはしっかりと記憶に残る ものではないかと思っています。

だからこそ、

  話をしたい、何かを伝えたい相手は誰なのか?
  いったい何をどう伝えたいのか?それはどうすれば伝わるのか?
  その人はどうやったら来てくれるのか、あるいはそのイベントにはそういう人は来るのか?
  後工程で話をつないでゆく体制は出来ているのか?
そもそも、その場は内容にふさわしいのか?
  ・・・

などなど、時間と予算のせいにせずにきちんと考えて仕込むべきものは仕込んでゆかないといけないんですよね。(自戒)

このインタビュー自体はイベントの主催者という立場での話ですから、出展と言うことを考える場合に観点がずれるかもしれませんが、少なくとも主催 はこのように考えてイベントと言うビジネスを動かしているという見方をすると面白いのではないかと思います。では、出展する立場から考えると・・・イベン トの主催者はベンダーでありメーカーであり、出展社(参加者)はエンドユーザーに置き換えられるかもしれません。

ユーザー(出展社や来場者)の声がなかなか届かず、良い製品(イベント)が出せないまま別の企業に統合されていったり、全く新しいソリューション(特定の 話題に特化したイベント)を抱えて新しい企業(たとえばWeb上でのセミナーに強い)が出てきたり、ユーザーが自社のソリューションを外販したり(自社主 催イベント)するわけです。そして、こんな流れの中でユーザー(出展社や来場者)の立場としてどの企業(主催者)のどの製品(イベント)を選択して行くの か。どれをどういう風に利用してゆけば良いのか?

こういう考え方が非常に重要ですよね。

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