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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

2018年10大ニュース

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■第10位:社内体制(バックオフィス)整備

会社の規模が徐々に、しかし着実に大きくなってきています。ふと見ると、2014年の4月に引っ越しをし、当時あれほど広々としていて閑散としていたオフィスが、今は息が苦しく感じることが気になる状態になっています。これを見て内心思うのです。「こういう日が来たねぇ~」と。広々とする。成長する。タイトになる。広げる。成長できる。こんなサイクルですから。

拡大している割には、実はバックオフィスの各種の仕組みは古いままでいます。IT企業なのだから業務の自動化などもさぞかし進んでいると思われるかもしれません。ところが、製品を改良して市場に出してお客様に「これe-Jan!」と言い続けてもらう、これに集中していると、通常作業は古いままで根性とダブルチェックの人海戦術でいます。

大くの作業が紙をベースにしていたり、請求書を発行したデータを会計で手作業で入れてたり。あるいは年次で給与の査定と連動した計算を私がせっせとやっていたり。20人のころからの作業が多くそのまま残っているのですね。直したいけど成長に人がとられて余力がない。そのまま従来のやり方が残るわけです。そう。これは急がないけど重要なことのセグメント。

ここに手をかけ始めたのが2018年の10位のニュースです。大きくはシステムの見直し。小さくはスクリプトを仕込んだ改善レベル。業務の見直しもそうですが、AMGと呼ばれる総務・経企グループの充実も大きな変化です。経理担当者が産休に入り派遣の二名に助けてもらいながら業務の効率化をしています。また、どんどん多くなっている採用の人数、そのための陣容を拡大しています。1月からは、経営企画機能の拡充のために一人を社内から転属、二名の経験者に入社してもらいます。

人を少なく事業を成長させることができればいいのですが、そこをずっとギリギリで行くと、この手のバックオフィス改善は、ずっと進まないものです。このことをに、拡大してみて気づかされた1年でした。余力って大切です。


■第9位:財務ハイライトの開示

「上場企業でなくてもいい企業でいられる。e-Janではこのことを証明するのだ!」と。このように息まいていました。すると、ある元大手上場IT企業の会長だった方から、「なら財務諸表を会社ホームページに公開してもいいですよね?」と言われました。「確かに、公開してしまってもいいはずだ」と思いました。

それは、2017年3月に東レから株を買い戻したMBOを実施して1年経ったところでした。会社の経営は緊張感をもって進めていましたが、従来は社外株主だった東レへの報告という儀式もなくなり、内心は、ちょっとした危なさを感じ始めていました。自分が大株主、他の株主も内部取締役。なぁなぁで済ませることもできるし、成長しなくても誰も咎めない。低いほうに流れるのが人の常です。

財務ハイライト公開の是非を経営会議で話し合いました。マイナスと考えられるのは、業績が悪化したときもそのまま出し続けることができるのかということでした。でも、それくらいの緊張感はもっていたいですよね。それなので、決算の数字の一部を財務ハイライトとして公開することにしました。

財務関連は従来私が社内でやっていた形だったのですが、これも冗長化が必要だと思い、社内で財務勉強会を開いていた頃でした。そのメンバーに財務ハイライトページの作成を依頼し、できたのがこれです。
https://www.e-jan.co.jp/about/finance.html

あ、そろそろ、今年度の予測も入れたものに変更していく必要がありますね。今のところ、業績は順調に伸びているので、経営会議で懸念したマイナス材料は無しです。


■第8位:NinjaConnect復活

2016年初頭にNinjaConnect FSという製品を海外用に出しました。
https://www.e-jan.co.jp/press/2016/20160201.html
CACHATTOは内容も複雑なので、ファイルサーバーアクセスをシンプルに実現した製品でした。その後、このNinjaConnect FS、なかなか勢いがつかないのと、大きな市場も見込めないため、製品としては凍結することを今年の夏前に決めたのでした。

別途、今年は、インドで活動をしている一貫である用途が見つかりました。その用途は、従来とても困っている生産現場でのことだというのです。相談を受けるとできそうでした。"I think your requirements are doable!"そう答えました。CACHATTOの通信方法と実装されている機能をうまく組み合わせると、現場のコンピュータのバックアップや設定変更をしながらも、インターネットの脅威から守れそうです。

さっそく8月に工場での実証試験を行いました。インドメンバーが主体性を取り、若干のスクリプトファイルなどの作成もありましたが、見事にCACHATTOの通信方法が力を発揮。従来からどうやってもできなかったことが、すんなりと実行できたのです。その後、年末にかけて6工場での実証試験を行っています。インドのみでなく、シンガポールなどでも検証に入りました。

いい商標を探していたのですが、ちょうど商標登録を世界中で進めていたNinjaConnectがありました。名付けてNinjaConnect ISM (Industrial Security Management)。インドで反応を聞いてみても悪くない。こんな名前で、2019年はこの用途の世界展開を画策していきます。NinjaConnectが復活です!

