そのバグを直すべきか
「おじいさんがゆでたまごを食べていたら、警察につかまってしまいました。なぜでしょう?」というなぞなぞを思いついて年長の息子に出したところ、「納得できない」と腹にパンチされた「使えるシステム研究家」島田徹です。
最近ほぼ1ヶ月に1回のペースで、絶賛ゴリ押し中の「国内ラボ開発」のセミナーをやっているわけですが、前回「ウチではバグですら放置して、新規機能の開発を進めることがある」と言ったら、みなさんに結構な衝撃が走ったようです。
それはそのはず。受託開発においては、バグを放置すると顧客との信頼関係が失墜して、必ずよろしくない状態になっていくからです。
わかってますって。私達も20年近く受託をやってきてますから。
しかし!
今推し進めている「国内ラボ開発」は違います。
こんなバグは放置して、その工数をどんどん別の機能開発に当てていきましょう!
と厚かましくも申し上げることがあります。
そこには
バグがないシステム=使えるシステムではない!!
という容易には受け入れがたい主張があるのです、はい。
我々開発者はともすると「バグを出すのは開発者の恥ずかしいミスである!無償でさっさと直すべし!」と思いがちです。
しかし、実際は10人月規模のシステムであれば修正に半月かかるくらいのバグは発生するものです。逆にそれくらいの勢いで作っていかなければ昨今のビジネススピードに追いつけません。
そんな中、お客さんにとっては「バグは困るが販促用の機能ができないのはもっと困る!」とか「このExcelデータを移行してもらわないと埒があかない!」とかいうことはよくあることです。
ビジネス的にインパクトが大きいバグ・不具合は当然徹夜で直さなければいけません。
しかし、別にどうってことのないバグは放置しておいて、むしろ「ダブルクリックで2回サブミットが走る」というバグとも仕様とも言えないグレー部分の修正を優先した方がいいかも知れません。
バグとは、お客さんと開発会社の両者で産み落とした鬼子です。そしてそれは一定確率で必ず生まれます。
その子を矯正するのか、放置するのか。それは両親で話し合ってきめていけばよいのです。
そして、冒頭のなぞなぞの答えは、「食べていたのは『茹でた孫』だったから」でした。
また会いましょう。
次回セミナーは4/6(木)です!
http://peatix.com/event/241434/