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小さな会社のウェブマスターがパーソナルブランディングについてごにょります。

言い方は悪いですが、お客様をぐるぐる回しますぜ。

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先日、ザッポスとジャパネットについての記事を書かせていただいたのですが、こうしたカスタマーサービスに命をかける系の話になると、いつも引き合いに出されるのが、アメリカの高級百貨店、ノードストロームですね。

ウィキペディアによると、、、

ノードストロームは高品位のカスタマーサービスで知られており、そのためいくつか伝説的なサービスの例が都市伝説として語られている。それら都市伝説のうち最もよく知られたものは、アラスカ州アンカレッジの店舗に帰せられるもので、開店以来一度としてノードストロームが取り扱ったことのないタイヤセットについて、ある顧客がノードストロームで買ったものではないということに気付かずに依頼した返品に応じた、というものである。同社はノードストロームで購入したものであるならいつでも返金に応じると明言している。

とあり、要は「お客様にハッピーになってもらうためなら、うちは少々損したって構いませんよ。」というマインドですよね。

ここまでハードなのは、日本ではなかなか根付かないかも知れませんが、弊社のような文具業界、小売業界でも、感心する応対をしている会社さんがあります。

例えば、渋谷で言うと、東急東横店に入っている伊東屋さんとか、東急ハンズさん、ロフトさんといった「大手」の文具店さん(もしくは文具売場さん)。

日本法令というビジネステンプレートに関しては、渋谷では弊社が圧倒的な在庫をしているのですが、やはり知らないで伊東屋さんあたりに買いにいらっしゃる方も多いわけです。
それで、ご所望の品がないと、店員さんが「つばめやさんならありますよ。」と、プッシュ&丁寧にご案内して下さるのです。どちらかははっきり書きませんが、わざわざうちへのわかりやすい地図まで作ってくれているお店まであるほどです。

法令様式を買いに来るお客様は、基本的に急いでいるのをちゃんとわかっていて、それだったら自社で取り寄せて売るのではなく、すぐに買えるお店をご案内する。
さすが大手さんは、そのあたりがちゃんとしていますね。自分はコンシェルジュだという感覚なのでしょうか。

もちろん逆にうちは、現在は普通の文具の在庫はしていませんので、以前のように文具を買いにいらしたお客様には、コレを買うならココ、アレを買うならアソコが一番近いですよということで、ご相談に乗ったり、ご案内したりします。

恩送りという言葉がありますが、人に受けたご恩を、また別の違う人にお返しする。そういうことが日々の商売の中でも生まれるのですね。で、それって何だかちょっと気持ちいいのです。

まぁ、当たり前のことなんですけどね。
でもこの世知辛い世の中には、こういう小さな親切って大事なことかもしれない。そう思います。ザッポスのやろうとしていることも、こういう「お客様との対話」なんですよね。

実は、今度うちのウェブショップにアップしようとしている商品が、アマゾンで送料無料で販売されているのを発見してしまいました。こんなときどうするか?うちでは仕入れ値からしても配送料の契約からしても、とても送料無料は無理です。

で、会社としてはありえないことなのですが、商品の説明ページに、こんな風に書こうと思っています。

「この商品はアマゾンさんで送料無料でお求めいただけます。」

バカですよね。社長に怒られちゃうかもしれません。

でも、ソーシャルメディア隆盛の昨今、価格情報なんて一番最初に広まります。だったら、正直に教えてあげて、アマゾンさんにお客様を送っちゃうのも、カスタマーサービスなんじゃないかなと。パフォーマンスとして受け取られちゃうとちょっと悲しいですが、人様にお送りした恩が、もしかするとまたうちに違うところから回ってくるかも知れませんからね。

オカルトっぽく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした不思議な「法則」のようなものって、特にソーシャルメディアですべての人間がつながろうとしている現代、より色濃く具現化するような気がするのです。

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