「メーカーはユーザーに教えられて自分たちの製品の本当の価値に気づく」。これって事実ですね。先進ユーザーといかに周波数が合わせられるか、いわゆるSE力が自分たちの未来を変えます。そんなことを実感させられた出来事でもありました。

従来の顧客層、従来の売り方とは違う、骨太の製品コンセプトが出てきました。楽しみです。


■第7位:自然災害の復旧にCACHATTO活躍

「災」という文字が2018年の今年の一文字とか。ニュースでやっていましたね。確かに、数多くの直撃台風や大阪や北海道での地震など、災害の多かった1年でした。その中で、お客様から「ライセンスの緊急増」対応への要望がやってきました。

6月のことでした。大阪北部の大地震の直後のことです。数社のガス会社さんからです。CACHATTOのライセンスを緊急で増やしたいとのご要望をいただいたのです。どうやら、大阪の被災地域の生活インフラ復旧のために、全国のガス会社が応援することになり、その通信インフラとしてCACHATTOのライセンス数を緊急で増やしてほしいとのことでした。

CACHATTOは、意外と広域をカバーするようなインフラの会社さんに多く使われています。例えば、鉄道。例えば電力。例えばガス。インフラを支える通信インフラですね。その普段から使っている通信インフラを応援部隊の通信手段として確保したいのだとのご要望だったわけです。もちろん、特急で対応させてもらいました。

災害でも通信インフラを落とさない、しっかりと運営する責任も重く感じています。


■第6位:CACHATTO機能強化進む

ソフトウエアは完成形がない。そう実感させられます。環境やデバイスは変化するし、それを動かすOSやアプリの組み合わせなどもしょっちゅう変化し続ける。そこの間をつなぐソフトウェアであるCACHATTOも当然のことながら終わりのない開発を続けています。

その中でも2018年は次の3つが大きく進化したことではないでしょうか。
 -WebViewer:iOSポータル連携機能強化
 -Skype for Business連携
 -グループスケジュール

WebViewer:iOSポータル連携機能強化とは、従来iOSにおいてポータルサイトの表示が失敗するようなケースが相次いでいました。使っていたブラウザエンジンが古いことによる問題だったのですが、ようやく、新しいブラウザエンジンでの実装ができました。これでSafari並みの再現性になるはずです。長らくお待たせしました。

Skype for Business連携とは、文字通りSkype for BusinessのやりとりをCACHATTO SecureBrowserの中でやり取りでき、端末にデータが残らないということを担保するものです。メッセンジャーに関しても一昨年、独自で開発参入することはやめました。その代わり、メジャーなサービスを、利用しながらもセキュリティが担保できるようにという立ち位置で提供しているわけです。次はTeamsです!

グループスケジュールとは、そのユーザーインターフェースの作り直しでした。より現代風のUIに作り直したことでお客様からの評判も上々です。O365のスケジュールで、グループに登録されている他人のスケジュールまでもが一覧できるあたり、しっかりと日本市場のご要望にも対応しました。(ご本家のMicrosoftでは他人スケジュール閲覧をスマホではできません)

地道ではありますが、やるべきことが次から次へと出てきます。それらにしっかりと対応をする。ソフトウェアには完成形がない。逆に言うと進化し続けている分野に身を投じていることの証です。幸運なことだと思いませんか?


■第5位:自治体での採用、検討進む

2018年は大手自治体で採用されました。また、かつ中央官庁での採用省庁数も12と伸びました。事例としても、内閣府が発行した「女性国家公務員のワークスタイル事例集」というPDF冊子で、環境省と経済産業省の部分でしっかりと載っていました。

「CACHATTO※を利用すれば省内以外でもメールを確認できるので、時間に無駄のない効率的な
働き方に役立っていると感じます」や、

「帰宅してもCACHATTO※を使ってメールの返信もできるし情報の共有もできますしね。スマホだと音声認識もあるので手で返信を打つよりも早かったり。また経産省では大臣以下職員全員が月一回テレワークを行う事を推奨しているので、必要なときには、気兼ねなく、端末を持ち帰って作業することもできます」と。

