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【足元すくわれた】「男の作法」をあらためて読みました。

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うーん、この本を初めて読んだのはいつ頃でしたでしょうか。
多分、大学生とかそのくらいの時に、父親の本棚にあったのを読んだのだと思います。

昭和59年に出版されたベストセラー。
現在でも売れ続けています。

男の作法 (新潮文庫)
男の作法 (新潮文庫)

実は先週参加した、だいたひかるさん主催のブクブク交換で、ある方が紹介されてたんですねー。懐かしくなって、思わず交換していただいちゃいました。

昭和の時代に書かれて、しかもご本人が「わたくしの頃とは事情が違うから」と前置きしながらお話ししているにもかかわらず、今読んでも全然古くない、というか、むしろ現代の大人たちが忘れてかけている「粋」を、明快に示してくれています。かっこいいや。

なにしろ、「鬼平犯科帳」「剣客商売」を書いている人ですから、さぞや遊び人で女泣かせかと思いきや、実はそうでもなく、奥様思いのご亭主(こどもはなかった)で、

ぼくだって死ぬことは怖い。なぜ怖いかというと、死ぬことは未経験だから。だれも経験したことがないから。だけど、今死んで心残りがあるかといわれたら、ぼくはないんだよ。たとえ今晩死ぬとしても心残りはない。

ということは、するべきことは全部したしね。ああ、あれをしたかった、これをしたかったというような悔いは全くない。家内でも今まで全国ほとんど歩いているし、食いもの屋でもうまいところへはみんな連れていっているからね。家内に対してもするべきことはしている。

なんて書いている。

「粋」っていうのは、「自分が死んだ時に、いかにお通夜の宴会でみんなが笑ってお話ししてくれるか。」「でも出棺のときにはどれだけの人がおいおい泣いてくれるか。」というところに決着するような気がしているのですが、池波さん的に自分はどうかと考えると、全然。

ライフワークを「小さな会社の応援団」というふうに決めてからは、ずいぶん多くの方にお会いするようになり、「高木さんは人当たりがいいよねぇ。」とはよく言っていただけるようになってきました。でも、家に帰るとカミサンのわたくしの評価は滅法悪い。

まぁ、何がダメなのか細かく書くのもみっともないのでこれ以上はご想像におまかせしますが、一番近くにいる人からしてちゃんと満足させられないのに、他人様のお手伝いなんぞ百年早いというわけです。

そうは言っても面と向かうとなかなか素直になれないのが夫婦というものでもありますが。

独身のときにサラっと読んだの時とは、今回読んだ印象はかなり違って、勉強になったというか、足元すくわれたというか、ヤラレチマッターという感じですね。

その他、池波さんはいわゆる昭和の大作家のイメージ=締め切り間際に編集者に見張られながら書く!というのとは違い、仕事のセルフマネージメントに関しても達人だったようで、そういった仕事術、ビジネスマインドについても興味深い記述があります。

このタイミングで読みかえすことが出来て、すごくよかったなと思う一冊でした。

あ、それで思い出したのがビートたけしさんのこの本。以前このブログでも取り上げましたが、この新旧の「作法本」2冊を読むだけで、男っぷりも少しは上がるんじゃないかとちょっと思ったりして。

下世話の作法 (祥伝社黄金文庫)
下世話の作法 (祥伝社黄金文庫)

そんな、昔読んだ本との再会をも楽しく演出してくれるブクブク交換、5/23(水)は、「100円のコーラを1000円で売る方法」が爆走中のオルタナブロガー、永井孝尚さんをトークゲストにお迎えして行います。

よろしければぜひ。

男の作法 (新潮文庫)

池波 正太郎 新潮社 1984-11
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by ヨメレバ

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