「大修羅場」よりも「プチ修羅場」
「転勤?絶対イヤ!」
主婦の知人が、ご主人の転勤に「ついていかない」と言います。
ママ友やフィットネスクラブの友だち、それに近所に住んでいる両親。気心知れた人たちに囲まれる生活は心地いいですよね。
でも、転勤先に行けば知らない人だらけ。せっかく築き上げてきた交流関係も一からやり直し。面倒くさいですよね。
結局、ご主人は単身赴任となりました。
久しぶりに会って話しを聞くと、「夫の有り難さが分かった」。
「4ヶ月に1回くらい帰ってくるんだけど、庭の草取りとか植木の手入れとか手際よくやってくれるのよね。私のパソコンも夫が帰ってくるまで壊れたまんま...。夫がいないときは庭もパソコンも見て見ぬ振りしてたわ〜」
ご主人が転勤になってから精神的にも辛かったようで、彼女にとって「プチ修羅場」を経験したようです。
数年後。ご主人は本社に戻りました。そして、ご主人がかねてより欲しがっていた別荘を購入しました。知人の主婦は、以前は難色を示していたのに、この時は一発OK。週末は知人自ら車を運転して別荘に行くようになったのです。
知人は頑固でした。でも、ご主人の単身赴任で、「プチ修羅場」を経験して、少しずつ考えが変わっていったのです。
あの時、知人がすべてを手放してご主人の転勤についていったらどうなっていたでしょうか?今まで築き上げてきた人とのつながりを断ち切ってしまえば「大きな修羅場」となって苦しみ、ご主人とも上手くいかなくなっていたかもしれませんよね。
知人のように頑固な大人が、すぐにまるっきり変えるのは不可能です。
でも、変えられるものと変えられないものを分けて、徐々に自分を変容(成長)させていくことはできます。「大修羅場」を「プチ修羅場」に変えてしまうのです。
これは仕事でも同じです。
異動や昇進、転職などで、これまでの価値観を覆されることがあります。でも価値観を一気に変えようとせず、出来ることと出来ないことを見極めて、少しずつ変えて行くことで、大きなダメージを避けることができます。プチ修羅場にすることで、かえって上手くいくことも多いのです。