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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

社長から「経営者視点で考えろ」と言われたら

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前回に引き続きまして、上司や社長が言う理不尽な言説についての解説をさせていただこうと思います。

今回は

「お前なぁ、もうちょっと経営者視点で考えろよー」

という社長をはじめとする経営層からの不可解かつ不明瞭な指令!

これについて解説したいと思います。

ちなみに私も10年ほど前までこのようなことを言っていたような気がします。言っていなかったかもしれないですが、少なくとも思っていました。

しかし、正直言ってそれは無理というものですね。

たぶん社長としては「俺の立場から見えている景色を見てみろ。そんな判断にはならないだろ。」と言っているのでしょうが、

「じゃあその景色見せてくださいよ。」

「全社員の給与の一覧見せてくださいよ」

「とりわけ社長がいくらもらってるのか教えてくださいよ」

「いったい会社にいくらの現金があって、いくらの借金があるんですか?」

などと聞いても「・・・それは教えられん」と言われるのが通常です。

認知できないものを材料にして、誰も何も判断することはできません。

だから、社長は「経営者視点で考えろ」と言うのは無理なので辞めましょう。おしまい。

と言うと話はすぐ終わってしまうのですが、もう少し掘り下げましょうか。

■ 「複数の関係者のメリット」を考える

「社長視点で考えろ」ではなく「複数の関係者のメリットを考えろ」のであれば、それらの機密情報を入手せずともなんとかやりようがあるような気がします。

そもそも社長が

「お前なぁ、もうちょっと経営者視点で考えろよー」

的なことを言うのってどういう時かと言うと、たとえば

「社長、ぜひ在宅勤務を認めてくださいよ。通勤ラッシュとかホント無駄だと思います。」

とかいう提案をしたときではないでしょうか?そんなとき、社長は苦虫を噛み潰したような顔をして

「ぐぬう、、、おまそれ、経営者視点で考えてみろよ・・・」

と呻くものですね。

言われた方は

(はあ?経営者視点って俺、経営者じゃねーし。俺が社員目線で提案して、それをなんとか調整して実現するのがあんたの役目だろうが・・・)

となりまして、どちらも一歩も動くことができず、何も建設的ではありません。

そこで一つの提案です。

もしあなたが経営者の立場であれば、このセリフを「複数の関係者のメリットを考えろ」に変えてみてください。

もしあなたが社員の立場であれば、このセリフを「複数の関係者のメリットを考えろ」に脳内変換してみてください。

そうするとどうなるか。

「まず私の通勤ストレスが無くなる。通勤時間も無くなって実質的な賃金アップ。私はうれしい。」

「在宅を許可すれば、地方在住の人などでもっと安く働いてくれる人もいるでしょうからコストも下げらます。交通費も浮きますし、開発端末代やら電気代も節約できます。さらに採用にも有利に働くかも知れません。ということで会社もうれしい。」

「そうなると、開発費も安く抑えることができますし、緊急対応などもできやすくなりますから、お客さんもうれしい。」

「三方良しです。いかがですか?」

という感じの回答が思い浮かぶはずです。

これがすなわち、もともと社長が求めていた「経営者視点の提案」ではないでしょうか?

よく、ビジネスではWIN-WINの関係を追求すべきと言いますが、さらにもっといろいろなWINを考えてWIN-WIN-WIN-WIN-WINくらい行っちゃうようなアイディアというのは、決して否定されないことと思います。

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