物作り奨励?
今後日本が生きていく道は、やはり物作りの道を極めていくしかない。
こういう論調の意見をよく目にするようになりました。
完全に間違っているとは言い切れませんが、本当にそれだけでいいのだろうかという疑念を捨て切れません。
最近、ある経済誌に載っていた寄稿ですが、寄稿された方は、どこかの経営トップの方だったと思いますが、以下のような内容でした。
日本のボトムアップでプロセスを改善していくシステムは、ほかの国では見られず、これが日本製の製品のずばぬけた高品質を生み出している。
一方、日本に足らないのは、ハードに偏りすぎていて、ITuneに代表されるような仕組みを含めたサービス開発への取り組みが弱い。
なので、この部分を強化したら、鬼に金棒だ
という論理を展開されていました。(内容はかなりうろ覚えで、正確さに欠けます。)
製品の品質に関する考察には、大きな異論はないのですが、後半のソフトウェアの強化に関しては、ちょっと違うんじゃないかなと思いました。
これは、ハードとソフトという捕らえ方ではなく、日本が得意なのは、連続的なevolutionの方で、一方、iTuneの例は、断続的なinnovationではないかと思います。
ここで問題は、後者は、ボトムアップのプロセスから生み出すことが可能かどうかです。
もちろん、小改善の過程の中にも、小ブレークスルーというものはあるでしょうが、発想の大転換(英語で、よくGame Changingという表現で表されるもの)は、難しいような気がします。
そういうInnovationが生まれたら、しばらくそれを研究して、形がある程度決まったら、またそれに対して細かい改善を加えていく、こういうことが成り立つのならば、また日本の強みを生かせるかもしれません。