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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

会社を完全事業部制にした話

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先日、facebook上で「ティール組織」について話題にしている友人がいて、その人はたまに飲みに行くといつも面白い話が聞けるので「どれ、いっちょ先取りしてみようか」と思ってAmazonでポチりました。

結構分厚い本だったのですが、50ページくらい読んだところで、感想としては、、、

ひま研究者だねー

と。

速く走れる人の走り方をいくら解析していただいても、俺は一向に速くならねーぞ!

と。

いや、きっと面白い人には面白いんでしょうけど、私には「ティール組織とは」あたりでヒットする記事くらいしか理解する頭がありませんでした。。(それもいまいちよくわからないところがありますが)

それはさておきまして、なんとなくですがうちの会社も同じような方向性で組織改革を進めているような気がします。本は最後まで読んでないので、全然違うかもしれませんが・・・。

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ここで、みなさんに質問です。

A)会社はよりよい製品を開発し、高付加価値・高品質かつ不具合ゼロを目指し、クレーム処理のコストをかけず、ブランド力を上げ、腕の立つエンジニアを採用し、かつよい口コミを集め大きな広告費をかけずに次々良質な仕事を得る。
B)会社は顧客の求める「良質」程度の品質で製品を販売し、1件あたりの利益は少なくなりつつも多売によってトータルで大きな利益を得る。その経験と利益をもって製造工程の見直しをかけ、徐々に提案力とクオリティをあげていく。

このような2つの経営方針があったとき、どちらが正解だと思うでしょうか?

この話、、、実は正解がないのです。あ、知ってましたか(笑)?

開発にかかわる人間であれば、ごはん3杯くらい、ビール10杯くらいイケちゃうおかずでして、うちもそっくりこのままではないですが、そのような議論が長年なされてきました。

さて、会社の中で社員同士の意見が複数に分かれたとき、社長としてどうするのが正解か?

もちろんそれをまとめるのが経営者の仕事であって「みんなの言うことはあいわかった・・・。しかし、今はこっちだ!!こっちへ進めー!」と言って旗を振るのが一般的なのでしょうが、しかし果たしてそうなのでしょうか。。

うちの会社が、大きなインフラを必要とする製造業で1案を採用するにもある程度の投資が必要であれば、確かにそういう決断を下し、何名かの人間が「あ、そっちの判断をしましたね。それでは残念ですが私はこれで」と社を去っていくのを止む無しと見送るのが正しいと思いますが、ソフトウェア業はそういうことでもないです。

みんな正しいと思うなら全部やってみたらいいじゃん!

と、今回、私はそういう決断をしました。やりたい方針ごとに事業部を作って別個に採算管理して業績を計ってみようと。

ただ、各事業部で完全自由にやったらそれはもう組織ではなく、一度手を離したらどこに飛んでいくかわからない竹トンボみたいになってしまいますので、一つ全社共通の目標を据えました。

それが必ずすべてのアクションは「お客様の感謝につながるものにすること!」というものです。

お客様の感謝につながるのであれば、各事業部ごとにどんな方法でやっても構わない。自分たちの信じる方法でやってみな!

と。

つまり、たとえ利益があがるとしても、粗悪品をつかませて稼いだり、お客様の無知につけこんだりするようなことはあってはなりません。

会社運営上、またみんなに十分な給料をお支払いする以上、お金は大事ですが、そこのところは順序をはき違えてはいけません。あくまでも求めるものは感謝であって、その印としてお金をいただくんだよ。逆に感謝が目標と言ってもボランティアではその感謝をいただく事業は継続できないよ、ということを強く伝えました。(つもりです)

はてさて、そうしたら何が起きたか?

なんと今年に入ってからの売上は去年の120%アップ(20%じゃなく120%です!)、粗利で80%を超える伸びが実現されました。

これは私も予想していなかった驚きの好業績ですね。うれしさ半面、これまで自分のどっちつかずの方針がいかに社員の足を引っ張っていたかと思い、痛く反省しました。

かつてホリエモンさんは著書の「ゼロ」の中で獄中での仕事についてこんなことを語っています。

僕が最初に与えられた仕事は、無地の紙袋をひたすら折っていく作業だった。長野刑務所への移送が決まる前、東京拘置所に身柄を置かれた翌日のことである。与えられたノルマは1日50個。担当者から折り方のレクチャーを受け、さっそく作業を開始する。ところが、意外にこれがむずかしい。当初は「たったの50個?」と思っていたのに、時間内にノルマ達成するのもギリギリだった。いくら不慣れな作業だとはいえ、くやしすぎる結果だ。
どうすればもっと早く、もっとうまく折ることができるのか? レクチャーされた折り方、手順にはどんなムダがあるのか? 折り目をつけるとき、紙袋の角度を変えてはどうか......?担当者から教えてもらった手順をゼロベースで見なおし、自分なりに創意工夫を凝らしていった。その結果、3日後には79個折ることができた。初日の1・5倍を上回るペースだ。単純に楽しいし、うれしい。
仕事の喜びとは、こういうところからはじまる。

(堀江 貴文. ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく (p.109))

残念ながら私は獄中で袋張りをするような経験はないのですが、この感覚はよくわかります。誰しも、他人にやり方を指定されて「この通りにやれ。これが失敗しないやり方だ。」とか言われたら仕事はまったく面白くありません。

1つのざっくりとした目標だけを与えられ、その中で「どうしたらそれを達成できるのか」自分の頭であれこれ考えてこそ面白く、そこに新しい工夫というのが生まれ、それがいくつか集まって画期的な生産手法に昇華され、チームも活性化しますし、全社的にも生産性が上がりますし、まさにいいことだらけですね。

工夫とはトライです。トライとは失敗を恐れずにやってみることです。

Fail Forward という言葉があります。

失敗して倒れながらも、起き上がったところは倒れる前よりも目標に近づいている。

これからも、面白い仕事をしたい人を集めて、いろいろ失敗しては前進していきたいと思ってます。

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