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Women Developers Summitの『公募』が教えてくれたこと  ~「はじめてのコト」と「はじめての気持ち」~

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皆さま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年初日ということで、「はじめてのコト」と「はじめての気持ち」をテーマに書きたいと思います。


2022年を迎え、新しいコトをはじめる「計画」や「準備」をされている方、また、日付が変わると同時に「始動」されている方もいらっしゃるかもしれません。

コトには、「毎日、ブログを書く」「毎日、1万歩あるく」のように、自分の「計画」と「行動」を一致させれば実現できるコトと、「毎月、ベストブロガーに選ばれる」「毎試合、ホームランを打つ」のように、自分の「計画」と「行動」を一致させるだけでは実現できるかわからないコトがあります。

自分の「計画」と「行動」を一致させれば実現できるコトであっても、「計画」にムリがあると継続は難しく、ましてや、一致させるだけでは実現できるかわからないコトであれば、なおさらです。「何もしなければ、実現可能性は0%」「まずはやってみるが大切」と頭でわかっていても、その一歩を踏み出すことに躊躇してしまいがちになります。

どうすれば、行動に移せるか?(感情を理解する編)に書いたとおり、私は、人の行動を妨げている感情には、『不安』か『不満』のどちらかがあると考えています。また、「不安」や「不満」を感じたら、その要因を具体的に言語化することが大事だとも考えています。それは、「不安」な気持ちにも「結果が予測できないことに対して恐れる気持ち」「望む結果にならなかったら恥ずかしいと思う気持ち」など、漠然とした「不安」を具体的にすることで、自分が納得する準備や対策を練ることができるからです。

役に立たなければならない』という思い込み

8年前、Developers Summit(夏サミ)のスピーカー公募の締め切り前日の夜、Windows女子部3代目部長の未来さんに、公募にチャレンジする提案をしました。応募するかどうか、結論がでないまま時間が過ぎ、品川のカフェを後にする時間ががやってきました。「私は未来ちゃんならできると思っているけれど、無理強いはしたくない。この機会にチャレンジするかどうかは、未来ちゃん自身がやりたいかどうかで決めてね」と伝え、家路につきました。

日付が変わった深夜3時31分、「今日はお忙しいところお時間いただき、本当にありがとうございました。夏サミのスピーカー応募しました!」と、未来さんからメッセージが届きました。

未来さんご自身が述べられているとおり、夏サミに出るまでは自分のキャリアや経験は人前で話すほどのレベルではない(≒役にたたないかもしれない)と考えていました。誰かの役に立ちたい、役に立とうとして行動することは、素晴らしいことですが、この『誰かの役に立ちたい』気持ちが『誰かの役に立たなければならない』思い込みに変わってしまうと、行動することが辛くなったり、「役にたたないかもしれない」と考え、行動できなくなったりします。

未来さんは、『誰かの役に立たなければならない』思い込みを手放し、スピーカー枠を射止めただけでなく、見事「ベストスピーカー」を受賞されました。

2013/8/1 夏サミ
Enterprise TED
ベストスピーカー
木下未来さん

夏サミに出る前まで、私は人前で話すことが苦手で、自分に
自信が全く無く、自分のキャリアや経験が人前で話す程のレ
ベルのものではないと思っていました。
しか...

『選ばれないかもしれない』という不安

未来さんのStoryを最前列で見守ったあの日から8年後、社内のYammmerで「Women Developers Summit」の公募があることを知りました。

   スクリーンショット 2021-12-31 204445.png

Women Developers Summitのメッセージを読み、今更ながら気づいたことがありました。それは、これまで多くのカンファレンスやイベントで登壇する機会がありましたが、いずれも自分が話す前提でセッション枠が用意され、自分のチカラで手に入れたセッション枠ではなかったということです。

与えられた機会に対して「常に自分のできる最善を尽くしてきたか?」と問われれば、自信をもって「Yes」と言えますが、「登壇機会を自らのチカラでつかみ取ってきたか?」という問いには、自信をもって「Yes」と言えないことに気づいたのです。例えるなら、これまでは、試合に出てバッターボックスに立つことは約束されていて、ホームランを打つことが求められてきたといった感じです。

そのことに気づき、機会を得るところから始めようと思い、Women Developers Summitの公募フォームに必要事項の入力を始めました。ところが、自分でも予想していなかった「選ばれないかもしれない」「選ばれなかったらどうしよう」と不安な気持ちが沸き上がり、入力の途中で手が止まってしまったのです。

「何もしなければ、実現可能性は0%」「まずはやってみるが大切」を実践してきたはずなのに、「望む結果にならなかったら恥ずかしいと思う気持ち」が、入力の手を止めてしまったのです。

自分の『感情』を整理する

「選ばれなかったら恥ずかしい」といった不安に向き合い、感情を整理していくと、「過去の実績を気にしている自分」「過去の実績が傷つくのではないかと恐れている自分」がいることに気づきました。

常に自分のできる最善を尽くし、結果として選ばれなかったとしたら、それは、「求められている」ベクトルが違うだけ。「別の機会に再チャレンジすればよいだけだ」と思えるまでに3日かかりました。

3日後、改めてWomen Developers Summitの公募フォームに入力し、登壇内容をPPTにまとめて「公募」枠に応募しました。結果がいつ来るか分からなかったので、結果が出るまでの数週間は「期待」と「不安」な気持ちを抱えて過ごしていました。

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誰もが、最初は「はじめて」

いろいろな知識や経験が身につくと、「はじめてのコト」と「はじめての気持ち」を忘れがちになってしまいます。
Women Developers Summitの『公募』にチャレンジしたことで、「はじめてのコト」に向き合う時の「はじめての気持ち」を思い出すことができました。

2022年は、沢山の「はじめてのコト」に向き合い、常に挑戦者として、新しいコトにチャレンジしたいと思います。


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