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人口減少経済の新しい公式

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これは、松谷明彦さんという方が書かれた本のタイトルです。

今週は、急な円高で、デフレ宣言と合わせて、輸出企業とそれを取り巻く中小企業への打撃が必至という状況です。

そういう状況の中、民主党の政策に今後の成長シナリオを示すビジョンがないだとかマスコミ主導でいろいろなことがいわれていますが、この本を読むと日本に関しては、今後経済の成長はありえないと思ってしまいます。

結局の所、成長というものをどう捕らえるかという発想の転換次第だと思いますが、現状はほとんどの人の頭の中では、経済成長というと、単純にGDPの伸びと捕らえられているのではないかと思います。

この本の大きなメッセージは、総量としてのGDPの伸びを重視するのではなく、国民一人当たりのGDPが今後も伸びていくことが重要だということです。

そのため、企業は雇用調整(人員削減や給与削減)ではなく、まずは、過大な設備投資を削減する方向で考えるべきだということです。

日本では省力化のための過大な設備投資がずっと行われたわけですが、結局それが成長率を妨げていたという事実は、なるほどと思いました。

そのほか、人口減少経済に向けた処方箋的な提言が沢山書かれています。

中には、言うのは簡単ですが、なかなか実現、実行が難しい(そう)なものも沢山あります。

その中で、国債を永久債にすることによって、償還のための予算を考える必要がなくなって、財政収支は大きく改善というアイデアは、非常に面白いと思いました。

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