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ヴィジュアル、サウンド、テキスト、コードの間を彷徨いながら、感じたこと考えたことを綴ります。

雑誌付録は、モノからサービスへと向かう。

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昨日の記事で、筆者は小学生のころ、実験材料の付録を楽しみに学研の雑誌を買っていたと書いた。

もうひとつ、楽しみにしていた雑誌付録がある。
「365日のおかず百科付き家計簿」。
毎年この時期になると母が買っていた、婦人雑誌の付録である。
カラーページには365日分のメイン料理の写真と数行のコメント、毎日の家計簿の欄外には夕食の献立例が載っていた。

なにしろ活字中毒である。年末に購入した後元旦まで放置されているこの付録を、隅から隅まで、読んだ。
365(日)× 4 (一汁三菜の献立例) × 6(冊)= 8760 レシピ。毎年の重複を省いても、下地としては十分な数である。
筆者の頭の中には、基本的な料理のデータベースが構築され、これにより、ごく普通の家庭料理なら一通り作れるようになった。
当時の婦人雑誌、とりわけ「主婦の友」には、大いに感謝している次第である。

今では、鍋やらバッグやら、嵩からいっても、付録メインの雑誌が売れているようだが、この付録、(クリアすべき課題は多々あるだろうが)モノではなく、ヒトによるサービスへと移っていくであろう。

年末に婦人雑誌を買えば、最寄りの清掃業者から清掃員が来て、大掃除を手伝ってくれる。
初心者向け料理本を買えば、遠隔料理教室の受講券1回分が付いてきて、希望の料理の指導をしてもらえる。

婦人雑誌に限らない。

ペット雑誌を買えば、最寄りの動物病院から獣医師が来て、健康状態をチェックしてくれる。
幼児向け雑誌を買えば、絵本の読み聞かせのサイトのアクセス権が得られる。
育児雑誌を買えば、雑誌の会員コミュニティのサポートメンバーが来て、育児相談に乗ってくれる。
高齢者向け雑誌を買えば、雑誌の会員コミュニティのサポートメンバーが来て、話し相手になってくれる。
語学雑誌を買えば、講師が来て、発音の指導をしてくれる。
音楽雑誌を買えば、最寄りの楽器店から先生が来て、指導をしてくれる。
初心者向けPC雑誌を買えば、最寄りのパソコン教室から技術者が来て、導入指導を行ってくれる。

出版社と提携している企業がヒトを派遣することもあれば、雑誌の読者コミュニティからの相互派遣もある。
企業の場合は、1時間程度の1回のサービスで終わりとなるが、コミュニティの場合は、それにとどまらず、読者同士がつながることができる。読者コミュが、自助組織になるのである。

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