さらに※の先には「(※)スマートフォン等で職場メールの送受信が可能なアプリ」とあります。ありがたいですね。そのおかげもあるのでしょう。公の世界で横の口コミがかなりの伝播をしているようです。今年は地方自治体での検討が多数増えました。2019年、2020年に向かって益々増えていきますね。忙しくなります。

ここでもキーになっているのは、CACHATTOの独自通信方法です。セッションを張り続けない方式、VPNを利用していない方式であることが、自治体での要望であるインターネット分離を上手に実現できるということが、認知・実証・許可されたことが大きいです。今まで重い十字架のように担ぎ続けた独自通信方法ですが、CACHATTOやNinjaConnectという製品を世界的にユニークなものにしてくれています。

一方、会社の営業、技術支援体制としても全国に対応できるように変質させていかなければなりません。具体的には西日本営業所の強化、技術体制の充実などを進めていきます。多数の販社さんとの良好な関係がより大切なものになっていきます。


■第4位:海外販売体制の確立

2014年に開設したシンガポールを拠点としたE-Jan Internationalについては大きく変化がありました。従来独自に販社と販路を開拓しようとしていました。3年間苦戦した後、e-Janのリソースはインドに集中させることにしました。

その代わりに、シンガポールではMaddoxという新興の会社が総代理店となって活動を開始しました。
https://www.cachatto.com/sg/partner/index.html#Singapore
https://www.maddox.sg/cachatto
その結果、E-Jan Internationalは細々ですが黒字が出るようになり、財務的な問題点だった債務超過状態も解消させたので、しばし安定状態で運転できることになりました。これからしばらくは事業をMaddox社との協業で大きくするのをじっくりと育てます。

一方、CACHATTO Indiaというバンガロールに開設した会社は、12月18日が創立一周年でした。当初は一名の営業社員でスタートしたわけですが、1年経つと5名の体制になっていました。途中ばらばらになりかけましたが、軌道修正。2005年からのインド人社員に社長になってもらい、サポート体制、販売体制、開発体制などを、キャッシュフローとのせめぎあいの中から作り出すという、本来のビジネスらしい姿へと変質できました。

E-Jan InternationalもCACHATTO Indiaも、大型の金融案件の採用を目前にしているのですが、なかなか一筋縄ではいかず、苦しんでいます。でも、それはどの市場でも必要な産みの苦しみです。逆に言うと、2019年はNinjaConnect周りのこともあるのでヨーロッパ辺りが騒がしくなりそうです。海外展開を進めることで、製品が本物になると信じています。楽ではないですが学べます。

リンカーン大統領ではないですが、「意志あるところに道は開ける。 Where there's a will, there's a way.」ですね。

今年は、従来海外を担当していたGlobal Business Groupを解消しました。海外は特別なものなのでない。各グループの各担当者が直接海外を担当するのが自然だからです。より加速していきましょう!


■第3位:ISMS取得

「名も知れない日本からの会社が、国際的な認定機関の認定すら受けていない。これでは検討しようにもやりようがないですね」

シンガポールの市場を攻め始めていた2015年の頃です。異口同音にこう言われ悔しい思いをしました。当時はe-Janではプライバシーマークを持っているので、それでよしとしていたわけですが、国外では、日本国内の独自規格では相手にもされないということを痛感したわけです。

同じようなことが2017年に、インドで活動を開始してからも言われ続けました。こちらの言い訳としては「日本におけるISMSと同等の認証のプライバシーマークを取得しています」と、何度も何度も苦しい言い訳をする必要があったわけです。

このようなことがあり、ISMSを取得することは不可避となってきていました。ここで難しいのは、その運営をどうするかということです。それなりに工数がかかることと、会社全体としてのコミットメントがなければだめですから。そこで、形だけ取るのではなく、その運営を通じて情報管理に一流の流儀を身につける。ここを目標と据えました。

運よく、AMGに経営企画機能を本格的に稼働させることができ、ISMS取得をその最初の仕事としました。さらに、BSIという英国をベースにした認証機関を選びました。これで国際的にもだいぶ箔がつきます。担当部署の頑張りと社内の各部署からの能動的な活動もあり、昨年末に審査が終わりました。

正式に認証されたのは今年の1月でした。すでに1度目の監査も無事にクリア。年明けの2月には高知テクニカルセンターでも対象の審査を行います。

すっかりとISMSが定着した2018年でした。え、2019年はISOの適用範囲を広げるとか?


