アンケートは「人の鏡」
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私は皆さんに、講演会やプレゼンで聴き手にアンケートを取ることをお勧めしています。
プレゼンの目的は、プレゼンを聞いた聴き手に、良い方向に動いてもらうこと。
プレゼンは「他人に影響を及ぼし、望ましい行動を起こさせる」というリーダーシップを発揮する場なのです。
一方で聴き手は無言で聞いています。自分の言葉が伝わっているのかがなかなか分かりません。アンケートは、どのように伝わっているかを知り、改善する手段。ここから学ぶことで、より的確に望ましい行動を起こさせることが可能となります。
職位が高い人は「アンケートなんていらない」と言いがちですが、実はそんな人ほど、アンケートは必要です。
リーダーになると、周囲に本当のことを言ってくれる人が少なくなるもの。役職が高くなったり、年齢が高くなれば尚更です。
『貞観政要』でリーダーは、「三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)」という3つの鏡を持たなくてはならないという教えが書かれています。
三つ目の「人の鏡」は「リーダーは耳の痛い厳しい諫言を受け入れなければならない」と言っています。
耳の痛い言葉は自分にとって辛いこと。しかし唐朝の第2代皇帝の太宗は、自分が傲慢にならないよう、魏徴を始め、厳しい直言をしてくる人物を側近として任用していました。あえて批判に耐えて自らをリーダーとして成長させていったのです。
プレゼンのアンケートで積極的に厳しい意見を受け入れれば、自分の良い鏡となってくれます。特に忌憚のない意見が書かれる匿名のアンケートは宝の山です。
ぜひアンケートをとってみることをおすすめします。
【参考文献】
出口治明『座右の書「貞観政要」 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』KADOKAWA
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