ヒトの行動は、空間と時間で定義される。(1) 空間について。
TVニュースに、ある避難所の、テント派と広間派が真っ二つに分かれている様子が映し出された。
同じ日本人、同じ地域に居住する者であっても、隠れた次元が異なるのかもしれない。
「隠れた次元」というのは、エドワード・ホールの著作のタイトルである。
空間における、人が了解できる距離感とでもいえばよいだろうか。
同著では、文化的背景が述べられているが、同じ日本にあっても、地域の基幹産業や家族構成などによって異なる。
また、数十年前の本であるから、脳科学の発展した今では、個体差もヒトの空間を定義付けるかもしれない。
個人的な話を書くなら、私はテント派で、相方は広間派である。その行動傾向は、狼と十姉妹に似ているかもしれない。
テント派は広間派の人々を理解しやすいが、その逆は、理解し難いようである。
私の場合は10年ほど広間派の環境に合わせることに苦しみ、最近模様替えをして安眠できるようになった。
当然のことながら、以前から非常時用のテントを持っている。
「隠れた次元」は、ヒトのQOLに関わる重要な要素である。
自らの持つ「隠れた次元」とは異なる環境に置かれることは、誰にとっても、大きなストレスになる。
(逆に、広間派がテント派の環境に長期間置かれると、寂しさや不安を感じるだろう)
ましてや、被災者の皆さんは、いまだかつて近代人の誰もが遭遇しなかった状況に直面し、いまなお過酷な状況にある。
それぞれの快適と感じる空間の確保が、どれほど重要なことか。
そのためにも、テントは役に立つ。防寒のためだけでなく、それぞれに適した「隠れた次元」を維持するために。
テントを支援して下さった国の皆さまに、同じ日本人として、深く感謝します。
ありがとうございます。