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ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨いながら、感じたこと考えたことを綴ります。

紹介いただいた拙著についての補足。

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オルタナばんちょ~様に、オンラインブック「XML設計の心得」を紹介していただきました。

私は、非印刷媒体に移行すべく元勤務先を退職したので、電子本を出してみたく、2003年に、PDFブック「ASP.NETネタ帳」を試験販売してみました。それは相方が作っていたサンプルを掲載したもので、Adobe InDesignとIllustratorで処理しました。

その流れで作成したのが、「XML設計の心得」です。紙の本になる話も複数あったのですが、XMLは既にインフラ化していて新しく学ぶものでもないですから、読者数も限られると思い、オンラインブック化を選びました。そして、DTP経験のない筆者が自前出版する日も近いと思ったので、InDesignを使わずWord原稿をそのままPDF化しました。

内容は、2003年~2004年頃のXMLアプリケーション構築の経験をもとに、2006年~2007年頃に書いたものなので、現状でも役立つ部分と、現状に合わなくなっている部分があります。
以下、補足です。

第1章
導入部分なので、現状に合うも合わないもないです。

第2章、第3章
取り上げている仕様は、XMLマスターベーシック試験の範囲と大差ありません。

本書 (XMLマスターベーシック試験
XML 1.0 Fourth Edition (XML 1.0 Fifth Edition)
Namespaces in XML 1.0 Second Edition (Third Edition)
XSLT 1.0(XSLT 1.0
XPath 1.0/2.0共通部分、表記は2.0(XPath 1.0
DOM Level 1 Core、Level 2 Core(DOM Level 2 Coreが中心のようです
XML Schema Part 0: Primer、Part 1: Structures、Part 2: Datatypes  Second Edition(同じ)
XQuery 1.0 / SQL Server 2005(試験範囲外
LINQ to XML / Visual Studio 2008(試験範囲外

第4章
本書の肝です。この章の後半部分(4.4)を伝えたかったがために、本書を書いたようなものです。
一意な最小単位の定義問題については、メルマガで書いていますので、そちらも参照してください。

第5章
仕様や技術が進化しても、作業の進め方は変わらないので、参考になるかと思います。

第6章
実装・更新・運用・作業管理段階で生じる問題点は、今でも参考になると思います。
フルテキスト検索の項は、XSLTコーディングの参考にはなるかもしれませんが、いまどきストップワード方式はないでしょう(古い)。
その昔は、顧客側が予算の都合などでXMLデータベースを導入しない場合、DOMでネイティブXMLを処理していました。DOMを使う場合は、サーバのメモリのスペックに処理速度が左右されますし、当時は、回線状況もよくてADSLでした。いまは、ハードウェアのスペックが違いますし、LINQが使えますから、このような処理は必要はないでしょう。LINQは強力です。

本題には関係のないところで校正ミスがあります。寝ぼけていたようです。制作時の環境(Windows XP)がないもので、ここに記載。
P.220 二者択一の選択肢に対応するデータ作成 → 選択肢に対応するデータ作成
P.237 正常性バイアスが働き過ぎる → 正常性バイアスが働かなさすぎる

書籍は、コラボレーション・ユニットPROJECT KySS名義で出版されることが多いです。相方(薬師寺国安)と氏名併記で共著という形も何冊かあります。グループ名にするか著作権者名にするかについては、出版社側の決まりがあるようです。
常に公平に分担しているわけではなく、内容や、得手不得手や、(オンライン記事執筆や開発実務との兼ね合いで)スケジュールの都合によって、分担が変わります。半々だったり、4対6あるいはその逆、3対7あるいはその逆、だったり。

これまで31冊書いているうち、次の本は、私の方がほぼ単独で担当しています。

実習 Windowsプログラミングはじめの一歩(2007年4月)
技術好きの小学生を想定して企画したものなので、プログラミングに無縁のデザイナさんに役立つかもしれず、現在出版権が私にあるので、そのうちオンラインブック化を考えます。

ゼロから学ぶWebプログラミング―クールなサイトをつくりたい! 日経BPパソコンベストムック (2004年10月)
複数の著者による共著。私はHTML、CSSを担当。

5日でマスタするXML入門(2004年2月)

XML MASTERテキスト XMLマスター ベーシック(2002年8月)
XML、DTD、Schema、Canonical XMLは福内かおり氏。私は、XSLT、XPath、DOM、Namespaceと、それらのVTRのシナリオと撮影を担当(出演は相方)

貼って使えるXML デザインブック~知らずに使える「超」サンプル~(2002年3月)
ECMAScriptを含むSVGを生成するなど超絶?XSLTのサンプル集。SVGのバージョンが古いので修正しなければ使えません。

これから始める人のXMLガイド(2001年1月)
複数の著者による共著。私はXML入門者の主人公が実在のメーリングリストの参加者の助けを借りてスキルアップしていくという、リアル同時進行の技術解説小説とイラストを担当。

XML+XSLによるWebサイトの構築と活用(2000年7月)
XMLの章は、宮坂雅輝氏。私は、XSLT(MS-XSL)を担当。

相方がほぼ単独で担当しているものもあります。
先にばんちょ~様にご紹介いただいた「LINQ to XML データ処理テクニック」、「~Visual Studio 2005 Hackers Technique~Webアプリケーションの開発技法」(←私は入院中だった)です。また相方がメインで担当したものに、「Visual Studio 2005 ASP.NET 2.0 Webアプリケーション開発 Programming Technique」、「XML vs RDBプログラム・パーツ集」があります。

二人のスケジュールが合って1冊を分担する場合は、入門編・基本編を私が、応用編を相方が、お楽しみサンプルを私が、という、サンドイッチみたいな形が多いです。

相方が作りためていたサンプルを本の形にしたいときは、企画が後になります。私が後付け企画と目次を考えて導入部分を書き、章構成上不足しているサンプルを作って本の体裁に仕立てる、という方法をとります。「Silverlight実践プログラミング」は、この方法で書かれています。

サンプル作りを分担するときは、XMLデータのCRUD処理は相方が、メディアの扱いや座標値計算は私が、という形が多いです。
ときどき、1個のサンプルを、プロシジャ単位で分担して、VBコードをやりとりして仕上げることもあります。

ところで、

皆さん、愛媛みかんの美味しい季節ですよ!(本題に、全然関係ない)

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