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食品移香。パッケージへの移香について問い合わせた件。~日用品公害・香害(n)~

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食品包装がにおう。紙のケースやパッケージは、ほぼ100%におう。
原因は、高残香性柔軟剤・抗菌系合成洗剤など、近年発売された日用品だ。

それらの製品で洗濯した衣類に残留する化学物質が、大気中に放たれる。
汚染された空間にあるケースやコンテナに付着する(1次移香)。
ケースやコンテナ内の商品パッケージに付着する。(2次移香)。
パッケージが紙や薄いラップであれば、貫通して、食品の表面に付着する(3次移香)。
移香した食品を冷蔵庫やストッカーに入れると、庫内に付着する(4次移香)。
同じ場所に保管した、他の食品の表面にも付着する(5次移香)。
n次移香は、止まらない。

従来、食品移香といえば、消費者の不注意によるものが大半だった。たとえば、防虫剤を入れた箪笥の傍にカップヌードルを置くなどだ。移香元と移香先は1対1の関係で、被害は限定的だった。
ところが、今では、消費者が気付かぬ間に移香している。しかも、n次移香だ。いつ、どこで、何から移香したのか?トレースは不可能に近い。

移香食品を避けるには自衛するしかない。われわれ消費者ができることは、次の5つだ。

  1. 香害に理解のあるショップで購入する。
  2. 包装を清拭または洗浄する。
  3. 無香の包装やパックに移し替える。
  4. 移香が見られたら、販売者や業界団体に連絡する。
  5. 移香の情報を、twitterで発信・収集・共有する。

1. 2. 3. は、ディフェンスだ。それによって移香が改善されることはない。そこで、(4)を実行してみた。

今回移香していたのは、スーパーで購入した、段ボールケース入りのカップめんと、紙パッケージ入りレトルト食品。どちらも家族用のローリングストックだ。さいわい中身は無事だった。
しかし、ケースやパッケージを片付ける間にも、付着した化学物質を吸い込んでしまう。マスクをしても、半減がいいところ。ただちに影響がなくとも、繰り返すならリスクは積みあがる。

各地からのお取り寄せを決行し、「食品移香。世界に誇る「和食」が、消える。~嗅覚センサーを見直そう(14)~」を書いたのは、2019年12月。あれから3年。移香商品は、減るどころか増えている。

そこで、「一般社団法人 日本即席食品工業協会」に、現状を知らせてみた。

「日本即席食品工業協会」への連絡内容(2022/8/28)

いつも簡単便利で美味しい食品を、ありがとうございます。
食品移香について、お知らせとお願いがあります。

この数年、高残香性柔軟剤と抗菌系合成洗剤の食/品移香に困っております。
付着しているのは、熱した樹脂と殺虫剤を混ぜたようなニオイと、ミントに消毒薬を混ぜたようなニオイの2種類です。

ケース売りの(メーカー名)のカップめんは、ダンボール素材の紙ケースに移香、さらに貫通して、個々の商品の外装フィルムに移っています。容器までは移っておらず、食べることはできます。

レトルトの紙パッケージは高確率で移香しています。
たとえば(メーカー名)のカレーは、パッケージを貫通してレトルトパウチの表面に移香しています。湯で温めれば鍋に2次移香するため、中身を出してレンジで温めています。

紙幣や書類や郵便物、ネットショップで購入した場合の配送用段ボールにも、同様の移香がみられることから、紙は移香しやすいようです。

現在の柔軟剤や合成洗剤には、マイクロカプセルによる徐放技術とナノテクノロジーが使われています。
洗濯した衣類に残留するマイクロカプセルが環境中に放たれ、付近にある食品に付着します。
ナノパーティクルは、肉眼では見えないため、トレースも回収も不可能です。ヒトが嗅覚で判断するしかありません。しかし、嗅覚の個体差は大きく、商品が消費者の手に届くまで、ニオイを感知しないスタッフが関わる可能性もあります。

同様の移香に困り、宅配便やスーパーに、意見や要望を伝える消費者が少なくありません。
移香への対応が見られない場合は、買い控えが進みます。わたしも、防災用のローリングストックの購入を躊躇しています。

貴協会には、わが国を代表する食品企業が参加しておられます。
会員の皆さまに、柔軟剤や合成洗剤の成分が、食品パッケージ、とくに紙に移香しやすいことをお伝えいただけませんでしょうか。
さらに、消費者が移香に悩むことなく購入できるよう、啓発と対策についてご検討いただければ幸いです。


上記内容で問い合わせた3日後、同協会から丁寧な返信を受け取った。その後何度か、消費者目線での現況を伝えている。

筆者が経験したような食品包装への移香なら、まだマシである。さいきんでは「食品そのもの」への移香も増えつつある。
加工や包装を担当するスタッフが、ユニフォームを自宅で洗濯しているなら、起こりうることだ。また、通勤途中で移香した頭髪はそのままで加工作業を行い、食品に2次移香させる可能性も否定できない。

食品に、日用品由来の化学物質を付着させない
食材の生産者、食品メーカー、販売店、配送業者。食にかかわる、業界あげての取り組みを期待したい。

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