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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

小泉進次郎氏が抱きかかえて自爆してしまったあの話について(2/2)

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前回の続き

【解雇できなければ採用できない】

こういう状況であると会社はどうなるか?

最初からそういう社員を採らないよう、採用担当は非常に慎重になります。

ある若者がやってきて「自分にやらせてください!経験はありませんが、勉強して、きっと役に立ちます」と言ったとします。

本当はやらせてあげたいけど、もしできなかったらどうか。前述のように辞めさせるのは大変です。

実際は3ヶ月の試用期間というのが認められてますのでそこまでは厳しくはないのですが、それでも2週間を過ぎると辞めてもらうには合理的な理由が必要です。

単純作業の組立工じゃないんですから今どきの職場では2週間などではとても働きぶりなどわかりませんし、3ヶ月を過ぎたら試用期間が終わりますので本採用になります。

そこからはやはり厳格な解雇の4要件が適用されます。

どう考えても無茶ですよね?ある一人の若者にチャンスを与えただけでなぜ既存社員全員を巻き込んで解雇者選定などしなければならないのか。

ということで真面目な会社ほど、チャレンジングな採用をしなくなってしまうのです。

これは日本社会にとって大きな損失です。

【不良社員の給与が真面目な社員の給料を下げている】

実際のところ、従業員が数十人規模になると20人に1人くらい、ろくな働きもしないで給料だけ貰っている不良社員というのが存在します。

みなさんの周りでも心当たりがあるのではないでしょうか?

私も一時、とある会社に半常駐で入ったとき、ヘルプデスクの女性達が鳴り続く電話を放置して、お茶を飲みながら雑談してました。

見かねて「電話、取らなくていいんですか?」と言うとキッとこちらを向いて「少し鳴らし続けておいた方がいいのよ。暇だと思われても困るしね」と理由にもならない理由を述べていました。

まぁ経営者がその人達でいいと思ってるなら別に私が口を出すことはないですが、みんなが見ている前でよくそんな不真面目なことができるなぁ、とビックリしましたね。

さて、問題はそういった従業員の給料が、他の真面目な従業員の報酬を圧迫していることです。

非常に間接的ですので、実害無いように思えてしまうのですが、やはり仲間内で飲みに行くとそれに気づいた人から「なんで社長(部長)はあれを放置しているのか」という声が上がったりしますよね。

世の中にはサポート電話を放置するレベルではなく、出社してタイムカードを押したらすぐ営業に出ると言っては帰って来ず、夕方になってまた現れてタイムカード打刻して帰っていくような謎のオジサンもいるようです。

この「不良社員を辞めさせて真面目な社員の給料に回せ」という話は、ほとんどどの政治家も言ってないですが、かなり大事な話です。不良社員が20人に1人とすれば、その人の給料を配分すれば、単純計算で5%アップになります。

【日本人の給与が上がらない理由】

日本人の給料がG20の中でも低迷していると言います。

さっきChatGPTに聞いてみましたが消費者物価はコロナ前の2019年比で10%くらい上がってますが、給料については3~5%程度の上昇に留まっているということでした。

それはなぜか分かりますか?

取引先が給料の価格転嫁を認めてくれないからでしょうか?そうではありません。原油価格の高騰、原材料費の高騰についてはちゃんと認めてくれるのです。取引先も仕方の無いコストアップに応える準備があります。

しかし日本では給料は違うのです。

人件費アップを理由にして販売価格の交渉をしても「それはお宅の企業努力が足りない」と言われます。社長はそれを受けて、従業員に「申し訳ない。価格転嫁は認められなかった」と言い、従業員の方も「まぁしょうがないですね・・・頑張るしかない!」となり、それでお仕舞いになってしまうのです。

そんななあなあな交渉をしていたら給料など上がる訳がありません。私も社員を抱えている身なのであまり大きな声で言いたくはないですが、それはそうですよ。我慢してくれるなら我慢させておくに越したことはありません。

さて、日本の社員はなぜそんなに弱気なのか?

それが強い解雇規制によって守られているからです。会社=家のようになってしまっているのです。

あるいは、別の見方では、今の会社を辞めると簡単には雇ってもらえないことを知っているのです。

つまり「雇用の流動化」がなされていないのです。

「物価が10%上がってるんですよ。給料も10%上げてくれなきゃやっていけません!!」

退職をちらつかせながら交渉すべきですが、その環境がありません。

本来、進次郎氏はこういうことを力強く、丁寧に語るべきでしたが、彼自身はサラリーマン経験が全くなく、お父さんか竹中のおじさんか誰か周辺の人の入れ知恵で言い出したこと(推測失礼)なので、芯がしっかりと定まってなかったのでしょう。

なのでマスコミに「解雇規制の緩和」=「経営者の味方」みたいな見出しをつけれられて、それを聞いたみんなから「あの坊ちゃん、とんでもないことを言い出したぞ」と驚かれてしまったのです。

慌ててリスキリングとか再就職支援とか言い出しましたが、まったく的外れなんですよ。

小泉進次郎氏、「クビを切りやすくなる」とかつて批判された解雇規制緩和に前向き 自民総裁選、候補者間には温度差
https://www.tokyo-np.co.jp/article/354078

そういうなあなあこそが良くなく、もっと労使でドライな緊張感を持つべきです。

その意味では河野太郎氏の言っていた「金銭解雇」の方がしっくりきます。解雇の4要件を適用しない代わりに3ヶ月なり6ヶ月なりの補償額を雇用契約締結時点で決めておけばいいのです。

まぁ河野太郎氏は反対意見を一切聞かない人間なので私的には絶対にあり得ないと思っていましたがね。

ということで長々とお話ししてきましたが、日本には解雇規制の緩和が必要だというお話でした。

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