Caché 2010.2 Field test 2
つい最近2010.1をリリースしたのもつかの間、続いて2010.2のフィールドテストが始まりました。
昨年は、2009.2がスキップされたので、リリース間隔ものんびりした感じでしたが、今年は本来のパターン(1年に2つのバージョンをリリースする)に戻ることがほぼ確実ですので、リリースに関しては、あわただしい感じです。
さて、今回の2010.2の目玉は、ミラーリングという新しい高可用性機能です。
従来は、Cachéシステムの高可用性を担保するには、OSレベルのクラスタリングソフトやSANのソリューションの助けを借りる必要があったわけですが、このミラーリングを使用すると、Cachéのみで同等の高可用性を実現できます。
クラスタリングソフトウェアを使ったフェイルオーバーリカバリーの場合には、トータルのリカバリーに要する時間は、OSのリカバリー時間、クラスタリングのリカバリー時間、およびCachéのリカバリー時間の総合計となり、短くても1分程度の時間が必要でしたが、ミラーリングでは、10秒程度と想定されています。(状況により実現できないケースもあると思います。)
また、クラスタリングソリューションの場合、その実現方法が共有ディスク方式である以上、ハードウェアレベルの障害や予期せぬソフトウェアの障害で、その共有ディスクの内容がおかしくなるケースも想定されます。
SANのソリューションの場合も、ソリューション毎に細かい実装は当然異なるでしょうが、データの同期を取る際にイメージレベルの差分で管理するケースが多く、その場合も元データのイメージがおかしくなっているケースでは、正しく同期できません。
ミラーリングの場合、マスターとスレーブ間での情報交換は、論理的な更新ログによるものですので、上記のクラスタリングおよびSANソリューションのような問題は発生しにくくなっています。
可用性を語る時に、目標となる稼働率で表現することがよくあります。
インターシステムズがこのミラーリングでめざすのは、稼働率99.999%(ファイブナイン)です。
計算するとわかるのですが、99.9999%(シックスナイン)の場合、年間のダウンタイムは、31秒です。
先ほどのミラーリングのリカバリー時間を10秒に若干の余裕を持たせて考えると、年2回のダウン回数となります。
これは、予め予定しているシステム停止を含めて考えるとかなり厳しい数字です。
ファイブナインとなると、5.26分となり、かなり余裕のある数字となります。
ますますシステムの連続運転が求められる中、ミラーリングは、それを強力にサポートしてくれることが期待できます。