■第2位:社員番号100番到達!

人数が次第に増えてきていて、社員番号もどんどんと上がってきています。採用も大変です。するとキリのいい100番を誰が取るのか?密かに周りの注目を浴びるようになっていました。入社の時系列順に番号がついているものなので、狙っても狙いきれるものではないですけどね。

そして、本命と一時期思われていたのが、4月入社予定だった女性の新人。彼女は単位取得に失敗し、卒業が半年間ずれるということになったという悲劇の人。e-Janでは年中入社があるので、半年遅れであれば、半年遅れはそのまま許容します。ちょうどめぐり合わせから彼女が100番になるかなと思っていました。「半年遅れの勲章として悪くないじゃない?」なんて励ましの言葉まで考えていました。

ところがダークホースが現れたのです。5月からe-Janに転職前提の試用で来ていたフランス人技術者。彼が入社するかしないかで迷っていたのを、彼女の9月1日入社の直前、8月15日での入社が決まり、100番は彼のものに。こんなこともあるものですね。

ダイバーシティはどんどん進んでいます。得に開発グループを中心に外国人が増えています。開発グループでは日本人比率が3割を切っています。開発のミーティングは英語、それぞれの会話はお互い得意なものでやっています。それでいいのです。出身国を数えると現状12か国とか?あ、日本を入れると13か国ですかね。

現時点で正社員数が80名半ば、社員番号が110弱くらいでしょうか。欠番が20強といったところです。18年間、ITの世界で退社していった人の数がそれくらいということなので、定着率が高い会社です。定着率が高いというのは、いい文化が定着している証。素直に誇っていいことだと思います。


■第1位:高知テクニカルセンター開設

そして、第一位が高知テクニカルセンターの開設です!

5月に高知初訪問。10月には県庁での記者発表、12月頭に稼働開始。県庁や市長の人たちはそのスピードに驚いていましたが、やるのならさっさと進めるのがいい。そういう意味では、本来は11月に稼働開始の予定だったのが1か月遅らせたという感覚でした。

高知県と高知市からの歓迎はすごく、知事や市長らが開所式のテープカットにいらしてくれました。記者会見やらテープカットやら、大げさで不要だと思っていましたが、やってみると悪くない。区切りになるものだと思いました。

さて、せっかくなので、テクニカルセンター開設に至った経緯を。

開発スピードを上げる、これがどんどん伸びていこうという会社の大きな課題です。そこには、世界的に不足している技術者の確保という課題があります。ちょうど1年前ころには、その課題に対して、国内の受託系をやっているIT企業のM&Aをすることで何とかならないかと検討をしていました。もっとも、M&Aで会社を買ったとしても、その場合、技術者たちが残る必然性が無いということと、なかなか適当な案件にもめぐり逢わなかったので、頓挫しかけました。

そこに、地方での開発拠点での地方での勤務希望者の採用という線はないか?という話がでてきました。M&Aもありかもしれませんが、より安定して発展させるには、このほうが筋がよさそうです。ちょうど高知県と市からアプローチがあったころです。その後、5月に高知を訪問します。高知大学・高知工科大学・高知高専も訪問しました。いい予感がします。

東京に戻り、「高知クリエイティビティセンターを創ろう!」と私としては盛り上がったのです。田舎のほうで古民家を借りるような形でもいいかもしれません。現地の人たちにコアになってもらい、東京や大阪からも、年に1-2か月高知でのテレワークを体験してもらう。クリエイティビティが刺激されること請け合いです。

ところが経営会議ではいまひとつ反応が悪かったです。経営陣は手堅いところから進めるのがいいと。まずは開発におけるボトルネックであった検証、それを解消させるのが最初だろうと。そのための陣容を創り運用を開始し、軌道に乗ったところでバックオフィス的な機能をふやしていき、いい技術者の採用に成功した段階でクリエイティビティセンターへの足掛かりをつけていく。結果的にはこんな道筋がいいだろうという議論になったのですね。

はい。うちの経営陣は手堅いです。私がやんちゃな提案をしてもブレーキがかかります。(笑)
そして、よりよい方向に促されて、会社としてはいい方向に行きます。

さて、そんな夢いっぱいで始まった高知テクニカルセンター。オフィス選びでは高知城が一番よく見える物件ということで即決定。オカバビルの9階という景色のいいロケーションになりました。

実際にそこにアドレスフリーのオフィスを創り出し、まずは品質保証グループの検証業務を定着させるということを進めています。

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