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ライフワークとしての学びを考えます。

上達するには左手と、そして指の独立

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昨日の記事でも書いたように、音楽やスポーツにとって早期教育は大変大事だと思います。
しかし、私は10歳でピアノを始めました。
 
私は右利きだったのですが、右手も不器用。
野放し状態だった左手もヨロヨロしていました。
 
とにかく最初やらなければならなかったことは「指の独立」です。
 
なぜ、指の独立が必要なのでしょう?
 
指は、親指、人差し指、中指、薬指、小指、とそれぞれ特徴があります。
その中でもとりわけ薬指がやっかいです。
 
どれだけ独立していないか簡単に試してみましょう。
 
左手を机の上に広げて置いて、人差し指だけを上げてみて下さい。
きっと楽に上がると思います。
さらに上下運動が出来ますか?
 
次に、薬指だけを上げてみましょう。
先ほどよりは難しいですね?
それでは小指と薬指を仲良く一緒に上げてみましょう。
今度は上がったのではないでしょうか。
 
つまり、指は・・・特に薬指は小指と連動していて、自然に独立することは困難なのです。
訓練していない薬指だけを無理に上げたり下げたりしたら筋を痛めるだけです。
 
ピアノを演奏するにはこの5本の指が全て独立して動くことが必要です。
 
ただでさえ不器用な左手で、しかも指が独立していないと、薬指が出てくるたびにヨロめいてしまい、音楽が流れません。
初心者が弾くといつもどこかで転んでいる感じがしてしまうのはそのせいです。
 
そのため、「ハノン」という訓練系の練習曲を練習しました。
これは、指の強化というより指の独立を助けるものです。
実際私が教える場合、まだ手や腕の重みも十分ではない年齢の生徒に「ハノン」を練習させることはしないのですが、ある程度手がしっかりしてきた年齢でしたら有効な教材だと思います。
 
「ハノン」は歌でいう発声練習のようなものでしょうか。
本当に面白味のない曲ともいえない曲で、子供には退屈なのですが、ウォーミングアップのように毎日コツコツと弾き続けていたら、いつの間にか左手や左右の薬指も動くようになってきました。
 
そうすると、今まで弾けなかった曲も不思議と弾けるようになってくるのです。
その頃からピアノが面白くなってきました。
 
ただ好きな曲だけを弾いているのもいいのですが、指の独立を意識しながら練習すると上達も早いと思います。

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