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学生や社会人教育の中で見えてくる、ふと気になったことをつづっていきます。

ビジネスシーンでのおじさんたちの例え話『昔:プロ野球、今:半沢直樹』~わからなくても共感できる準備を

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もう何十年も前の私が新入社員の頃の話です。
月曜日の朝礼で部長が
『昨日は巨人が負けたから今日は機嫌が悪い!』
という一言から話を始めました。
本当に機嫌が悪そうに、部下たちに注意事項を話し始めました。当時私は、部長が朝からこんな話をしていいんだ!と目を丸くしていました。もともと野球に興味がない私は、驚きながらも、プロ野球のチームの勝敗で部長の機嫌が変わるのも困ったものだと思っていました。

その後客先に課長と伺った打ち合わせの席で、お客様の部長が会社の状況を話された時のことです。
『まあ、ここはツーアウト満塁で〇〇(まったく覚えてませんが プロ野球選手の名前でした)を代打に出したんだけど、振り逃げしてアウトになったようなもんですわ』
と話されました。(実際は何と言ったか覚えてませんが、こんなふうに場面を語っていました。)

野球を知らない私は、その例えが何を言いたいのかわかりませんでした。さらに、私の上司も『せめて代打に◇◇を起用できれば』などと話をつなげていくのですが、それも当然わかりません。

そこで、プロ野球は単なる趣味の世界ではあるけれど、一般的な話題として知っておかないと、お客様との話しについていけないのだと思いました。その後、プロ野球ニュースをみたり、友人とプロ野球観戦にも行きました。少しでも野球に触れたことで、上司やお客様に野球の話題を提供することができました。と言っても、いきなりすごい話はできませんから、「昨日初めて野球観戦に行ったんですよ」なんて話題から始まり、お客様が「どこの球場?」「何戦?」など聞かれることから話が膨らんだ経験があります。

自分が野球に関して知識が無いなりにも、野球の話題に触れようとする姿勢はわかっていただきました。以降、お客様がビジネスの話を野球の例え話にした時には、私の方をみて「わかるなか?」なんて聞いてくださるようになりました。

こういう趣味や流行などが盛り込まれたビジネスの話ができることは、とても大切です。その話題で場がいい感じになっている時に、一人わからないからとつまらない顔をしていることは場のテンションを落としてしまいます。

わからいことが話題になることは避けられません。せめて、知らないなりにも相手が何を語ろうとしているのか知ろうとする姿勢、共感できるところを探ろうとする姿勢が大切です

時は変わって、いまやドラマ『半沢直樹』が人気です。毎回起きる事件や役者さんのやりとりがSNSでもかなり話題になっています。もはや、話題になる時は、役者の名前ではなく劇中の名前で語られるほどです。 今や、上司の雑談はプロ野球よりは、半沢直樹の方が優勢のようです。

こういう話は、ドラマを見てなくても、あらすじやSNSを追えばなんとなくは掴めるものです。 検索が得意な、若手社員のみなさんは、「おじさんが何言ってるんだ」ではなく、ちよっと調べてみるといいでしょう。

その話題に、入れることで、グッと相手との親近感が縮まります。ドラマの深い話ができなくても、「あーSNSでも話題ですよ」「土下座ってそんなにすごかったんですか?」と、TVは見ていないけれども話題として知っている程度でもいいんです。 おじさんは、嬉々としてドラマ半沢直樹の名場面を語ってくれることでしょう。

おじさんたちが、半沢直樹を語っている場面で「見てないからわかりません!」「興味ありません!」とピシャリと言ってしまっては、その場は冷え切ってしまうでしょう。

「えー面倒だ」という声が聞こえてきそうですが、会社は年代が違う人々とコミュニケーションをとって円滑に仕事を進めていくことが大切です。『半沢直樹』を使って、上司や先輩とコミュニケーションをとってみませんか。

おじさんを話題にしましたが、おばさんはどうでしょう。。。おばさんも半沢直樹をみていますが、それは裏番組にイケメンが出ていないだけで、出ていたらそちらを選んでいることでしょう。(とあるおばさんの意見でした)

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