ソーシャルメディアが注目されている今だからこそグローカル戦略について考えてみよう。
大変ご無沙汰しております。芝辻です。
私事で恐縮ですが、5月1日より株式会社トライバルメディアハウスに転職することになりました。今後ともよろしくお願いします。
"Think Globally, Act Locally"
これはあまりにも有名な言葉である。
地球規模でモノごとを考え、身近でやれるところから行動をする
と言う意味である。
この表現はしばしばグローカル(Glocal)とも言われる。
グローカル(Glocal)とは、グローバル(Global:地球規模の、世界規模の)とローカル(Local:地方の、地域的な)を掛け合わせた造語である。
"Think Globally, Act Locally(地球規模でモノごとを考え、身近でやれるところから行動をする)"という考え方は様々なところで応用できるのではないかと思う。
ビジネス、環境問題、政治、人生における生き方、などなど・・・
"Social Media"(ソーシャルメディア)が普及し流行り始めて久しいが、ソーシャルメディアプラットフォーム上に形成されるソーシャルグラフという名のインフラが整いつつある今、この"グローカル"というキーワードを今一度見直して考えてみると、今抱えている問題や今後の展開の一助になるのではないかと思っている。
"Glocal(グローカル)"という言葉が生まれた歴史を振り返ってみよう。
そもそもは、"Glocalization(グローカリゼーション)"という言葉が日本で生まれたのが起源なようだ。
全世界を同時に巻き込んでいく流れである「世界普遍化(Globalization)」と、地域の特色や特性を考慮していく流れである「地域限定化(Localization)」の2つの言葉を組み合わせた混成語である。
1980年代の日本企業が営業戦略として使用し始めたそうだ。
1980年代と言えばは、80年代後半にやっとインターネットの通信網がアメリカで形成されたり、日本では87年にニフティが「ニフティサーブ」をスタートさせたような時代である。
人々の情報伝達手段のメインは、郵便・電信・電話だったであろう。またマスメディアも重要な情報伝達手段をになっていた。
この頃はグローカル戦略をとっていた、もしくはとれていた企業は少なかったのではないかと考えている。日本で言えば、トヨタ自動車やSonyのような日本を代表するグローバルカンパニーに限られてしまっていたのではないかと思う。
1990年代になるとインターネット時代に本格的に入り、情報伝達手段は、ケータイ・インターネットが増えてくる。生活のあらゆる局面、経済や流通システム、教育や市民活動までも大きく変わった。
2000年に入ると、ソーシャルメディアが少しずつ普及し始める。特にSNSでは、2002年のFriendster、2003年にはMySpaceやもうすぐ日本語対応されるという噂やIPOを予定しているLinkedInが誕生し、2004年にはあの映画ソーシャルネットワークや様々なメディアに取り上げられ日本でブレークしつつあるFacebookが誕生した。Facebookのユーザー数は6.6億を超えているという。
日本でも2004年にmixi、GREEが、2006年にはモバゲーがサービスを開始した。
その他のブログ(アメーバなど)、動画写真共有サイト(YouTube、Ustream、picasa)、掲示板・評価サイト(2ch、価格コム、食べログ)、Q&Aサービス(Yahoo!知恵袋、発言小町、OKWave)などのソーシャルメディアも数多く誕生している。
人々はこれらソーシャルメディアを用いて情報伝達をするようになってきている。個人が情報発信できるインフラが整いつつあるので、今までよりも情報の拡散スピードが速まり、よりグローバル展開がしやすい環境ができあがっている。
3.11の東北地震でもコミュニケーションインフラとしての役割を多いに果たしていたし、世界中へソーシャルメディアを通して情報が拡散していった。
今私たちは今までよりも"グローカル"に考え、それを即実行できる環境にいるのである。
次回以降は、様々な事例やトレンドを元に私の考察を加えて、このグローカル戦略を考えてみる。
■参考記事
1.グローカル企業(マーケティング用語)
http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/yougo/my08/my0845.html
2.wiki:グローカル化
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%E5%8C%96