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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

「本物のアイディアマン」とは何か?

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おはようございます。

「空と空気が気持ちいい!」早朝玄関から外に出た感想です。

===ほぼ毎朝エッセー===

□□「いいアイディア」だけではビジネスにならない

「僕のアイディア聞いてくんない?絶対いいビジネスになると思うんだよな」

このように持ち掛けられることがよくあります。アイディアというのはそれなりに湧いてくるものです。そしてそのアイディアがビジネスになると思うものです。きっと、起業前だったら「それいいねぇ~!」と乗って、ああだこうだと酒のつまみにしたことでしょう。ところが、自分もアイディアで起業をしてみて、さんざん試して失敗してきた後は、だいぶ考え方が違ってきているようです。

「アイディアはビジネス全体のごく一部であって、アイディアでビジネスがうまく行くというものでは無いよ」と、心の中でこのようなつぶやきが止まないのです。「いや、どちらかというと、ビジネスを構築していく中で、どれらけの創意工夫ができるか、そういうアイディアを臨機応変に出せること、これが本当の『いいアイディア』なのだ」、とも聞こえてきます。心が狭くなってきているのか、発想が貧困になってきているのか。でも、現実のところは次のようなことが実態です。

「いいアイディアだ!」と思ったことを少しでも実現するためには、針の穴を通すようなバランスを取る必要があります。売上と費用のバランス。先の開発に費用を投入できる財務のバランス。人が最大限に活躍できる魅力的な会社にするバランス。限られたリソースで「いいアイディア」に近づけるためのバランス。その他、実際のビジネスにするまでにはとんでもなく長いバランスの道のりがあります。

さらにバランスを取っているだけではだめです。物事には売れるタイミングがあります。「いいアイディア」は、現実化するタイミングが早すぎても遅すぎてもダメ。よく自分も、「そのアイディア持っていたのにぃ~!」と、騒ぎますが、アイディア思いついただけなのと、それを現実化させて社会に出しているのとでは、すっぽんと月(順不同)です。いや、その比較すらにもならないでしょう。

つまり、なんとなく妄想した「いいアイディア」だけではビジネスにはならず、その「いいアイディア」を現実化するプロセスの中で「さらにいいアイディア」をタイムリーに出し続けること経て、初めて本当に「いいアイディアだねぇ」だと認められるようになるのです。

逆に言えば、最初は大したアイディアでなくても、その後、継続的かつ臨機応変的に「さらにいいアイディア」を注ぎ込むことが続けられたら、それはいずれ、世間様から「いいアイディアだねぇ!」と言われるようになるものです。

またその「いいアイディアだねぇ」と言われることに慢心していたら、すぐにそれは飽きられてしまう。アイディアをビジネスにするには、それを出し続ける能力が組織として必要なのです。だから、自分は多様性を重視しています。多様性からは幅の広いアイディアが出やすくなります。誰が出したアイディアかどうかはあまり関係なく、いいものであると判断したのならそれを実施することに躊躇しないことです。

タイミング良く「さらにいいアイディア」が出てきたら、それに合わせて軌道修正を細かく続ける。つまり、「本当のアイディアマン」とは、起動修正のヒントになる「さらにいいアイディア」が出し続けられる人のことだと思うのです。だから原則一か所にとどまりながらやり続けることが必須です。ころころ場やゲームを変える人は違います。

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